魔王軍はホワイト企業並みの職場環境
冴えないサラリーマンの内村伝之助が魔王から召喚されたのは、モンスターや魔法が存在する異世界。そこで内村は、日本での働きぶりを知る魔王からヘッドハンティングされ、水を司る四天王「海」外の駐在員に抜擢される。給料や立場は日本での役員並みの高待遇で、自室や部下も用意されている。労働者の権利を尊重され、過労の際には睡眠を推奨されている。突然海外に左遷され、海外でも評価されなかった内村にとって、異世界は魅力的な職場となっている。ちなみに、内村は魔法もチート能力も持たないふつうの人間で、彼の活躍はすべてサラリーマン時代に培った知識と経験に由来するものである。
魔王の野望は「厄災」を全滅させること
厄災とは獣や魔物の姿で各地に襲いかかる天災で、かつては国を消滅させたこともあるが、各国の王は単独で厄災を倒す力を持っている。しかし現在は、厄災と各国の王は歪んだ相互関係が築かれており、統率者として不適格な者も、力さえ持っていれば王になることができる。魔王が望んでいるのは厄災を全滅させることでこの現状を破壊し、圧政者によって民衆が苦しむことのない世界をつくることだが、この野望を知っているのは内村だけである。
登場人物・キャラクター
内村 伝之助 (うちむら でんのすけ)
日本で海外駐在員として勤務する中年男性。日本でキャリアを積んでいたが突然海外に左遷され、海外でも評価されようと頑張っていた。そんなある日、スクーターに衝突して、気づくと魔王によって異世界に召喚され、異文化コミュニケーション能力の高さを買われて四天王の一人にスカウトされた。四天王としての肩書きは水を司る「海」外の駐在員だが、水に関係する魔法はもちろん、魔法をまったく使えない。言語や文化の違う人種の橋渡し役として手腕を発揮し、従来の魔王軍では不可能だった交渉や同盟の締結などを一手に引き受けている。しかし、日本での職場のトラウマによって、自分を過小評価してしまう傾向にあり、自己肯定感が低い。魔王に対して絶大の信頼を寄せており、魔王からの指令には期待以上の働きを見せ、功績を残している。その能力の高さから、魔王から厄災を全滅させたあとの世界で王になるように奮起をうながされる。また、ほかの四天王の面々からの信頼も厚く、特にウルマンダーからは熱烈なまでの恋愛感情を向けられているが、まったく気づいていない。
ウルマンダー
魔王軍で四天王の一角を担う、魔人の女性。長い赤髪をポニーテールにまとめている。四天王としての肩書きは、炎を司る豪「炎」の突撃士。魔法を駆使するには肉体のビルドアップが推奨されるため、肉体こそが自己表現の一つとなっており、露出度の高い服装を好む。内村伝之助が四天王として召喚された際には、なんの能力もない人間であることを理由に就任に断固反対したが、内村の異文化コミュニケーション能力を目の当たりにし、その能力を認めて恋愛感情を抱くようになる。実は鎖国中の九龍国の姫君でもある。ちなみに、あと二人の四天王は風を司る烈「嵐」の魔導士で、エルフとフェアリーのハーフであるシルフィードと、土を司る「地」殻の防壁士で亜人のゲーノーム。
クレジット
- 原作
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ベニガシラ
書誌情報
サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話 10巻 オーバーラップ〈ガルドコミックス〉
第1巻
(2020-06-25発行、 978-4865546866)
第2巻
(2020-12-25発行、 978-4865548136)
第3巻
(2021-06-25発行、 978-4865549485)
第4巻
(2022-01-25発行、 978-4824000965)
第5巻
(2022-06-25発行、 978-4824002204)
第6巻
(2022-12-25発行、 978-4824003706)
第7巻
(2023-07-25発行、 978-4824005687)
第8巻
(2024-01-25発行、 978-4824007216)
第9巻
(2024-07-25発行、 978-4824009005)
第10巻
(2024-12-25発行、 978-4824010407)