概要・あらすじ
安曇セメントの工場が狼を引き連れた集団に破壊され、時を同じくして重体の少女が病院に運び込まれる。かねてから小説の題材として狼少女のことを調べていた小説家の桐生仁は、その少女が狼少女ではないかと病院に通う。そこで逸見茂の看病をする逸見圭子と知り合った彼は、彼女の面倒を見ることになる。そんな中、重体の少女が安曇セメント系列の病院に移送されたという。
安曇セメントの社長である安曇省三と娘の安曇麗子は、重体の少女がセメント工場襲撃の犯人と睨み、尋問しようとしたのである。だが、その少女が意識を取り戻さないうちに、別の工場が襲われる。真犯人が茂であることを知った省三と麗子は、彼を手にかけようと行動を開始するのであった。
登場人物・キャラクター
小松崎 蘭 (こまつざき らん)
古代人の血を引く超能力を持つ狼少女。怒りに満ちると髪が赤く変色し、強力な超能力を発揮する。
桐生 仁 (きりゅう じん)
自らが執筆する小説の題材として、狼少女のことを調査している男性。豪胆で情に厚い。
逸見 茂 (いつみ しげる)
安曇セメントの事故で植物状態になった元超能力者の青年。自分の身体から精神を離脱させて、安曇セメントに復讐しようとする。
逸見 圭子 (いつみ けいこ)
逸見茂の妹で植物状態の兄を看病している。夢の中で茂に二週間だけ自分を生かすように頼まれる。
安曇 省三 (あずみ しょうぞう)
安曇セメントの社長。企業の業績のためなら、環境破壊や殺人も厭わない。
安曇 麗子 (あずみ れいこ)
安曇省三の娘。手段を選ばないやり口は父親譲りのうえ、他人を傷めつけることに喜びを感じる屈折した性格。
浅見主任 (あさみしゅにん)
安曇セメントの社員でもある超能力者。職務には忠実ながら自尊心が高く、時折安曇麗子をやり込めたりもする。
集団・組織
安曇セメント (あずみせめんと)
日本有数のセメントメーカー。業績のためには手段を選ばない企業。無理な開発で環境破壊などの問題を起こしている。