追放された暗黒兵士
魔王直下の四天王に長年補佐として仕えていた暗黒兵士のダリエルだったが、四天王が代替わりした途端、魔法が使えないという理由で解雇されてしまう。先代の四天王に多大な恩を感じていたダリエルは、現在の仕事にやりがいを持っていただけに、突然の解雇宣告に途方に暮れたまま魔王軍を去る。行く当てもなく森をさまよっていた際に、魔物に襲われていた人間族の村娘、マリーカを助ける。そして、ダリエルは彼女から強引に引き留められ、彼女が暮らすラクス村に身を寄せるのだった。
隠れた才能が開花
実はマリーカはラクス村の村長の娘で、彼女の父親は周辺の冒険者のまとめ役であるギルドマスターを兼任していた。この世界では魔法は魔族にしか使えないが、人間も独自の「オーラ」と呼ばれる力を持っていた。このオーラはギルドと契約することで「闘神の加護」を受けて発現するが、人間以外は闘神の加護を受けられないため、隠れた魔族を判別する方法としても使われていた。マリーカの父親は好意からダリエルにギルドとの契約を勧めてきたが、そのことを知っていたダリエルは何とか回避しようとするも、半ば押し切られる形で契約を交わしてしまう。しかしダリエルの予想に反して契約は成立し、ダリエルは類まれなオーラの持ち主でもあることから、ギルドマスターですらその才能に驚愕(きょうがく)する。そこで初めてダリエルは、自分が魔法を使えなかったのは人間族だったからだと気づくのだった。
人間族と魔族が注目する村
ラクス村は魔族の領土に近く、人間族と魔族にとって重要な戦略物質「ミスリル」が採掘できる鉱山の近くに位置していた。かつてはミスリル鉱山は人間族の手にあり、ラクス村も栄えていたが、近年は魔族に鉱山を奪われてからはさびれる一方だった。ダリエルはオーラの力で村の人々に認められていく中、村を救いたいと思うようになり、その方法を模索していた。そして、かつて暗黒兵士時代に訪れたことのあるミスリル鉱山に潜入する。そこでダリエルが目にしたのは新四天王の新体制のもと横暴化した魔王軍と、虐げられている亜人たちの姿だった。ダリエルは知己である亜人たちを助け出し、魔王軍を鉱山から追い払ってミスリル鉱山を取り戻すことに成功する。その後、鉱山を取り戻しにきた魔族の中に、かつての親友、リゼートの姿を発見し、彼に事情を話して人間族と魔族の全面戦争は回避される。しかし、ミスリル鉱山は人間族にとっても垂涎(すいぜん)の的で、人間族と魔族の両種族からラクス村は注目されることとなる。
登場人物・キャラクター
ダリエル
魔王軍に仕えてきた元兵士の男性。年齢は30代。魔王軍に所属していたが、魔法を使えないことで、軍の四天王によって突然解雇されてしまう。その後、人間のマリーカと出会い、与えられたクエストをクリアする冒険者としての才能を開花させていく。マリーカに出会うまではダリエル自身を魔族だと認識していたが、のちに人間だということが判明する。魔王軍に所属していたのも、あくまで自分が魔族であると認識していたためで、人間に対して特別な悪意を抱いていない。穏やかな性格のため、人間や魔族関係なく好かれている。マリーカから好意を寄せられてアプローチを受けているが、恋愛には不慣れなため、うまく対応できずにいる。
マリーカ
人間たちの村で生活している少女。村の外れにある森の中で、凶暴なモンスターに襲われていた際、ダリエルに助けられたことで知り合いになる。ダリエルが冒険者になってからは、旅に同行している。天真爛漫な性格で、巨乳の持ち主。外見は完璧な美少女ではあるものの、人並外れた怪力を誇り、村の男性からは女性として認識されていない。そのため、初めて自分を女性として扱ってくれたダリエルに恋心を抱いてアプローチを繰り返しているが、彼が恋愛に不慣れなため、今一つ気持ちが届いていない。父親が村のギルドの管理者であることから、冒険者に関する知識を有している。
クレジット
- 原作
-
岡沢 六十四
- キャラクター原案
-
sage・ジョー
書誌情報
解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ 14巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2020-03-27発行、 978-4065188347)
第2巻
(2020-08-20発行、 978-4065202029)
第3巻
(2021-01-20発行、 978-4065220153)
第4巻
(2021-06-17発行、 978-4065236758)
第5巻
(2021-11-18発行、 978-4065258590)
第6巻
(2022-03-18発行、 978-4065270585)
第7巻
(2022-07-20発行、 978-4065284780)
第8巻
(2022-11-18発行、 978-4065297919)
第9巻
(2023-03-20発行、 978-4065314678)
第10巻
(2023-07-20発行、 978-4065323731)
第11巻
(2023-11-20発行、 978-4065336427)
第12巻
(2024-03-18発行、 978-4065349601)
第13巻
(2024-07-19発行、 978-4065362945)
第14巻
(2024-11-20発行、 978-4065375365)
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