概要・あらすじ
両親を失ったリン・ラッセルだが、姉のセーラ・ブライトンとマーブル館で暮らしている。乗馬大会で優勝するようになったリンに伝説の天才騎手がコーチについて、夢だったオリンピックも現実味が出てきた。一方、恋人のエドワード・ブライトンを大叔母のミセス・ロチェスターが後継ぎにと考え始め、多くの人々の思惑が交錯し始める。
登場人物・キャラクター
リン・ラッセル
イギリス人の父と日本人の母を持つハーフ。ふわふわの髪が特徴。17歳。両親は他界し、姉セーラと共にマーブル館で暮らしている。愛馬ビクトリアとオリンピックの馬術競技を目指す。新コーチのウィリアム・グリフィズには別の馬に乗るよう勧められるが拒否し、ビクトリアとの最高の走りで納得させた。 エドワード・ブライトンとは周囲から公認の仲。今は亡き母の「すてきなレディになるのよ」の言葉を胸に、立派なレディを目指す。
セーラ・ブライトン
リン・ラッセルの5歳年上の異母姉。ストレートのロングヘア。リンの憧れの存在。幼いころから数少ないリンの味方であった。病弱で季節の変わり目などには寝込むことが多い。アーサー・ブライトンと結婚したが、現在もマーブル館で暮らしている。
エドワード・ブライトン
ブライトン伯爵家の次男で、牧場経営を目指している。リンの16歳の社交界デビューでエスコート役を務めた。馬術の大学選抜ナショナルチーム代表選手。愛馬のアレクサンドラが高齢のために新たな馬を探していたが、ウィリアム・グリフィズからリン・ラッセルを強くするために馬の紹介を受ける。 リンと恋人関係で、婚約はいつかと尋ねられるほど。兄のアーサーを馬術の選手としての目標にしている。
アーサー・ブライトン
ブライトン伯爵家の長男。リン・ラッセルの初恋の相手。馬術競技では高く評価されていた。セーラ・ブライトンとリンに苦労をかけさせないようにと、家業に専念するために馬術から引退。だが、ウィリアム・グリフィズの誘いに、セーラからの後押しもあって復帰を決意した。
パーシバル・スペンサー・ブレイクニー
ウィリアム・グリフィズの邸宅の隣家で伯爵。モデル・俳優としても活躍している。リン・ラッセルに興味を持つ。
シャーロット・スペンサー
メアリの大学の友人。ブレイクニー伯爵令嬢。ブレイクニー家の母とは死別し、父はロチェスター家の未亡人と再婚する予定。セーラ・ブライトンと似た雰囲気の人物で、メアリの行動をよい方向で評価する。実らない恋を隠しているとのこと。
ウィリアム・グリフィズ
気難しそうな黒髪の男爵。足が悪く、杖を離せない。オリンピックに連続出場していた伝説の天才騎手。リン・ラッセルをオリンピックに出場させるためのコーチに名乗り出る。愛馬が自分の気持ちに応えようとして事故を起こし、馬に乗れなくなった。そのため、リンの力にビクトリアの力は不足していると考えたが、走りで納得させられた。 アーサー・ブライトンにも復帰を働きかけている。
メアリ
リン・ラッセルの新しい異母姉。リンとセーラと気が合わず、母であるモードリンとともに執拗にイジワルをした。マーブル館ではなく、祖父のウォーバン公爵邸に住んでいる。シャーロットは大学の同級生。アーサーを恋人にしたかったが叶わず、パーシーを狙っている。リンの顔を見ると、全身で迷惑そうな態度をとる。
ビクトリア
『レディリン!』に登場するリン・ラッセルの愛馬。リンが日本に帰ったとき、ウォーバン公爵が寂しさを紛らわせるために送った。リンは「わたしの天馬(ペガサス)」と呼ぶことがある。
アレクサンドラ
『レディリン!』に登場する馬。リン・ラッセルが初めて出合った、イギリスでの最初の友だち。アーサー・ブライトンが騎乗していたが、引退後はエドワードが乗っている。高齢のため、競技からは引退することになった。
ミセス・ロチェスター
アーサー・ブライトンエドワード・ブライトンの大叔母。プライドが高く気難しい老婆。子と孫を亡くしたためエドワードを後継ぎにしたいが、恋人のリン・ラッセルの血筋を問題視している。
場所
マーブル館 (まーぶるかん)
リン・ラッセルとセーラ・ブライトンが暮らす邸宅。死別した父ジョージ・ラッセルはマーブル子爵だったので、2人はマーブル子爵令嬢である。