秘密を抱えた男子バドミントン部
団体戦は五人の部員がいないとエントリーできないため、天戯高校男子バドミントン部は創部3年目ながら一度も団体戦に出場したことがない。団体戦出場のため、新入部員獲得に奔走していた男子バドミントン部に、待望の二人の新入部員が加わる。一人は部活経験すらない初心者の白鷺太一で、もう一人は即戦力として期待される烏山真。しかし真にはある重大な秘密があり、太一たちは彼女の秘密を隠しながら、団体戦出場を目指すことになる。部員たちが部活に励みながら絆を深めて成長していく姿が、青春ドラマやコメディを交えて展開される。また、バドミントン部の部員の名字や愛称は、鳥類の名前が由来となっており、天戯高校の校章も鳥モチーフとなっている。基本的には正統派スポーツ漫画ながら、ラブコメ要素が強いのも特徴となっている。
女子が苦手な初心者男子×才能あふれる男装女子
白鷺太一は運動全般が得意ながら、バドミントンに関しては初心者。同時期に入部した烏山真となかよくなるが、練習後に下着が透けている姿を見て、真が女子だと知る。真は高校に女子バドミントン部がなかったため、男子のフリをして男子バドミントン部に入部していたのだ。団体戦出場を目指す男子バドミントン部は、待望の五人目の部員が加わったことにボルテージが上がり、女子が男子の団体戦に参加するという特殊な秘密を抱えたまま再始動する。真は初心者の太一とは対照的に、バドミントンの経験や知識が豊富で、先輩部員たちからも期待されるほどの実力者。すでに真は部員たちから女子だとバレていたが、彼女には男装してまでバドミントンを続ける理由があり、それは彼女自身の苦い過去と太一の存在が関係していた。
個性的な男子バドミントン部の部員たち
烏山真が女子だと気づいてしまった白鷺太一は、ほかの部員たちが真が女子である事実を入部当初から気づいていたことを知る。しかしほかの部員たちは、真のバドミントンへの熱意を受けて、彼女が女子だと気づかないフリをしたまま男子として接していたのである。その後、真と太一はダブルスのコンビを組み、切磋琢磨しながら練習を重ねて絆を深めていく。また、個性豊かなバドミントン部員たちの過去や恋愛模様も見どころで、男装した女子が男子部に紛れているために避けられないアクシデントや、ライバル校に真の正体がバレそうになるなど、試合シーン以外も緊張感のある展開が楽しめる。
登場人物・キャラクター
白鷺 太一 (しろさぎ たいち)
天戯高校の1年2組に在籍する男子で、烏山真のクラスメート。白っぽい髪色のベリーショートで、鼻に絆創膏を貼っている。家族は両親のほかに二人の兄がいる。バドミントンは未経験ながら、入学後に男子バドミントン部に入部する。部員からは「シロ」の愛称で呼ばれている。ふだんは明るくポジティブな性格ながら、女子を前にすると極端に口数が少なくなる。当初、同時期に入部した真を男子だと思っていたが、あるきっかけで女子だと気づく。近所の坂道を毎日駆けのぼっているために運動能力は高く、試合ではジャンプ力を生かした攻撃型のプレイを得意としている。練習熱心で上達スピードは早いものの、ダブルスに慣れるまで時間がかかった。真との練習試合では21対0で敗れるものの、試合の結果に関係なくバドミントンを全力で楽しみたいと考えている。スポーツ全般が好きで、嫌いなことはじっとしていること。
烏山 真 (からすやま まこと)
天戯高校の1年2組に在籍する女子で、白鷺太一のクラスメート。紫色のショートヘアで、華奢な体型をしている。訳あって男子バドミントン部に入部し、部活中のみ男装している。部活では「烏山真(からすやままこと)」という偽名を名乗っているが、本名は「鳥山真(うやままこと)」。部員からは「クロ」の愛称で呼ばれている。貧乳にコンプレックスを抱いているが、胸が目立たないため、男装には役立っている。本来の姿は美少女ながら男装中は美少年にしか見えないため、女性から非常にモテる。守備型のプレイスタイルで、緻密なテクニックに裏付けされたプレイを得意としている。ダブルスの戦術や試合運びに長けているが、過去のトラウマから誰かとダブルスを組むことを避けていた。部活以外の時間はカツラを被り、眼鏡をかけて目立たない女子を演じている。
書誌情報
男子バド部に女子が紛れてる シークレットバドミントンクラブ 5巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2016-07-08発行、 978-4063957044)
第2巻
(2016-10-07発行、 978-4063958119)
第3巻
(2017-01-06発行、 978-4063958393)
第4巻
(2017-05-09発行、 978-4063959475)
第5巻
(2017-10-06発行、 978-4065101940)