あらすじ
精神支配能力を持つ女子中学生の衛真月は、特殊能力を持つ者ばかりが集められた私立鳳山学園の中でも、特に実力のある生徒だけが所属することのできる超越委員会のメンバーとして悪霊と戦う日々を送っていた。悪霊によって体を奪われた少女、鵜野森港の救出、そして自らの能力を暴走させてしまったクラスメートの千葉の起こした事件を解決に導いた真月は、かつて真月の魂の一部を奪った徳永・アッシュフォード・ブラッドとの再会をきっかけに、さらに強い能力を覚醒する。また真月は、徳永と戦うことで植物状態となっている真月の母親を救う手立てが得られることに気づき、委員会の先輩である天井那鳥、江原流人らと協力して悪霊や「ラボ」と戦うことを決意する。
登場人物・キャラクター
衛 真月 (このえ まるな)
私立鳳山学園に通う女子中学生。超越委員会に所属している。サイドだけを長く伸ばした短髪で、セーラー服を着ている。表情が乏しく真顔でいることが多いため、つねに怒っているように見える。精神支配能力者で、精神のあらゆる識層に強制的に潜り込んだり、相手の精神に直接攻撃を仕掛けることができる。かつて徳永・アッシュフォード・ブラッドによって魂の一部を奪われ、精神崩壊しかけた過去がある。現在は真月の魂の欠損を母親の魂が補完しているが、そのせいで母親が植物状態と化しており、衛真月はこれを自分の罪だと苦悩している。クラスメートからは「まるにゃん」と呼ばれている。
龍村 洋 (たつむら よう)
私立鳳山学園の教師を務める男性。超越委員会で顧問を任されている。外ハネ癖のある金髪で、襟足が長い。お調子者で、誰彼構わずつねに女性をナンパする見境のないところもあるが、いざとなると悪霊に対する囮(おとり)役も辞さない度胸を見せる。空間支配能力を持ち、任意の場所に瞬間移動することができる。私立鳳山学園内では宿直室を私物化しており、半分住居と化している。
鵜野森 港 (うのもり みなと)
如月中学に通う3年生の女子。背中までの長い黒髪をうなじでゆるくまとめており、眼鏡をかけている。下校中に何者かに襲われ、霊体となってしまった際に衛真月と龍村洋に出会った。悪霊によって肉体を奪われており、体を取り戻すために真月たちに助けを求めた。
千葉 (ちば)
私立鳳山学園に通う男子中学生。衛真月の所属するクラスで学級委員を務めている。精神力で肉体の力を引き出す能力を持ち、この能力が発動すると容姿が大型の肉食獣のように変化する。他人に怖がられることを恐れており、誠実に振る舞うことを自分に義務づけている。
天井 那鳥 (あまい なとり)
私立鳳山学園に通う女子高校生。超越委員会に所属している。長い黒髪を一部だけ下ろしてポニーテールにしている。江原流人とは小学校の頃からの幼なじみで、「なっちゃん」と呼ばれている。社長令嬢のため、つねに人の上に立つ存在であれと周囲に言われて育ってきた。あらゆる精神攻撃を遮断できる能力を持っている。
江原 流人 (えはら りゅうと)
私立鳳山学園に通う男子高校生。超越委員会に所属している。金髪をベリーショートヘアにしている。悪霊に疲れた人間の精神に干渉し、悪霊を外に押し出して爆破するほか、自らの精神力で身体能力を向上させる能力を持っている。ただし、身体能力の向上中は非常にオラついた言動をするようになる。天井那鳥とは小学校の頃からの幼なじみで、なにがあっても那鳥の支えになろうと決意している。
徳永・アッシュフォード・ブラッド (とくながあっしゅふぉーどぶらっど)
「ラボ」と呼ばれる謎の組織に所属している男性。金髪と黒髪のツートンカラーで、黒髪部分を腰まで伸ばしている。かつて衛真月の魂の一部を奪って研究を進めたことで、支配能力の複製保存と人造思念の製造を可能にした。主と崇(あが)める人物のために真月の能力や、衛家が保護しているとされる鬼の一族を狙っている。真月たちには「AB」と呼ぶよう言っている。
集団・組織
超越委員会 (ちょうえついいんかい)
私立鳳山学園の中の委員会の一つ。生徒会直轄の活動組織であり、主に高等部の実力者によって構成されている。衛真月は唯一の中学生であり、超越委員会に所属していることはクラスメートたちにも秘密にしている。構成員は委員会活動中、不死鳥をモチーフにした腕章を付けている。省略して「超越」と呼称されることもある。
場所
私立鳳山学園 (しりつほうざんがくえん)
街近くの高台に建っている全寮制の中高一貫校。生徒のほとんどが特異な能力を持っていることが知られているが、その詳細は外部には秘密にしている。なんらかの支配能力を持つ者が集められており、生徒一人一人がセンサーのような役割をしているため、結果として大きな結界を形成し、侵入者が立ち入れば即座に判明する構造になっている。