世界観
結婚が題材。「結婚したい女」高梨あすかと「結婚したくない男」名波竜の2人を中心に、結婚について異なる考え方を持ったキャラクターたちが多数登場する。彼らがお互いに交流を深めるなかで、結婚について新たな意見を持つようになったり、折衷案を模索する姿が描かれる。
作品構成
恋愛模様のみならず、主役カップルの仕事風景が丁寧に描写されるのが作品構成上の特徴。大手銀行のOLである高梨あすかと、人気アナウンサーの名波竜。2人が一緒にいる時間と同等に単独で働く姿を描写する事で、2人の仕事への強い熱意が伝わる作品になっている。また、読み進むにつれ、金融業界とアナウンサー業についての知識を深められるのも特徴のひとつ。
あらすじ
第1巻
館大銀行に勤める24歳のOL、高梨あすかは、子供の頃から専業主婦になる事が夢の「結婚したい女」で、仕事ぶりを高く評価されているにもかかわらず、恋人のコーイチからのプロポーズを待つ日々を送っていた。しかしある日、あすかはコーイチから別れを告げられてしまう。あすかの高すぎる結婚願望は、知らず知らずのうちにコーイチを追い詰めていたのである。ショックを受けるあすかだったが、先輩社員の小野広樹を通じて知り合った人気アナウンサーの名波竜に励まされ、元気を取り戻す。竜は、あすかとは真逆の「結婚したくない男」であった。竜には、以前ある女優と不倫関係にあったが、それが発覚しそうになったために別れ、一時的にニューヨーク支局へ異動させられていたという過去があった。それから竜は結婚願望を完全になくしてしまい、自由に遊び歩くようになっていたのである。あすかはそれを知りつつも、次第に竜に惹かれていく。しかし、たとえ竜を好きになっても、結婚は難しいのだと思うと、一歩踏み出せずにいた。そんな中、あすかは竜に交際を申し込まれる。竜には相変わらず結婚願望はないが、あすかには惹かれており、いっしょにいたいのだという。それを受け入れたあすかは、その日から竜に結婚願望を抱かせるべく、奮闘を開始する。
第2巻
高梨あすかは名波竜と交際を始めたが、お互い多忙なためにすれ違いばかりで、まるで会えない日々が続いていた。そんなある日、竜は生放送の大型音楽番組「PTV大音楽祭」の司会を務める事になる。竜は以前もこの番組の司会をしたが、その時は大失敗し、歌手であり女優でもある桜邑子の出演時間を短くする、という形で乗り切ったのである。今度こそは番組を成功させたい竜だったが、「PTV大音楽祭」当日、いっしょに司会をする予定のミーナが緊急入院し、代打の相沢華をフォローしながら進行する事になってしまう。さらに番組中、歌手のYUAが突然結婚報告をするというハプニングもあったが、竜は見事番組を成功させ、さらに人気アナウンサーとなっていく。その結果、ようやくあすかと会えるはずだった日には出張が入ってしまい、二人はついにけんかになってしまう。しかし、竜が出張から戻ると、空港で待っていたのはあすかであった。仲直りをした二人は、とうとう結ばれるのだった。
第3巻
12月になり、名波竜は、元歌手で女優の桜邑子と共に、新音楽番組の司会を務める事になった。一方その頃、高梨あすかも来年から新宿支店への異動が決まり、これまでと休日が変わる事で、あすかと竜は今にも増して会いづらくなってしまう。これにより結婚の話はさらに遠のき、あすかは落胆するが、ひとまず今は仕事に打ち込む事にする。しかしその直後、あすかはソサエテジェネラル銀行の神谷暁人と再会。熱心なアプローチを受け、プロポーズまでされてしまう。さらにあすかは、テレビで竜と邑子の親しげな様子を見た事から、竜のかつての不倫相手とは邑子なのではないかと気づく。その推測は当たりで、竜が結婚に対して否定的になったのは、邑子が夫である俳優の上崎圭司の度重なる不倫に苦しめられ、それでも離婚できず、疲弊していった事にあった。そのまま年末になった12月26日、竜は突如邑子のマネージャーに呼び出される。なんでも今日は邑子と圭司の結婚記念日だが、圭司が家に戻らない事により邑子が荒れているので、元恋人である竜に助けてほしいのだという。仕方なく竜は邑子の家に向かうが、そこでなんと、邑子に迫られる。どうにか邑子を説得してあすかのもとへ戻る竜だったが、そこで改めてあすかに、やはり今は結婚には前向きになれないと告げる。
第4巻
年が明け、高梨あすかは正式に神谷暁人のプロポーズを断ったが、依然として暁人はあきらめず、あすかにアプローチを続けていた。名波竜は、自分こそがあすかにふさわしいと譲らない暁人の姿に焦るが、かといってあすかと結婚したいとは思えず、悩む。そんなある日、あすかと竜が会っている現場が写真に撮られてしまい、インターネット上で拡散されてしまう。しばらく会うのは控えるべきかと悩むあすかだったが、その直後竜と桜邑子がいっしょに音楽番組の司会をする事を知り、嫉妬する。そしてあすかは竜に、いつか自分は邑子を超える女性になり、竜の結婚観も変えてみせると改めて宣言するのだった。
第5巻
街で偶然会った事により、名波竜は、ライバルである神谷暁人と二人で食事する事になってしまった。そこで竜は、暁人の高梨あすかへの身勝手な思いを知り、暁人にだけは負けたくないと思うようになる。その直後、あすかは暁人に無理やりキスをされた事でとうとう腹を立て、もうプライベートでは二度と会わないと伝える。しかし、暁人からは、今後も自分に付き合わなければ、竜との関係をマスコミにバラすと脅された上、高価なプレゼントまで贈られ、結局関係を断つのに失敗してしまう。これによって危機感を強めた竜は、あすかを急きょ一泊旅行に誘い、そこで指輪をプレゼントする。それは婚約指輪と言うわけではなかったがあすかは喜び、つねに身に着けるようにする。しかしそれでも暁人はあきらめず、あすかにまた告白するのだった。そして春になって新年度が始まり、竜は新人アナウンサーの清水悠真の教育係を務める事になる。そこでさっそく竜は悠真の実力を試すべく、生放送中に悠真に無茶な指示をする。
第6巻
名波竜が清水悠真と共に生放送の仕事をしている最中、高梨あすかは千葉県の実家に戻っていた。しかし、そこに現れたのは、なんと神谷暁人であった。あすかの父親は暁人の顧客で、暁人を気に入ったあすかの父親は、暁人を自宅に招いたのである。結局あすかは暁人も交えて家族団らんのひと時を過ごし、帰り際、またも暁人に迫られるのだった。一方その頃、あすかの弟である高梨奏は、あすかには恋人がいるが、それが誰かは明かせないという事に不信感を感じるようになっていた。そこで奏は連絡なしであすかのもとを訪れ、恋人が誰なのかを探る決意をする。その結果あすかと竜の関係は奏にばれてしまい、竜は奏に、あすかとの関係は公表できないが大切に思っており、近いうちに同棲を始めたいと考えていると宣言する。これがきっかけで、あすかと竜の物件探しが始まるが、ようやく決まった新居は、なんと暁人の住むマンションであった。それでも二人の楽しい同棲生活がスタートするが、そんな中、竜の知らぬところで、竜のワシントン支局異動の話が進んでいた。
第7巻
高梨あすかは社内の経営戦略チームに抜擢され、ますます仕事への意欲を高めていた。そんな折、名波竜は秋からのワシントン支局異動を打診され、あすかと竜は相談の結果、日本とアメリカの遠距離恋愛を選択する事にする。竜はこれを機に結婚するのも良いと考えるが、あすかはそのような後ろ向きな結婚は嫌だと拒否し、竜が心から結婚したくなるまで待つと告げるのだった。その直後、竜はあすかを、兄である名波仁に紹介する。自分達の関係に好意的な仁にあすかは安堵し、これから数年に及ぶであろう竜との遠距離恋愛を乗り切る事を改めて誓う。そして秋。離れ離れとなったあすかと竜は、頻繁に連絡を取り合いながら、お互いに充実した日々を送っていた。しかし高梨奏はこの状況を快く思わず、ある日、あすかと暁人の三人で会った際、何年もあすかを日本に置いたままの竜よりも、神谷暁人の方があすかにはふさわしいのではないかと言い出す。それを聞いた暁人は奏をたしなめつつ、あすかに、自分であれば竜のような中途半端な態度はとらず、誠実な交際をすると言うのだった。
第8巻
冬。高梨あすかは、体調を崩した高梨奏の看病をしたのがきっかけで、インフルエンザにかかってしまった。これにより名波竜と会う計画は中止となり、あすかは落胆するが、体調が回復したある日、あすかが目を覚ますと、そこには竜がいた。だが、実は竜は無理をしてあすかに会いに来ており、竜はアメリカに戻った直後、職場から恋愛よりも仕事を優先するようにと釘を刺される。さらにその直後、あすかは職場で結婚退職したいと冗談で話しているのを上司に聞かれ、突如経営戦略チームから外されてしまう。しかし、理不尽な人事にショックを受けるあすかを支えたのは神谷暁人であった。そして暁人はこの、あすかが辛い時にろくに竜に頼る事もできず、自分に頼らざるを得ない状況に疑問を抱く。あすかもまたこのままではいけないと感じ、突発的に竜に会いに行く。しかし、そこで竜の目覚ましい仕事ぶりを見たあすかは、ついに別れを決意する。あすかは自分の存在が竜の足かせとなっており、このまま交際を続けても、お互いに苦しいだけなのではと考えたのである。
第9巻
高梨あすかは、仕事が順調なのにもかかわらず、ワシントン勤務延長を断ろうとしている名波竜を見て、別れを決意した。しかし別れ話は一向に進まず、見かねた神谷暁人はあすかを抱きしめる。だがあすかは暁人に、暁人は魅力的な男性だが、交際する意思はないと、はっきりと彼をふる。その直後、あすかは新たなプロジェクトに抜擢され、その後数年間は結婚するのが難しい状況になる事を理解しながら快諾する。そんなあすかに対し、一時的に日本に戻ってきた竜は、今度はあすかのプロジェクトが落ち着くまで自分が待つので、交際を続けたいと言われるのだった。そして3年後。あすかは小野広樹と工藤莉央の結婚式で竜と再会し、とうとうプロポーズされる。3年たってもお互いを愛する思いが変わらなかった事を知ったあすかはプロポーズを受け、これからも遠距離恋愛を頑張ろうと誓う。しかし、あすかはまったく知らなかったが、なんと竜はすでにワシントン勤務を終えていたのである。そして竜は日本に戻ってすぐの生放送の最中に、「突然ですが、明日結婚します」と宣言。あすかのみならず、日本中を混乱の渦に巻き込むのだった。
登場人物
本作『突然ですが、明日結婚します』では、主要キャラクターたちに「結婚」に関する異なる価値観が設定されているのが特徴。「結婚したい女」である高梨あすかをはじめ、繰り返される夫の不倫に悩まされる「結婚に固執する女」桜邑子、愛情よりも利害の一致で結婚相手を選ぼうとする「結婚に利益を求める男」神谷暁人など、多様な考え方が描かれていく。また作品タイトルになっている「突然ですが、明日結婚します」という言葉は作中で幾度となく語られるにもかかわらず、主人公カップルがこのセリフを発する事はない。
コラボレーション
2016年1月「誓いの結婚フェア」と題して「プチコミック」掲載の結婚を題材にした作品のフェアが開催された。フェアの内容は、対象作品のコミックスの帯に記載されたパスワードを特設サイト上で入力すると、作品のイラストがあしらわれた、実際に使用可能な婚姻届がダウンロードできるというもの。本作『突然ですが、明日結婚します』4巻の他には、わたなべ志穂『王様に捧ぐ薬指』4巻、大海とむ『蜜夜婚 ~付喪神の嫁御寮~』1巻などが対象になった。
メディアミックス
実写ドラマ
2017年1月から3月にかけて、本作『突然ですが、明日結婚します』の実写ドラマ版がフジテレビ系列にて放送された。脚本は山室有紀子と倉光泰子が担当し、高梨あすか役を西内まりや、名波竜役をflumpoolの山村隆太が演じた。
著名人との関わり
宮園いずみはコミックス1巻のおまけページで、連載開始にあたり、TBSアナウンサーである駒田健吾への取材を行った事を語っている。宮園いずみは、本作『突然ですが、明日結婚します』執筆前はアナウンサーという職業に明るくなく、テレビでの知識しかなかったという。しかし駒田健吾から現場での話などを取材できた事で、作品に生かせる貴重な情報が得られ、良い体験になったとの事。また、宮園いずみは以降も多数のテレビ関係者への取材を行っており、取材相手には甲斐洋威(NHK)、羽村玄(NHK)、清水一幸(フジテレビ)の名前が挙げられている。
登場人物・キャラクター
高梨 あすか (たかなし あすか)
強い結婚願望を持つ24歳のOL。大手銀行の館大銀行に勤めている。明るい茶色のストレートロングヘアを、胸のあたりまで伸ばしている。専業主婦志望だが会社では非常に仕事熱心で、全支店でトップ3に入るほどの高い営業成績を誇る。さらに宅建の資格を持つため不動産関係の知識にも長け、先輩社員の小野広樹にも高く評価されている。にもかかわらず寿退社を強く望んでいるため、周囲には不思議に思われている。 幼い頃はいじめに遭っており、温かい家庭と母親を非常に大切に思っていた。そのため自分も専業主婦になり、自分の子供にとって「逃げ場」のような存在になりたいと考えている。偶然出席した結婚式で、自分とは真逆の価値観を持つ名波竜と出会い、反発しつつも強く惹かれていく。 特技は料理。
名波 竜 (ななみ りゅう)
テレビ局PTVでアナウンサーを務める28歳の男性。端麗な容姿と爽やかで品のある雰囲気で、視聴者からは「ナナリュー」の愛称で親しまれている。PTVでは入社5年目でアメリカ合衆国のニューヨーク支局へ栄転したのち、1年で日本へ戻り担当番組を持つという、目覚ましい活躍を続けている。しかし、ニューヨークへ行った本当の理由は女優の桜邑子との不倫で、竜自身は現在もその恋を引きずっている。 冷たく思われがちだが、周囲への気配りを怠らないスマートな性格で、機転の利く頼りがいのある人物。邑子との出来事から結婚に否定的になっており、高梨あすかと知り合うまでは不特定多数の女性と交際する日々を送っていた。しかし自分とは正反対のあすかの考え方を認め、次第にあすか自身にも惹かれて交際を始める。 容姿で評価されがちだが、有名になった現在でも顔の出ない小さなナレーションの仕事を大切にしている。寝起きが非常に悪いのが玉に瑕。
小野 広樹 (おの ひろき)
高梨あすかの先輩社員で、名波竜と同居している若い男性。竜とあすかが親しくなるきっかけを与えた人物でもあり、2人の関係を知る数少ない人間の一人。あすかの友人である莉央に想いを寄せており、莉央に結婚願望がないことを知りつつアタックをする。竜とは彼の素の性格を知っているほど親しく、竜を大切に思いつつ、寝起きの悪さには手を焼いている。 実は伯菱グループの御曹司で、住んでいるマンションは建物丸ごと自分の所有物。
工藤 莉央 (くどう りお)
高梨あすかの友人で、同僚の女性。前髪を右寄りの位置で斜めに分けたショートカットヘアをしている。口元のほくろが特徴。結婚願望は一切なく、自由な生き方をしたいと考えていた。しかし小野広樹に熱心にアプローチされ、結婚するか否かは度外視して交際することになる。あすかと名波竜の関係を知る数少ない人物でもあり、あすかに親身なアドバイスを送る。
桜 邑子 (さくら ゆうこ)
名波竜とかつて不倫関係にあった女優。前髪を真ん中で分けて額を見せ、ゆるく巻いたロングヘアを腰のあたりまで伸ばしている。以前は歌手としても活動しており、竜が音楽番組「PTV大音楽祭」に出演した際にはトラブルもあった。夫は俳優の上崎圭司だが、浮気を繰り返す彼に振り回されており、竜と不倫関係になったのも、もとはと言えば圭司の行動が原因。 竜が結婚に対して否定的になり「結婚は呪いのようなもの」と考えるようになったのは、邑子と圭司の関係を見たことがきっかけである。
神谷 暁人 (かみや あきと)
ソサエテジェネラル銀行に勤める若い男性。社のトップ営業マンとして知られている。高梨あすかとは知り合いで、街で偶然会ったところをテレビ局PTVの街頭インタビューにつかまり、恋人として振る舞うことになってしまう。その際に名波竜と出会い、あすかを巡って彼とライバル関係になっていく。あすかを自分の妻に相応しい女性と感じ、お互いの利害が一致した最高の関係だと捉えている。 そのためあすかに積極的にアプローチし、あすかを悩ませる。
氷室 (ひむろ)
テレビ局PTVのプロデューサーを務める男性。前髪を左寄りの位置で分けている。三上響とは同期で親しく、名波竜からは「同期コンビ」と呼ばれている。竜のことは快く思っていないがアナウンサーとしては高く評価しており、担当番組「music program」の司会に抜擢する。
三上 響 (みかみ きょう)
テレビ局PTVに所属する、名波竜の先輩男性アナウンサー。前髪を真ん中で分け、こげ茶色のふんわりとした髪をしている。竜のことは就職試験中から知っており、竜の「三上に憧れて応募した」という志望動機が嘘なのも知っていた。現在はそれをネタにからかいつつも、竜の仕事ぶりを正当に評価し、良好な関係を築いている。既婚。
清水 悠真 (しみず ゆうま)
テレビ局PTVに入社してまもなく2年の新人男性アナウンサー。初々しい雰囲気と可愛らしい容姿から、すでに女性視聴者からの人気を集めている。スポーツ全般が好きで、スポーツ実況の仕事が夢。名波竜の下について働くことになり、彼の仕事ぶりを目の当たりにする。
相沢 華 (あいざわ はな)
若い女性モデル。音楽番組「PTV大音楽祭」にて、当日急遽出演できなくなったミーナの代わりに、名波竜と共にMCを務めることになった。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、量が少なめのウェーブヘアを腰のあたりまで伸ばしている。以前出演したバラエティー番組ではろくに話せず、突然の抜擢にも強いプレッシャーを感じていた。しかし竜のサポートにより落ち着きをとり戻し、司会業務に挑む。
コーイチ
高梨あすかの恋人。ふんわりとした長めの髪と、左目の下のほくろが特徴。年齢は30歳で、俳優になるのが夢。あすかとは5年間交際しており、あすかはコーイチと結婚するものだと考えていた。しかし彼自身は夢を最優先しており、一人で集中して夢を叶えるため退職し、あすかにも別れを告げる。
高梨 奏 (たかなし かなで)
高梨あすかの弟。年齢は18歳。前髪を目が隠れそうなほど伸ばしたウルフカットの髪型で、左目尻にほくろがある。細身で背が高い。千葉県の実家で暮らしており、東京都に住むあすかとは離れて生活している。一見クールで淡々とした雰囲気を漂わせているが、実は極度のシスターコンプレックスで、あすかの幸せを誰よりも強く願っている。18歳の春、あすかが実家に戻って来た際、恋人はいるが誰なのかは明かせないと言われ、あすかと恋人の関係に不信感を覚える。そのため、直後東京都のあすかの自宅へ向かい、あすかの交際相手が誰なのかを密かに調べようとした際、それが名波竜である事を知る。それをきっかけに竜と知り合うが、竜が結婚に前向きでない姿勢を快く思っていない。そのため、神谷暁人の方があすかにはふさわしいのではないかと考えるようになる。
名波 仁 (ななみ じん)
名波竜の兄。前髪を目の上で切った癖のあるショートカットの髪型で眼鏡をかけており、まつげが長い。クールで落ち着いた性格で、竜に対しては厳しい。高梨あすかとは、ある夏、竜から紹介された事で知り合い、すぐにあすかを気に入った。そのため、二人の関係に対しては非常に好意的である。
その他キーワード
PTV大音楽祭 (ぴーてぃーゔぃーだいおんがくさい)
名波竜が司会を務めた音楽番組。全編生放送で、竜は秒単位のスケジュールを司会の腕でコントロールする難しい役目を担った。竜は過去にも同番組の司会を担当した経験があるが、その際はトラブルが多発し、桜邑子が出演時間を削るという形で対応した。しかしそれがきっかけで邑子はテレビ局PTVの番組に出演しなくなってしまい、竜は深く後悔していた。
music program (みゅーじっくぷろぐらむ)
名波竜が桜邑子と共に司会を務めることになったテレビ局PTVの新音楽番組。毎週水曜日の夜8時に放送され、番組プロデューサーは氷室。以前は歌手だった邑子が今回は司会に回るため「邑子が音楽活動を辞めた理由が知れるのでは」と視聴者やアーティストからも注目が集まっている。また、「PTV大音楽祭」でかつて起きた問題から、PTVと邑子には確執もささやかれていたが、その疑いも払しょくする番組となった。
書誌情報
突然ですが、明日結婚します 9巻 小学館〈フラワーコミックス α〉
第1巻
(2014-11-10発行、 978-4091364302)
第2巻
(2015-03-10発行、 978-4091367792)
第3巻
(2015-08-10発行、 978-4091374684)
第4巻
(2016-01-08発行、 978-4091381194)
第5巻
(2016-06-10発行、 978-4091383525)
第6巻
(2016-11-10発行、 978-4091387653)
第7巻
(2017-02-10発行、 978-4091392671)
第8巻
(2017-09-08発行、 978-4091394439)
第9巻
(2018-06-08発行、 978-4098700691)