ゲーセン少女と異文化交流

ゲーセン少女と異文化交流

ゲームセンターでアルバイトとして働く男子大学生の草壁蓮司は、ちょっとした誤解から日本語が話せない外国人の少女のリリー・ベイカーに好意を抱かれるようになった。ゲームセンターを舞台に展開される、年の差異文化交流ラブコメディ。KADOKAWA「ドラドラしゃーぷ#」で2020年5月15日から配信。「ニコニコ漫画年間ランキング2020」第3位を獲得している。

正式名称
ゲーセン少女と異文化交流
ふりがな
げーせんしょうじょといぶんかこうりゅう
作者
ジャンル
美少女・萌え
レーベル
ドラゴンコミックスエイジ(KADOKAWA)
巻数
既刊8巻
関連商品
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あらすじ

ゲームセンターで働く草壁蓮司は、ある日、外国人の小さな女の子が「漢気コアラ」のぬいぐるみを取るため、クレーンゲームで悪戦苦闘している姿を目撃する。それから3時間後、仕事を終えた蓮司が帰ろうとすると、先ほどの少女はまだクレーンゲームに挑み続けていたが、ぬいぐるみは微動だにしていなかった。彼女を気の毒に思った蓮司はそのクレーンゲームに自ら100円玉を投入して、みごとに一発でぬいぐるみをゲットし、少女に手渡すのだった。突然の出来事に、まるで不審者を見るような目で少女に見られた蓮司は、慌ててバレンタインデーのプレゼントだと彼女に告げる。だが蓮司は、彼女の母国のイギリスでは、バレンタインデーは男性が女性に、プレゼントを渡すとともに愛の告白をする日であることを知らなかった。(第1話「ゲーセン少女」)

いつものようにゲームセンターに遊びに来たリリー・ベイカーが家に帰ろうとすると、折悪しく外は土砂降りの雨。蓮司はリリーに折りたたみ傘を貸そうとするが、リリーはそれを固辞し、蓮司の仕事が終わるまで待って、いっしょに帰ると言い出す。そして2時間後、結局蓮司は小さな折りたたみ傘で相合傘をしながら、リリーを家まで送っていくことにする。道中、傘が小さいため、もっと近くに寄るようにという蓮司に対し、照れたリリーはいきなり車道に飛び出してしまう。リリーは、車にひかれそうになったところを蓮司に助けられてどうにか事なきを得るが、車の中からリリーたちを心配して一人の男性が姿を現す。大柄で筋肉質、さらに眼鏡を掛けて表情の見えない、全身から危険なオーラを漂わせたその人物に蓮司はおびえるが、その人物はリリーの父親だった。(第16話「This is my dad!」)

登場人物・キャラクター

草壁 蓮司 (くさかべ れんじ)

大学に通いながらゲームセンターで働く青年。年齢は18歳。黒髪ショートヘアで特に目立った特徴もないが、少々目つきが悪い。大学進学は推薦で決まったため、早い段階で受験勉強から解放され、高校3年の冬からゲームセンターでのアルバイトを始めた。もともとゲームが趣味で、ジャンルを問わず非常にうまい。ある日、小柄な外国人のリリー・ベイカーがクレーンゲームに悪戦苦闘している姿を見て気の毒に思い、代わりに「漢気コアラ」のぬいぐるみを取ってプレゼントした。その際、不審に思われるのを避けようと「バレンタインデーのプレゼント」と言って渡したが、リリーの母国のイギリスではバレンタインデーは男性が好きな女性に思いを伝えるとともにプレゼントを渡す風習があったため、彼女に誤解されることとなった。後日、リリーから付き合ってほしいと返答を受けるが、その時点ではまだ彼女の名前すら知らなかったこともあり、まずはゲームセンターのコミュニケーションノートを参考に、交換日記のような「ゲーセンノート」をやり取りすることで互いを理解しようと提案し、交友を深めていく。その後、妹の草壁葵衣とリリーがクラスメートであり、リリーが思いを寄せる「ゲームセンターの店員」(自分)が葵衣に変質者扱いされていることを知り、リリーと葵衣がいっしょにいるときには、髪をオールバックにしてサングラスを掛けた「漢気モード」に変装するようになる。この変装は、葵衣にはバレていないものの、リリーには初見であっさりと見抜かれた。なお13歳の頃、たまたま旅行で日本を訪れたリリーと会い、ゲームセンターで取った景品をプレゼントしてあげた過去がある。ちなみに、この時の景品も漢気コアラのものだった。

リリー・ベイカー

草壁蓮司が働くゲームセンターに客として訪れた、中学2年生の少女。年齢は13歳。イギリス人で、欧文表記は「Lily Baker」。金髪セミロングヘアで非常に小柄な体型をしており、少々照れ屋で人見知りなところがあるが、意志は強い。日本のゆるキャラ「漢気コアラ」が好き。現在は日本の学校に通っているが、日本に来てからまだ1年足らず。日本のゲームやアニメが大好きだが、日本語での会話が難しいこともあって学校でも仲のいい友達はいない。そんな中、蓮司が働くゲームセンターを訪れ、漢気コアラのぬいぐるみを取ろうとクレーンゲームに挑み続けていたが、3時間以上たっても手に入れることができずにいた。その姿を見て気の毒に思った蓮司が代わりにぬいぐるみを取り、プレゼントしてもらう。この時、不審に思われることを危惧した蓮司が、思わずバレンタインデーのプレゼントと言いながらぬいぐるみを渡したが、イギリスのバレンタインデーは男性が好きな女性に思いを伝えるとともにプレゼントを渡す風習があったため、彼の気持ちを誤解。のちに、そのことを知って誤解を解こうと考えた蓮司と、ゲームセンターのコミュニケーションノートを参考に、交換日記のような「ゲーセンノート」をやり取りするようになる。最初にぬいぐるみをプレゼントしてもらった時から蓮司に恋心を抱いているが、リリー・ベイカー自身は恋愛感情というものが今一つ理解できておらず、自分の感情の不安定さに困惑することが多い。少々ドジなところはあるが頭脳明晰で、学校のテストでは英語は当然100点、蓮司とのゲーセンノートが功を奏してか、国語も70点と高得点をおさめている。一方、非常に不器用で、運動や家事は壊滅的。ただし何をやるにも一生懸命で、その姿勢は周囲からも認められている。8歳の頃に日本に旅行で訪れたことがあり、その時にも蓮司にゲームセンターで取った景品をプレゼントしてもらった過去がある。ちなみに、この時の景品も漢気コアラのものだった。

草壁 葵衣 (くさかべ あおい)

草壁蓮司の妹で、中学2年生の女子。年齢は13歳。リリー・ベイカーとはクラスメート。黒髪のセミロングヘアを頭の左側で結んだ、八重歯のある快活な性格の持ち主。もともとリリーとはなかよくなりたいと考えていたが、言葉の壁によってそれが果たせなかった。リリーが蓮司と「ゲーセンノート」をやり取りするようになって多少日本語を理解できるようになってからは、積極的にコミュニケーションを取るようになり、仲のいい友人となる。リリーから、ゲームセンターの店員(蓮司)にぬいぐるみをプレゼントされ、同時に告白されたという話を聞いており、当初は初対面の女子中学生相手にそんなことをするのはろくな大人ではないと、その店員のことを強く警戒していた。その後、ゲームセンターで直接その店員と顔を合わせたものの、葵衣の誤解を恐れて蓮司が変装をしていたことで、リリーが思いを寄せる店員が蓮司であることには気づいていない。そのため、蓮司がリリーと面識があることも知らなかった。のちに、加賀花梨の手により、蓮司とリリーの関係を知ることになる。

リリーの母親 (りりーのははおや)

リリー・ベイカーの母親でイギリス人。金髪をショートヘアにしており、スタイル抜群で、明るい性格をしている。学生時代に留学生として日本に来ていたこともあり、流ちょうな日本語を話すことができる。ちなみに当時留学枠は二つあり、いっしょに留学していたのがリリーの父親である。少々ノリは軽いが、色恋沙汰には聡いところがあり、草壁蓮司と初めて会った時点で、彼がリリーの思い人であることを察している。

リリーの父親 (りりーのちちおや)

リリー・ベイカーの父親でイギリス人。金髪ショートヘアで、非常に大柄な筋骨隆々とした体型をしている。また、掛けている眼鏡により、表情が読めない。学生時代に留学生として日本に来ていたこともあり、流ちょうな日本語を話すことができる。ちなみに当時留学枠は二つあり、いっしょに留学していたのがリリーの母親である。何かと謎の多い人物で、果物を剥くのにコンバットナイフを使ったり、リンゴを片手でにぎり潰したりすることもあり、草壁蓮司に恐れられている。リリーのことを溺愛しているリリーの父親の方もまた、中学生であるかわいい娘に色目を使う、不届きな大学生として蓮司のことを強く警戒している。

望月 桃子 (もちづき ももこ)

草壁蓮司と同じ大学に通う女子。淡い色のロングヘアを後頭部で緩く縛り、前髪に髪留めを三つつけている。胸が非常に大きくスタイル抜群で、おとなしい性格で、どこか鈍くさくネガティブ思考の持ち主。大学の入学式の日、荷物を盛大にぶちまけてしまったところを通りがかった蓮司に助けてもらって以来、実家で飼っていた「トモゾー」によく似た彼のことがなんとなく気になっていた。実は実家が剣道場を開いており、幼い頃から父親に仕込まれたこともあって、剣道の腕は相当なもの。そのため、棒状のものを手にすると目つきが変わり、すさまじい殺気を放つ。のちに、蓮司と同じゲームセンターでアルバイトとして働くようになる。

加賀 花梨 (かが かりん)

リリー・ベイカーや草壁葵衣と同じ中学に通う女子。無造作なセミロングヘアを首の後ろで縛っている。年齢は14歳。目つきが悪く歯がギザギザで、いつもガムを嚙んでいる。格闘ゲーム好きで、その腕前は草壁蓮司が働くゲームセンターでトップクラスの実力を持つ常連ゲーマーでも相手にならないほど。格闘ゲームだけでなく、クレーンゲームなど畑違いのジャンルでも高い実力を誇る。実は小学生の頃、家庭用ゲームで鍛えてゲームセンターデビューし、連勝を重ねていたところ、突然乱入してきた蓮司に完敗したことがある。以来、それがトラウマになってネット対戦に引きこもって修業を重ね、さらに実力に磨きをかけて、蓮司に対戦を申し込むため、彼の働くゲームセンターに現れた。この時、成り行きからリリーに格闘ゲームのノウハウを教えたことで、彼女から「師匠」と呼ばれるようになる。なお、変装して「漢気モード」になっていた蓮司のこともあっさりと見破り、リリーの思い人が蓮司であることを葵衣に知らしめる、直接的な原因をつくった。

その他キーワード

漢気コアラ (おとこぎこあら)

リリー・ベイカーが大好きなゆるキャラ。眉間にしわを寄せて険しい目つきをしたコアラで、体は人間のようなフォルムで二足歩行し、「漢」と書かれた褌(ふんどし)を身につけている。草壁蓮司は特に認識していなかったが、少なくとも5年前に蓮司とリリーが出合った時には、すでにゲームセンターのクレーンゲームの景品になっていたほどの人気を誇る。現在では、ゲームセンターの大掛かりなVRゲームや、家庭用ゲーム機のソフトにも進出するなど、より幅広い展開を見せている。

書誌情報

ゲーセン少女と異文化交流 8巻 KADOKAWA〈ドラゴンコミックスエイジ〉

第4巻

(2022-07-08発行、 978-4040745923)

第5巻

(2022-12-09発行、 978-4040747811)

第6巻

(2023-07-07発行、 978-4040750491)

第7巻

(2023-12-08発行、 978-4040752341)

第8巻

(2024-07-09発行、 978-4040755205)

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