艦隊これくしょん -艦これ- 止まり木の鎮守府

艦隊これくしょん -艦これ- 止まり木の鎮守府

ブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』のコミカライズ作品。鈴谷と熊野を中心に、いずれ戦いに赴く艦娘達の日常を描く。「月刊コミック電撃大王」2014年7月号から2014年12月号にかけて連載された作品。

正式名称
艦隊これくしょん -艦これ- 止まり木の鎮守府
ふりがな
かんたいこれくしょん かんこれ とまりぎのちんじゅふ
漫画
ジャンル
美少女・萌え
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あらすじ

第1巻

深海棲艦が世界中の海を脅かしている世界。この深海棲艦に対抗できるのは、「艦」の魂を宿した「艦娘」と呼ばれる少女達だけだった。最上型重巡洋艦の艦娘・熊野は、深海棲艦がいない特殊な海域にある止まり木の鎮守府に新たに着任する。しかし、着任以来実戦と呼べる戦闘はなく、ひたすら演習を続けるだけの平和な日々に、熊野は苛立ちを覚えていた。同時に熊野は、戦いのない日々にすっかりなじみ緊張感のない空気に染まってしまった、鈴谷の態度に納得できずにいた。ある日熊野は、阿賀野からお遣いを頼まれて、ペアとなる艦娘を連れずに一人で外出する。その身に宿した艦の魂の影響で、単独では目的地に辿り着けないという弱点を持つ熊野は、森の中に一人で迷い込んでしまう。熊野が一人で出かけた事を知った鈴谷は慌てて飛び出し、ようやく森の中にいる熊野と再会する。熊野を優しく諭した鈴谷は、戦いがなくてもこの鎮守府での平和な日々を大切にしようと、新たな決意を抱くのだった。

第2巻

阿武隈の転属以来、止まり木の鎮守府には気まずい雰囲気が漂っていた。そんな鎮守府の空気を明るくしようと、秘書艦・阿賀野能代の提案により、「艦娘文化祭」が開催される事になった。文化祭ではグループごとに出し物をする事になったが、鈴谷とグループが分かれてしまった熊野は寂しさと不安を覚える。しかし、初めての文化祭とその準備を体験する事になり、艦娘達は今までにないような新たな経験を楽しむようになる。一方で鈴谷と同じグループになったは、戦いこそが艦娘の本懐として、文化祭準備から離れて自主訓練を続けていた。数日後、ほかの艦娘達が着々と準備を進める中で、一人自主訓練に励む霞は、誘いに来た清霜を勢いで突き飛ばしてしまう。ひざをケガした清霜を目にした霞の脳裏には、仲間達が負傷した過去の記憶がフラッシュバックするのだった。

第3巻

艦娘文化祭の準備も佳境に入り、艦娘達はそれぞれの出し物のために奔走していた。そんな中、自主訓練に励んでいた清霜と和解し、自ら準備に参加するようになった。霞との会話の中で、熊野は過去に体験した大事な記憶を忘れている事を、少しずつ自覚し始めていた。文化祭当日が近づいた頃には摩耶鳥海の転属が決まり、摩耶と親交を深めていた鈴谷は寂しい思いをしていた。一方で熊野は、摩耶の指摘で鈴谷が自分を大切に思っている事を改めて悟ると同時に、鈴谷が隠し事していると感じ取っていた。そして文化祭本番が開始となり、熊野は出し物の合間に鈴谷と面と向かって話をしようと、鈴谷のもとへ向かう。一方、転属した阿武隈も文化祭を訪れ、霞との再会を果たす。阿武隈は霞に会わせたい艦娘がいると告げるが、その艦娘とは霞のかつての戦友・不知火であった。

第4巻

姉の野分と仲がよく、つねにいっしょにいようとする舞風は、時々起こる体の不調を自覚しつつも、野分に心配をかけないよう明るく振る舞っていた。そんな舞風の様子を知った鈴谷は、野分の前で無理をしている舞風を、気にかけるようになる。そんな中、野分の演習航海が決定し、舞風とは離れて過ごす事が多くなった。野分と離れる事を恐れた舞風は、昼間は明るく振る舞うものの、夜中には過去の記憶の夢にうなされるようになる。そんな舞風を見た野分は彼女が苦しむ姿に悩むようになり、二人のあいだには気まずい空気が流れてしまう。二人を心配していた鈴谷は、野分への思いと不調に苦しむ舞風を励ます。二人はようやく本音を交わし合い、野分は舞風を護るために強くなろうと決意する。一方、朝潮は空を見上げる事の多い荒潮の事が気になり始めていた。多くの艦娘がそれぞれの過去と向き合っていく中、鈴谷にも覚悟の時が訪れようとしていた。

第5巻

能代から朝潮荒潮に下った新たな任務は、最上型二番艦・三隈を迎えに行く事だった。一方、鈴谷は突然能代に呼び出され、本当の錬度を見せるよう、海岸で戦いを仕掛けられる。熊野の着任以来、本当の錬度を隠していた鈴谷は、以前よりそれを見抜いていた能代から厳しい指摘を受ける。さらにその原因となっていた熊野をほかの鎮守府に転属させると言われた鈴谷は、熊野と離れるのを阻止するために必死で応戦する。本気の戦いを通して、能代から体当たりの説得を受けた鈴谷は、止まり木の鎮守府の仲間達を信じようと決意する。別の鎮守府への転属が決まった鈴谷はしばらくのあいだ、熊野に転属の件をなかなか言い出せずにいた。しかし、を通して鈴谷の転属を知った熊野から励まされ、鈴谷は熊野と仲間達を信じて旅立つ事になる。そして鈴谷が去った鎮守府には、新たに三隈が着任するのだった。

登場人物・キャラクター

鈴谷 (すずや)

最上型重巡洋艦の艦娘の少女で、淡い緑色のロングヘアの前髪にヘアピンを付けている。妹の熊野とは正反対に夜更かし好きで、部屋もきちんと片付けない。止まり木の鎮守府には長く所属しているが、実戦のない平和な日々になじんでしまっている。ふだんは明るく気さくに見えるが、一部の艦娘のみしか知らない鎮守府の実情を知っており、熊野にはその一部を隠している。 また、単独行動をするたびに迷ったり、なにかと危なっかしい熊野の事を放っておけず、いつも気遣っている。このため、熊野に対して少々過保護気味である事を、摩耶に指摘されている。しかしなにかと正反対な性格の熊野とは、衝突する事も多い。好きな食べ物はカレー。

熊野 (くまの)

最上型重巡洋艦の艦娘の少女で、茶髪をポニーテールにしている。お嬢様口調で話し、生まじめな性格をしている。姉の鈴谷とは正反対に早寝で、部屋の片付けもこまめにしている。止まり木の鎮守府に新たに着任し、鈴谷と再会する。訓練ばかりで実戦がない鎮守府の現状にたびたび不満を抱いていたが、鈴谷と過ごす中で今の平和の日々を大切にしようと、日常を楽しく過ごすようになる。 その身に宿している艦の魂の影響で、単独で目的地に辿り着く事ができず、一人で外出するとすぐに迷ってしまう。過去の戦いで体験した記憶の一部が欠けているが、鎮守府で過ごす中でその事を徐々に自覚していき、鈴谷が過去について何かを隠している事も、うっすらと感じ取っている。

阿賀野 (あがの)

阿賀野型軽巡洋艦の艦娘の少女で、黒髪をロングヘアにしている。明るく元気な性格だが少々間が抜けている。止まり木の鎮守府の秘書「秘書艦」を務めている。しかし持ち前の能天気さから、あまり秘書らしい事はできておらず、秘書艦としての仕事の大半は能代がこなしている。

能代 (のしろ)

阿賀野型軽巡洋艦の艦娘の少女で、二つの三つ編みで髪をまとめている。止まり木の鎮守府で阿賀野の補佐役をしており、彼女の妹でもある。姉の阿賀野よりもしっかり者で丁寧な敬語で話す。また、艦娘達の転属指令や成績管理など、本来は阿賀野がすべき「秘書艦」としての仕事の大半をこなしている。このためほかの艦娘達から、秘書艦と間違われる事もある。

利根 (とね)

利根型重巡洋艦の艦娘の少女で、ツインテールに髪をまとめ、白いリボンを結んでいる。筑摩の姉で、止まり木の鎮守府に所属している。語尾に「なのじゃ」と付ける古風な口調で話し、一人称は「我輩」。明るく元気だが少々子供っぽい面がある。ふだんから何かと筑摩に頼っているが、本音では姉らしく妹から頼られたいと思っている。

筑摩 (ちくま)

利根型重巡洋艦の艦娘の少女で、黒髪をロングヘアにしている。利根の妹で、止まり木の鎮守府に所属している。丁寧でおっとりした性格で、面倒見もいい。姉の利根の事が大好きで、尊敬している。普段は利根の世話を焼いているが、本音では妹らしく利根に甘えたいと思っている。

大和 (やまと)

大和型戦艦の艦娘の少女で、長い茶髪をポニーテールにまとめ、しとやかで凜とした雰囲気を漂わせている。止まり木の鎮守府最強の切り札として知られており、ほかの艦娘達からはあこがれや尊敬を抱かれると同時に敬遠されがち。本音では仲間達となかよくしたいと思っているが、口下手でなかなか話し掛けられずにいる。

矢矧 (やはぎ)

阿賀野型軽巡洋艦の艦娘の少女で、長い髪をポニーテールにまとめている。止まり木の鎮守府に所属している。姉妹艦の阿賀野、能代とは別行動を取り、大和の身の回りの世話をしている。クールな性格で、何かと大和に付き添うものの、彼女を甘やかさないようにしている。

摩耶 (まや)

高雄型重巡洋艦の艦娘の少女で、黒髪をセミロングにしている。止まり木の鎮守府に所属している。一人称は「アタシ」。男勝りな性格と口調で、面倒見も非常にいい。熊野を過剰に気にしたり、彼女に対して過保護気味な鈴谷の事を心配している。ほかの艦娘同様、大和の事は敬遠していたが、鈴谷の事で相談したのをきっかけに親交を深める。 のちに妹の鳥海と共に、別の鎮守府へ転属となる。

阿武隈 (あぶくま)

長良型軽巡洋艦の艦娘の少女で、おだんごとツインテールで髪をまとめている。止まり木の鎮守府に所属している。演習時は普通だがそれ以外の時は本調子を出せず、寝つきの悪さや眠気などの不調に悩んでいたが、演習で成績を伸ばしながら急成長を遂げる。過去の記憶が欠けていたが、思い出した頃には別の鎮守府への転属が決定する。普段から霞を気にかけており、転属の際に彼女を励まし、リボンをプレゼントした。 しばらくは転属先で活躍していたが、不知火と共に艦娘文化祭を訪れ、霞と再会する。

(かすみ)

朝潮型駆逐艦の艦娘の少女で、サイドテールの髪型をしている。止まり木の鎮守府に所属している。阿武隈には冷たい態度を取っていたが、彼女が転属する際にリボンをプレゼントされる。また、阿武隈の転属をきっかけに熊野との自主訓練に励むようになる。ツンデレな態度が多いが、根はまじめな性格。過去の戦いで負ったトラウマから、仲間が傷つく事を異様に恐れており、仲間を守るために自主訓練に力を入れている。 自主訓練に集中するために艦娘文化祭の準備にも参加せずにいたが、清霜と和解した事で周囲の艦娘ともなじむようになる。

清霜 (きよしも)

夕雲型駆逐艦の艦娘の少女で、銀髪のロングヘアで前髪が長く、淡黄色のリボンを付けている。早霜の妹で、止まり木の鎮守府に所属している。明るく前向きな性格で、細かい事は気にしないが、やる気が空回りする事も多い。強い戦艦になる事を夢見ており、艦娘文化祭での報酬で戦艦にして貰えると思い込み、人一倍張り切っていた。 また、文化祭では鈴谷や霞と同じグループになる。文化祭準備に参加しない霞を積極的に誘おうとするが、逆に彼女のトラウマを刺激してしまう。

早霜 (はやしも)

夕雲型駆逐艦の艦娘の少女で、先を切りそろえたダークグレーのロングヘアにしている。清霜の姉で、止まり木の鎮守府に所属している。右前髪が長く、右目が隠れている事が多い。おとなしくしとやかに見えるが、自虐的・自嘲的な発言が多く、ミステリアスな雰囲気を漂わせている。艦娘文化祭では鈴谷といっしょのグループになるが、カレー作りに異様な情熱を燃やしたり、突然長々と語り出したりする事もある。 霞を気にかけている清霜を、優しく見守っている。

青葉 (あおば)

青葉型重巡洋艦の艦娘の少女で、グレーがかったピンク色の髪をポニーテールにしている。止まり木の鎮守府に所属している。つねに敬語で話す一方で、アクティブで陽気な性格をしており、少々お調子者な面もある。艦娘文化祭では熊野といっしょのグループになり、出し物にお化け屋敷を提案した。文化祭準備を通して熊野と親交を深める。

秋雲 (あきぐも)

陽炎型駆逐艦の艦娘の少女で、癖のある栗色の長髪をポニーテールにまとめ、大きなリボンを結んでいる。右頰には泣きボクロがある。止まり木の鎮守府に所属している。絵を描くのが趣味で、つねにスケッチブックと鉛筆を持ち歩いている。艦娘文化祭では鈴谷と同じグループになり、霞との和解でようやくまとまったグループメンバーの笑顔を、イラストに描き留める。

夕張 (ゆうばり)

夕張型軽巡洋艦の艦娘の少女で、緑がかった銀髪をポニーテールにまとめ、緑色のリボンを結んでいる。止まり木の鎮守府に所属している。勝気な性格で、兵装マニアの一面があり、練習メニューにも強いこだわりを持つ。

鳥海 (ちょうかい)

高雄型重巡洋艦の艦娘の少女で、横髪を切りそろえ丸いメガネをかけている。摩耶の妹で、止まり木の鎮守府に所属している。気配り上手で、つねに敬語で話す。艦娘文化祭では演劇をやる事になったが、個性的なメンバーに少々手を焼いている。のちに、摩耶と共にほかの姉達が所属する別の鎮守府への転属が決まる。

不知火 (しらぬい)

陽炎型駆逐艦の艦娘の少女で、ピンク色のセミロングの髪をポニーテールにまとめ、リボン型の髪飾りを付けている。幼い見た目に反して、クールで大人っぽい性格。霞とはかつて共に戦った戦友。阿武隈の転属先となった鎮守府に所属しているが、阿武隈に連れられて艦娘文化祭を訪れ、霞と再会する。

野分 (のわき)

陽炎型駆逐艦の艦娘の少女で、銀髪のロングヘアを大きなおだんご状にまとめ、黄色いネクタイを付けている。止まり木の鎮守府に着任し、妹の舞風と再会する。生まじめなしっかり者で、明るく元気な舞風にはよく振り回されているものの、彼女の事を心から大切に思っている。

舞風 (まいかぜ)

陽炎型駆逐艦の艦娘の少女で、明るい金髪のセミロングヘアをポニーテールにまとめ、胸元に赤いリボンを付けている。止まり木の鎮守府に所属している。明るい性格で、ダンスが大好き。反対に暗い雰囲気は苦手。姉の野分の事が大好きで、いつもいっしょに行動している。時々起こる体の不調を自覚しているが、野分に心配をかけまいと、明るく振る舞っている。

荒潮 (あらしお)

朝潮型駆逐艦の艦娘の少女で、ウェーブのかかった煉瓦色のセミロングヘアをしている。朝潮の妹で、止まり木の鎮守府に所属している。「あらあら~」など間延びした口調で話すなど、おっとりした性格。宿している艦の記憶から飛行機にトラウマを持っている事もあってよく空を眺めており、鳥を敵の飛行機と勘違いする事もある。鈴谷が本当の錬度を隠している事を見抜くなど、鋭い一面もある。

朝潮 (あさしお)

朝潮型駆逐艦の艦娘の少女で、黒髪をストレートロングヘアにしている。荒潮の姉で、止まり木の鎮守府に所属している。生まじめな優等生で、つねに敬語で話す。荒潮の飛行機に関するトラウマを知っており、空を眺めている事が多い彼女の事を気にかけている。

三隈 (みくま)

最上型重巡洋艦の艦娘の少女で、深緑色の長髪をツインテールにし、紅色のリボンを結んでいる。明るい性格だが少々変わり者で、「くまりんこ」が口癖。鈴谷と熊野の姉であり、転属が決まった鈴谷と入れ替わる形で止まり木の鎮守府に着任する。妹の熊野と同様、お嬢様口調で話す。熊野と同様過去の記憶が欠けていたが、演習中に気を失って目覚めた時に、その記憶を取り戻す。

場所

止まり木の鎮守府 (とまりぎのちんじゅふ)

鈴谷と熊野が所属している鎮守府で、深海棲艦が出没しない特殊な海域を管理している。所属する艦娘達は自主訓練や演習が中心で、実戦に出る事はない。トレーニングルームや自習室のほか、ショッピングが楽しめる店や娯楽施設なども充実しているが、艦娘以外の従業員などはおらず、買い物も自動引き落としになっている。

イベント・出来事

艦娘文化祭 (かんむすぶんかさい)

阿武隈の転属以来、暗い雰囲気になっていた止まり木の鎮守府の明るさを取り戻そうと、阿賀野と能代の提案で開催された文化祭。艦娘達は複数のグループに分かれ、それぞれのグループごとに自由に出し物をする。艦娘達にとっては初めての体験も多く、準備活動などを通して、グループメンバーとの交流を深めた艦娘も多い。

その他キーワード

艦娘 (かんむす)

深海棲艦と戦うために、人間の少女に艦(艦艇)の魂を宿した存在。艦の魂を宿す事で、以前とは人格や性格が大きく変わる事もある。また宿っている艦の魂が、艦娘の行動に大きな影響を及ぼす事が多い。記憶の状態も艦娘ごとにそれぞれ異なり、熊野のように過去の記憶が一部欠けていたり、何らかのトラウマを負っている者もいる。多くの艦娘は「鎮守府」と呼ばれる軍事拠点に所属しており、実戦に備えながら、日々演習に励んでいる。

深海棲艦 (しんかいせいかん)

世界のあらゆる海域を脅かす謎の存在。かつて海に沈んだ艦の怨念が具現化した存在とされているが、真相は明らかになっていない。世界の海上通商路を破壊している。深海棲艦に対抗できるのは艦娘のみとなっている。

クレジット

協力

「艦これ」運営鎮守府

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