概要
寝たきり老人の高沢喜十郎は、西橋商事が導入した新型介護ロボットZ-001号機のモニターで選ばれた。それによって、ボランティア介護を辞めることになった看護学生の三橋晴子は見舞いに行き、無数のチューブで繋がれた高沢喜十郎を見て、ショックを受ける。
三橋晴子は高沢喜十郎を救い出すべく、老人ハッカー達に協力を求めるが、Z-001号機が暴走を始めた。高沢喜十郎の意思を読み取ったZ-001号機のコンピューターは、亡き妻である高沢ハルの人格を作り出し、周囲の機械を取り込んで自己増殖しながら、二人の思い出の地である鎌倉へと向う。
登場人物・キャラクター
高沢 喜十郎 (たかさわ きじゅうろう)
妻高沢ハルに先立たれ、一人寝たきりの暮らしを続けていた老人。新型介護ロボットZ-001号機のモニターに選ばれるが、亡き妻の高沢ハルへの想いと、二人の思い出の土地である鎌倉へ行きたいという意思に同調したZ-001号機のコンピューターが暴走を初め、ネットワークシステムを介して、三橋晴子へ助けを求めた。
三橋 晴子 (みはし はるこ)
高沢喜十郎のボランティア介護をしていた芙蓉看護学院二回生。高沢喜十郎がZ-001号機のモニターに選ばれたことでボランティアを辞める。見舞いに行った高沢喜十郎が体中をチューブで繋がれている姿を見て、救い出すことを決意。 看護実習先の病院で会った老人ハッカー達に助けを求め、暴走を始めたZ-001号機をスクーターで追跡する。
寺田 卓 (てらだ すぐる)
進行する高齢化社会の介護問題を解決するべく、Z-001号機の導入を推進している厚生省(現在の厚生労働省)の官僚。高沢喜十郎をモニターに選び、メディアに大々的に会見を行う。Z-001号機の暴走という予想外の事態に高沢喜十郎を救うべく、三橋晴子とも協力する。 口癖は「厚生省をなめんなよ」。
老人ハッカー達 (ろうじんはっかーたち)
三橋晴子が看護実習先の病院で出会った、介護病棟の三人の老人達。いずれもハッカーで、病室から企業のコンピューターへのハッキングを繰り返している。三橋晴子の頼みに応じて、Z-001号機のコンピューターをハッキングする。
小春 (こはる)
『老人Z』に登場するキャラクター。高沢喜十郎の暮らすアパートの部屋に入り浸る肥満した猫。鎌倉の海岸で機能停止したZ-001号機のコアプロセッサをくわえて持ち去り、鎌倉大仏へと持っていく。
軍用試作ロボット (ぐんようしさくろぼっと)
『老人Z』に登場するロボット。西橋商事の長谷川良彦が、暴走したZ-001号機を破壊するために投入した。Z-001号機同様、接触した機械を融合する機能を有する。Z-001号機と対決するが、融合されてしまった。
Z-001号機 (ぜっといちごうき)
『老人Z』に登場するキャラクター。西橋商事が主導して導入したベッド型全自動介護ロボットだが、搭載するコンピューターは米軍が開発した軍用。動力は超小型原子炉で、放射能漏れの際には警報が鳴る。 食事、入浴、排泄、着替え、体調のモニタリングなどを全自動で行う。第六世代のコンピューターを搭載し、自己学習機能を有するため、モニターとなった高沢喜十郎の意思に同調し、妻の高沢ハルとの思い出の地である鎌倉へと暴走を始めた。 移動しながら接触する機械と融合して増殖し、巨大化していく。コンピューターが高沢ハルの意思を作り出したため、その声で話す。
長谷川 良彦 (はせがわ よしひこ)
厚生省(現在の厚生労働省)に出向中の、Z-001号機の導入を主導した西橋商事の社員。介護ロボットのテストという名目で、実は軍用であるZ-001号機の性能テストを目論んでいた。Z-001号機の暴走という事態に、軍用テストの目的を隠蔽するべく画策。 事件後には、警察に逮捕される。
芙蓉看護学院 (ふようかんごがくいん)
『老人Z』に登場する組織。三橋晴子が在学する看護学校。独居老人へのボランティア介護活動を生徒に実施させている。厚生省管轄の病院へ看護実習を行っていた。
高沢 ハル (たかさわ はる)
七十二歳で亡くなった、高沢喜十郎の妻。劇中には遺影のみが登場する。生前、夫の高沢喜十郎と、鎌倉を訪れていた。Z-001号機は、妻との思い出を持つ高沢喜十郎の意思に同調し、その人格を作り出す。
西橋商事 (にしはししょうじ)
『老人Z』に登場する組織。Z-001号機の導入を主導した総合商社。軍用ロボットの性能テストをするため、介護用ロボットの名目でZ-001号機を厚生労働省を通じてモニターテストを行う。