概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
ゼノス
黒い外套(がいとう)を着た治癒師の男性。貧民街の孤児院で暮らしていた。禁呪とは露知らず、魔法で死者をよみがえらせることを思いつき、身体構造を把握するために遺体の解剖に励んでいた時期がある。その結果、人間のみならずさまざまな亜人の構造を把握して死者蘇生(そせい)の手応えを得たが、黒い外套を着た男性に阻まれ断念。その男性の弟子となり、「治癒師はケガを治して三流、人を癒して二流、世を正して一流」という旨の思想と外套を受け継ぎ、四肢の欠損すら治す規格外の治癒師に成長した。魔法陣による補助や、詠唱を省いて即座に魔法を発動することが可能で、防護や強化の魔法も得意としている。冒険者パーティ「黄金の不死鳥(ゴールデン・フェニックス)」の等級をゴールドクラスまで引き上げた立役者だったが、魔法を発動しているように見えなかったことから役立たずのレッテルを貼られ、パーティから追放されてしまう。脱退後は身分が足枷(あしかせ)となって冒険者ギルドに頼ることもできず、貧民街に非合法な治療院を構えて食い扶持(ぶち)を得るようになった。ライセンスを持たない闇ヒーラーながら、対価さえ払えば種族や身分を問わず高度な治療を施してくれる人物と評価され、いつしか貧民街の顔役として尊敬されるようになった。しかし、三大亜人の抗争を終息に導いたことで、その影響力を問題視したハーゼス王国の近衛(このえ)師団に目をつけられてしまう。なお、冒険者としては後方支援タイプだが、有事には魔法の刃物「執刀(メス)」を手に前線で戦うこともある。
リリ
ゼノスが購入したエルフの少女。ツインテールの髪型で耳が尖(とが)っており、入浴中も聳(そそ)り立つほどのアホ毛がチャームポイント。奴隷商人から逃げようとして背中に矢を受けるも、偶然にも現場に居合わせたゼノスの規格外の治癒魔法によって、一命を取り留めた。この時の矢傷が、一般的には致命傷と判断されるレベルの深傷だったことが幸いして、当時のゼノスの全財産だった金貨1枚での取り引きが成立し、晴れてゼノスの所有物となった。その後、帰る家がないという事情を汲(く)んだゼノスの温情によって、彼の治療院でいっしょに暮らすことを許された。ゼノスに惚(ほ)れ込んで日頃から熱烈なアプローチを繰り返しているが、まるで相手にされていない。また、ゼノスを性的な意味で狙っている亜人の女性たちが治療院を溜まり場にしていることを面白く思っておらず、ゼノスが持て囃(はや)されている様子を見ては不機嫌になって頰を膨らませている。リリたちが繰り広げるゼノス争奪戦の様子は、治療院の2階に棲(す)みついている死霊王カーミラの無聊(ぶりょう)を慰める最大の娯楽として消費されている。
クレジット
- 原作
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菱川 さかく
- キャラクター原案
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だぶ竜
書誌情報
一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる(コミック) 4巻 SBクリエイティブ〈GAコミック〉
第1巻
(2022-08-16発行、 978-4815610524)
第2巻
(2023-06-15発行、 978-4815613105)
第3巻
(2024-03-15発行、 978-4815618766)
第4巻
(2024-11-15発行、 978-4815618773)