僕とドールと放浪少女

僕とドールと放浪少女

人間嫌いのサラリーマン、新井久太は、ある夜、捨てられて横たわっている等身大のリアルな人形を発見する。こっそり持ち帰ってみると、それは人形ではなく身元不明の家出少女だった。人形しか愛せない潔癖男と、人形のような美しさを持つ少女の歪(いびつ)な共同生活を描く、官能的で耽美な倒錯系ルームシェアストーリー。「ヤングキング」2019年15号から掲載の作品。

正式名称
僕とドールと放浪少女
ふりがな
ぼくとどーるとほうろうしょうじょ
作者
ジャンル
美少女・萌え
 
同棲
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あらすじ

第1巻

サラリーマンの新井久太は、大の人間嫌い。特に人間から放たれる匂いが苦手で、つねにマスクを着用していなければ、その匂いで吐き気をもよおして呼吸もままならないほど。そんな久太には、趣味で「ドール」と呼ばれる、リアルに作られた人形のコレクションをしているという、誰にも言えない秘密があった。美しく、清らかなドールたちを愛し、帰宅すれば彼女たちの世話に明け暮れる日々を送る久太は、ある夜、ゴミ集積所に等身大のドールが捨てられていることに気づく。あまりの美しさに心を奪われた久太は、こっそりドールを自宅に持ち帰るが、ドールだと思い込んでいたそれは、人間の少女だった。ドールのような美少女の羽子は、久太がドールの愛好家だと知ると、自分には行くあてがないと訴え、久太だけのドールになるからここに置いて欲しいと懇願。もし断るなら、拉致監禁で警察に訴えると脅迫する。久太は、人との共同生活など不可能だと感じながらも、自分だけの理想のドールの存在が頭をかすめ、彼女を受け入れる。こうして、契約から始まった二人の共同生活は、人間嫌いの久太にとって困難ばかりのものとなる。一方で自分本位な羽子は、自分をドール扱いする久太との官能的で耽美な瞬間を幾度となく経験し、久太に愛されたいと強く願うようになっていく。

登場人物・キャラクター

新井 久太 (あらい きゅうた)

会社員の男性。勤務時にはつねに眼鏡とマスクを着用している。そのため周囲からは、素顔を見たことがないと、気味悪がられている。非常に潔癖なところがあり、極度の人間嫌い。特に人間から発される匂いが苦手で、嘔吐することもあり、マスクをしないと呼吸するらままならない。その反動か、「ドール」と呼ばれるリアルに作られた人形に対して強い愛情を抱いている。しかし、性的な対象とはしておらず、単純に美しく静かで、自分を癒してくれるものとして愛情を抱いており、新井久太自身にとってドールは聖なる存在といえる。日々、ドールを愛でて綿密な手入れをするなど、ドールの世話をすることに生きがいを感じている。ある夜、ゴミ集積所に横たわっていた羽子を見つけ、彼女を人形だと思い込んで家へ連れて帰った。帰宅後、ドールではなく人間であることに気づき、動揺する。しかし、自分を匿ってくれないなら拉致監禁で警察に訴えると言い張る羽子の強気な態度に負け、羽子を住まわせて面倒を見ることになった。羽子からは、「キュータ」と呼ばれている。気弱な性格で、勝気な羽子の尻に敷かれている。

羽子 (わこ)

身元不明の少女。外見は等身大の人形のように美しい。綺麗なロングヘアに、色白で華奢な体型をしている。ある夜、ゴミ集積所に横たわっていた際、人形と勘違いされ、新井久太に拾われた。久太が「ドール」と呼ばれるリアルに作られた人形の愛好家であることと、自分をドールと勘違いしていたことを逆手に取り、自分を匿ってくれないなら拉致監禁で警察に訴えると、強気な態度で取引を持ち掛ける。その結果、自分が久太のドールになるという条件で契約を成立させ、久太の部屋で共同生活を始めることになった。入浴をはじめとした身の回りのことを自分でできないことや、久太が用意した服を地味で安っぽいと言い放つなど、その言動からお金持ちのお嬢様ではないかと推察される。非常に勝気でわがままな性格をしている。また、父親に振り向いてもらおうと必死の羽子の回想シーンから、主人に愛されることに飢え、こだわっている様子が垣間見られる。最近路上では彼女を探す写真入りのチラシが配られているが、誰が配っているかは不明。人間嫌いの久太を、ドールになりきって翻弄しようとするが、ドールに対して真っ直ぐな久太に逆に翻弄される結果となっている。

佐野 ゆり香 (さの ゆりか)

新井久太と同じ会社に勤める女性。久太の直属の上司にあたる。最近、久太の様子が変で仕事にも影響が出ていることを懸念し、原因を探ろうと、久太のあとをつけて無理矢理自宅を訪問した。その際、久太の自宅に身元不明の少女、羽子がいることを知り、その事情を尋ねる。久太は姉の子を預かっていると言い張ったが、今まで一度も姉がいることを聞いたことがなかったことや、年齢的に無理があることなどから、それがウソだと見抜き、羽子を探すチラシを手に彼女に直接詰め寄った。警戒心を強める羽子に対し、チラシを信用しているわけではないことを告げ、監禁や誘拐を心配していることを伝え、何かあったら自分を頼るようにと告げて、羽子の味方であることを主張した。なぜか羽子を気に入った様子で、何かと羽子を心配する素振りを見せている。その後も着るものや食事、ボディケアなど、羽子の様子を執拗に久太に確認し、たびたび久太の自宅を訪問したがっている。

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