あらすじ
第1巻
三つ指ついて「おかえりなさいませ、ご主人様」と口にした戸山鈴香は、園琴音にそれではメイドだと突っ込まれる。照れながら、正しくは「おかえりなさい、あなた」だろうと訂正した琴音が、その姿を早瀬成美にからかわれていると、そこに河合萌枝が姿を現した。何をしているのかと困惑する萌枝に鈴香は、結婚したときに困らないように、新婚ごっこをしてシミュレーションしているのだと語る。さらに成美と鈴香は、困惑顔の萌枝にもやってみるようにとうながす。困った萌枝は助けを求めて周囲を見渡すが、頼みの琴音は期待に満ちた曇りないまなざしで萌枝のことを見つめるばかりだった。仕方なく萌枝は上目遣いで新婚ごっこを開始。そのかわいらしさに三人の先輩は大いなる衝撃を受ける。(エピソード「おかえりなさい あなた」。ほか、9エピソード収録)
登場人物・キャラクター
早瀬 成美
高校2年生の女子で、演劇部に所属している。ふくらはぎまで届くほどの長い黒髪を、ふだんはゆるく二つの三つ編みにしている。さばさばした性格で男のようなぶっきらぼうな口調で話し、小学生の頃からの付き合いの園琴音とは、何かにつけて互いにからかい合っている。かつては少年のようなショートヘアで、当時の琴音の髪にあこがれて自分も伸ばし始めたという経緯がある。しかし、周囲にはそれを隠して、小学校の先生がロングヘアで、それにあこがれたためと語っている。ちなみに、もともと陸上部所属だったが、昨年の学園祭で見た演劇部の舞台に感動し、琴音ともども転部した経緯がある。そのため、演劇は未経験。戸山鈴香には「なるちゃん」と呼ばれている。
園 琴音
高校2年生の女子で、演劇部に所属している。淡い色のロングヘアを、青いリボンでハーフツインにまとめている。男のようなぶっきらぼうな口調で話し、小学生の頃からの付き合いの早瀬成美とは、何かにつけて互いにからかい合っている。ツッコミ気質な一方で乙女チックな一面も持ち、そこを逆に成美に突っ込まれることも多い。ちなみに、もともと陸上部所属だったが、昨年の学園祭で見た演劇部の舞台に感動し、琴音ともども転部した経緯がある。そのため、演劇は未経験。
戸山 鈴香
高校2年生の女子で、演劇部に所属している。黒髪をボブヘアにし、髪留めを付けている。明るく穏やかな性格のかわいらしい少女で、後輩の荻久保瑠依にあからさまに好意を寄せられている。二つ上の先輩が卒業したとたんにほかの部員がそろって演劇部をやめてしまい、途方に暮れていたが、園琴音ら四人が入部したことで、どうにか部が存続することとなった。そのため、現在は部で唯一の演劇経験者。また、衣装作りも得意としている。
荻久保 瑠依
高校1年生の女子で、演劇部に所属している。紫色のロングヘアで、右目が完全に隠れるほど長い前髪を、制服のネクタイ通しに通したり結んだりと、スカーフのように扱っている。昨年、中等部の時に見た学園祭での演劇部の舞台にあこがれ、進学と同時に演劇部に入部した。そのため、演劇は未経験。部の先輩である戸山鈴香のことが大好きで敬愛しており、何かと彼女にまとわりついている。また、鈴香が絡むとちょっとしたことでも激しい嫉妬の炎を燃やす。一方、鈴香がかかわらないところでは、物静かなふつうのかわいらしい少女。河合萌枝には「るーちゃん」と呼ばれている。
河合 萌枝
高校1年生の女子で、演劇部に所属している。明るい色のセミロングヘアを右側のサイドで一つにまとめており、右目の下に泣きぼくろがある。明るい性格の妹キャラで、早瀬成美ら演劇部の先輩たちにかわいがられている。昨年、中等部の時に見た学園祭での演劇部の舞台にあこがれ、進学と同時に演劇部に入部した。そのため、演劇は未経験。
荻久保 真依
千咲高校に通う3年生の女子で、荻久保瑠依の姉。超名門として知られる演劇部に所属していた。紫色の髪をボブヘアにし、両サイドにピンクのチェックのリボンを結んでいる。クールな性格で、当初は瑠依が思いを寄せる戸山鈴香のことを警戒していたが、演技指導してほしいとお願いされた際、妹と同様に鈴香の魅力の前に陥落する。