バトンの星

バトンの星

青春のすべてをバトンにささげ、現在は目標を失ったアラサーOLの桐谷藍美が、バトントワリングで世界一を目指す男子高校生のコーチに就き、かつての情熱を取り戻していく姿を描く、熱血スポーツストーリー。「週刊ヤングジャンプ」2018年43号から2018年52号にかけて連載された作品。

正式名称
バトンの星
ふりがな
ばとんのほし
作者
ジャンル
その他スポーツ
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あらすじ

第1巻

桐谷藍美は幼少の頃から大学時代まで、青春のすべてをバトンにささげてきた。だが、大学卒業後にバトンを辞めてOLとして数年間働いていた藍美は、仕事で疲弊し、週末は安チューハイを飲んでいるか、行きつけのサウナで女子大学生の悩み相談を受けるという、冴えない日々を送っていた。そんなある日、藍美は体育館で一人バトンの練習をしていた男子高校生の比嘉陽一に思わずアドバイスしてしまう。すると、コーチを欲していた彼に目をつけられ、仕事帰りを待ち伏せされてバトントワリングのコーチになることを依頼される。成り行きから、自分がかつてバトンの名門である立英館大学に通っていたことを明かしてしまった藍美は、1か月限定で彼の在籍するバトントワリング部のコーチになることを承諾するのだった。(第1話「オバサン」。ほか、9エピソード収録)

登場人物・キャラクター

桐谷 藍美 (きりたに あいみ)

とある会社のOLをしている女性。年齢は28歳。栗色の髪をした美人で、眼鏡をかけている。4歳からバトン漬けの日々を送り、大学時代には世界大会に出場したこともあるが、結局世界一になる夢は叶わなかった。バトンの現役世界チャンピオンである殿村愛之助はかつてのチームメイトで、彼に告白して振られた苦い経験を持つ。バトンを続けることへの限界と、友人に次々と彼氏ができていくことに焦りを覚え、大学卒業後にバトンを辞めた。仕事はそつなくこなしているが、30歳手前にして彼氏の一人もいない孤独な生活を憂い、週末になると安酒でダレ寝するか、行きつけのサウナで女子大生のお悩み相談に乗ることで、自尊心を保っている。女子大生からは「光妙泉のサウナの主」と呼ばれ、SNSで成りすましアカウントが出没するほど崇拝されていた。ある日、体育館でバトンの練習をしていた男子高校生の比嘉陽一にアドバイスをしたことがきっかけとなり、1か月限定の約束で、彼の高校でバトントワリングのコーチをすることになる。口の悪い陽一からは「おばさん」と呼ばれていた。現役を退いた今もなおバトンを愛しており、バトンしている時は生き生きと輝いた表情を見せる。陽一へのコーチングを通じて、バトンにかけた純粋な情熱を取り戻していくことになる。プログラム構成で陽一と衝突することもあったが、桐谷藍美自身の信じた道を貫いている。

比嘉 陽一 (ひが よういち)

千鳥ヶ淵高校のバトントワリング部に所属する男子。涼しげな目と長い手足を持ち、端正な顔立ちをした美少年。バトンの才能に恵まれており、男子ジュニア部門で世界チャンピオンになった過去を持つ。同じ高校の女生徒からの人気は非常に高い。バトン界屈指のコーチである夏目先生が退任してしまったため、どこかのクラブチームに所属しようと考えていた際に桐谷藍美と出会い、彼女の能力を見込んでコーチになることを承諾させた。何事にも強引なうえ口が悪く、怖いもの知らずな性格をしており、年上の藍美にもタメ口で話し、さらには「おばさん」扱いしていた。不遜な物言いをする反面、人を鼓舞するのがうまく、くすぶっていた藍美を巧みに説得し、比嘉陽一自身のコーチに就任させることに成功している。バトンをしている時の純粋な藍美の表情が綺麗だと思っている。プライドが高く、バトンの現役世界チャンピオンである殿村愛之助に軽く扱われた際には、対抗心をむき出しにしていた。流行りのソシャゲをやりすぎたため、母親にお金を管理されており、自由な買い物ができない状態になっている。甘党でクレープが大好き。愛之助からは「ガーヒー」と呼ばれている。

殿村 愛之助 (とのむら あいのすけ)

バトンの現役世界チャンピオンの青年。スラリとした体型の美形で、おネエ言葉で話す。後方に高くトスしたバトンを、移動しながら一瞥もせず、後ろ手で難なくキャッチすることができる。桐谷藍美とはかつてチームメイトだった仲で、チーム内の恋愛が禁止だったため、告白してきた藍美を振った過去を持つ。物腰は柔らかいが、人を食ったような言動を繰り返すなど、つかみどころがない性格をしている。藍美がバトンを辞める時に言った「バトンなんか辞めた方が毎日楽しく過ごせる」というセリフを今も覚えており、才能のない人間がバトンを続けることをたしなめる意味で、藍美と比嘉陽一に対しても同じセリフを言い放っていた。その言葉が藍美と陽一の闘争心に火を点けることになる。藍美からは「愛ちゃん」と呼ばれている。

小石川 まや (こいしかわ まや)

千鳥ヶ淵高校のバトントワリング部でコーチを務める女性。桐谷藍美のライバルで、幼少の頃から各種大会で競い合っていた。今は結婚して姓が変わり、幼稚園に通う息子がいる。バトンの実力は藍美と比べてかなり劣るが、容姿が非常にかわいく性格も朗らかなため、昔から藍美よりちやほやされていた。そのことが藍美のコンプレックスになっていたが、小石川まや自身も、自分の領域に入ってきて欲しいものをすべて持っていってしまう藍美に対し、昔から強いコンプレックスを抱いていた。

小野 (おの)

千鳥ヶ淵高校のバトントワリング部に所属する女子。黒髪のロングヘアの非常にかわいらしい少女。比嘉陽一の幼なじみで、密かに彼のことを思っている。しかし、陽一からは今のところ単なる幼なじみとしか思われておらず、桐谷藍美からその報われぬ恋路を応援されていた。

菅田 皐月 (すだ さつき)

とある会社に務めている好青年。桐谷藍美の同僚で、同じフロアで働いている。営業部に所属しており、会社から表彰されるほどの好成績を残しているエース的な存在。休憩時間にダンスをしていた藍美の姿を見て興味を抱き、仕事終わりのタイミングで彼女に話しかけた。バトンに夢中になっている藍美のキラキラした表情を気に入り、彼女を食事に誘うようになる。

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