暗黒騎士の俺ですが最強の聖騎士をめざします

暗黒騎士の俺ですが最強の聖騎士をめざします

西島ふみかるの小説『暗黒騎士の俺ですが最強の聖騎士をめざします』のコミカライズ作品。暗黒職の名家に生まれ、暗黒騎士として活躍していたカイ・ブラッディアは世間から評価されない暗黒職の現状を変えるため、最強の聖騎士である王宮聖騎士を目指して神聖職訓練校への入学を決意する。生粋の暗黒職でありながら、聖騎士を目指す青年の姿を描いた壮大なファンタジーバトル。本体表紙と裏表紙には各キャラクター設定のほか、脇役たちを中心とした書き下ろしの小話が掲載されている。また、コミックス各巻末には描き下ろしのエピソードのほか、西島ふみかるによる書き下ろしの短編小説も収録されている。「マンガUP!」で2019年9月から配信の作品。

正式名称
暗黒騎士の俺ですが最強の聖騎士をめざします
ふりがな
あんこくきしのおれですがさいきょうのぱらでぃんをめざします
原作者
西島 ふみかる
漫画
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
レーベル
ガンガンコミックスUP!(スクウェア・エニックス)
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

暗黒系ジョブの名家に生まれた暗黒騎士のカイ・ブラッディアは禁呪薬輸送の密告を受け、密売人を摘発していた。首尾よく任務を終えて犯人を衛兵に引き渡すカイだったが、血まみれになった鎧姿に道行く人たちから密売人以上に恐れられ、衛兵からも眉をひそめられてしまう。暗黒騎士としての誇りを示す一方、周囲からは一向にその努力を認められない現況に煩悶(はんもん)するカイは、帰りしなにコカトリスに襲われる馬車に出くわす。振り落とされた御者を救助するものの、馬車にはまだ取り残された乗員がいるという言葉にためらいなく駆け出したカイは、崖から落ちるという危機一髪のところで乗員である少女を救い出すことに成功する。安全な場所で一息ついた少女は、自らを神聖アステリア王国の第四王女であるシェルファー・クラン=アステリオ(シエル)だと名乗る。入学する予定だった神聖職訓練校への視察途中に凶事に見舞われたと語るシエルの言葉と、その立ち居振る舞い、さらにはおっとり刀で駆け付けてきた護衛や御者に治療を施して周囲から感謝される姿にカイは感銘を受ける。そして、カイは自らも神聖職訓練校に入学し、最強の聖騎士である王宮聖騎士になれば、暗黒騎士であったとしても周囲に認められるのではないかと考えるようになっていく。その目的を実現するための第一歩として、カイはシエルに自分を神聖職訓練校へ入学させてくれるよう、頼み込むのだった。

第2巻

暗黒騎士ながら神聖職訓練校へ入学したカイ・ブラッディアは、暗黒職専門校との合同演習に臨もうとしていた。クラスメートにして幼なじみであるミリア・ソレルや自らの後見人となってくれた第四王女のシェルファー・クラン=アステリオ(シエル)、さらには天才死霊術士(ネクロマンサー)として名高いカイの妹のクロエ・ブラッディアをパーティーとした一行は、合同演習の会場である森へと足を踏み入れる。演習が始まる中、パーティーでの戦い方を知らないカイは、敵を見つけるたびに自分だけで吶喊(とっかん)してしまう。実力差があるために並の生徒は一蹴できるものの、ミリアたちパーティーメンバーはそんなカイの様子を憂慮していた。すると、カイたちのパーティーの前に教師たちのパーティーが現れて勝負を仕掛けてくる。今までと同じように吶喊したカイは、卓越した連携戦術の前に窮地に陥るが、その様子を見ていたミリアはカイを狙撃した魔術を防ぎ、シエルを狙った奇襲もクロエが死霊によって迎撃してみせる。その仲間たちの様子と、ミリアからの発破を耳にしたカイは、これが仲間といっしょに戦うことの意味だと悟り、仲間を信頼して背後を任せる決断をする。迷いなく、正面だけを見据えたカイの前に敵はなく、カイは教師たちも瞬時に一蹴。そのみごとな戦いぶりに、教師たちはカイたちへ賛辞とエールを送る。これからの戦いもがんばれという教師たちの言葉にカイたちが笑顔で応えようとしたその時、笑顔で話していた教師が突然崩れ落ちる。突然の奇襲に身構えるカイたちの前に姿を現したのは、合同演習前から姿が見えなかった、神聖職訓練校の最上級実技担当教師であるフリント・ジェッタだった。カイの恩師でもあるフリントはカイたちを前にして、その首を貰い受けると高らかに宣言する。

第3巻

神聖職訓練校の教師に扮した凶手のフリント・ジェッタによるシェルファー・クラン=アステリオ(シエル)の暗殺計画を辛くもくぐり抜け、腐屍竜(ドラゴンゾンビ)すらも撃退したカイ・ブラッディアたちだったが、激戦の影響は色濃く、カイは10日間も目を覚まさないでいた。シエルやミリア・ソレルクロエ・ブラッディアたちが看護する中で目を覚ましたカイは、彼女たちから事の顚末と現状を知らされる。仲間たちから吸収のスキルで力を受け取ったカイは、あの戦いの最後で不思議な剣を錬成して腐屍竜を一瞬で倒してみせたと語る彼女たちを前にしても、カイ自身はその出来事について何も覚えていなかった。覚えていなければ次の戦いに生かせないと残念がるカイだったが、シエルから告げられた魔法院から調査員が送られてくるという言葉に、渡りに船と喜ぶ顔を見せる。その一方で、シエルは次の戦いという言葉を受けて暗い表情を浮かべる。自分を狙った暗殺事件に、友人たちを巻き込んでしまったことを心に病んでいたのだ。追い詰められていたシエルは意を決して、みんなとはもういっしょにいられないと告げ、病室をあとにしてしまう。呆然とするカイに、ミリアはシエルと学園の現状をあらためて伝える。それは暗殺事件後も何も変わらない警備体制や、関係者の誰にも処罰が下されない不自然さについてであり、そこから推測される一連の出来事を「なかったことにしたい」という誰かしらの意志だった。その事実は、シエルが再び暗殺の危険にさらされるかも知れない現実を示していた。どうするかはあんたが決めてというミリアの言葉に、カイは自身に巻き付いていた包帯をかなぐり捨てると、シエルに追いつくため、病室を飛び出すのだった。

関連作品

小説

本作『暗黒騎士の俺ですが最強の聖騎士をめざします』は、西島ふみかるの小説『暗黒騎士の俺ですが最強の聖騎士をめざします』を原作としている。原作小説版はGA文庫より刊行され、イラストはももしきが担当している。

登場人物・キャラクター

カイ・ブラッディア

暗黒騎士の青年。暗黒職の名家であるブラッディア家に生まれ、生粋の暗黒職として育った。年齢は16歳ながらすでに豊富な実戦経験を積んでおり、国内で伝説的な暗黒騎士として勇名を馳せる父親のアッシュ・ブラッディアが、同年代頃に経験した任務達成数を超えているほどの実力を誇る。しかし、幾ら任務を達成しても暗黒職であるため、人々からは純粋な視点で評価されない現状に憂いを覚えており、どうにか打破できないものかと悩みを抱えていた。そんな折、コカトリスの群れに襲撃されたシェルファー・クラン=アステリオの窮地を救う。彼女が神聖職訓練校に入学するための視察へ向かうところだったという言葉を受けたカイ・ブラッディアは、国内で最強の誉れも高い王宮聖騎士になれれば暗黒職に対するイメージも変わるのではないかと思いつき、助けた見返りとして、神聖職訓練校へ入学させてくれるように頼み込む。しかし、入学当初は周囲と自分との実力差や、今まで過ごしてきた環境とのギャップにとまどう場面も多く見られた。また、神聖魔法がいっさい使えないという体質もあり、暗黒職という身の上からも蔑視されることも多かった。だが、愚直なまでにまじめに神聖魔法の練習に取り組む姿勢や、その子供のようにひたむきな姿勢から徐々に周囲に認められ、受け入れられていくようになる。最上級クラスへ昇級した際にクラスメートとなった、神聖職の名家であるソレル家の長女ミリア・ソレルとは、実家が家族ぐるみの付き合いがあるため、幼なじみの関係にある。また、暗黒職専門校に通い、天才死霊術士(ネクロマンサー)として評価されるクロエ・ブラッディアという妹がいる。

シェルファー・クラン=アステリオ

神聖アステリア王国の第四王女。親しい者からは「シエル」と呼ばれている。16歳になり、神聖職訓練校に入学するための視察へ訪れる途中、コカトリスという怪物に襲われる。あやうく命を落とすところだったが、偶然通りがかったカイ・ブラッディアに救われ、九死に一生を得た。その際、カイが告げた神聖職訓練校に入学させてほしいという願いを叶えるため、学園における彼の後見人となった。当初は、暗黒職の名家であるブラッディア家の人間でありながら王宮聖騎士を目指すというカイの目標や、あまりの実力差から周囲の生徒を状態異常にして昏倒させてしまう異常性に恐れを抱いていた部分もあった。だが、のちにカイが子供のような純粋さを持つ人間だということを理解して打ち解けていく。王族として暗殺の危機にさらされており、心安まるヒマもない日々を送っていたが、カイを通してミリア・ソレルや、カイの妹であるクロエ・ブラッディアと接するようになり、次第に友人を増やしていく。同時に、カイに感化される形で臆病だったシェルファー・クラン=アステリオ自身の生き方を見つめ直し、新たな一歩を踏み出すまでに成長を遂げていく。司教(ビショップ)と呼ばれるレアなジョブに就いており、神聖魔法の使い手としてはかなりの実力を誇る。神聖職訓練校と暗黒職専門校の合同演習で起こった事件では、持ち前の実力を遺憾なく発揮し、後衛としてパーティーを支える。

ミリア・ソレル

カイ・ブラッディアの幼なじみの少女。神聖アステリア王国において神聖御三家の一つに数えられる名家であるソレル家の長女で、年齢は16歳。神聖職訓練校に通っており、ジョブは聖騎士である。王宮聖騎士を目指して神聖職訓練校に入学してきたカイが、紆余曲折を経てミリア・ソレルと同じクラスに配属されたため、偶然の再会を果たす。カイの実家であるブラッディア家とミリアの実家であるソレル家は、暗黒職の名家と神聖職の名家という対照的な家柄ながら昔から家族ぐるみの付き合いがあり、ミリアも幼い頃からカイの部屋を訪れては遊んでいた過去がある。その付き合いは現在に至るまで継続していたが、ここ最近は半年ほど顔を合わせていなかった。スタイル抜群の美人ということもあって、兄であるカイを慕う彼の妹のクロエ・ブラッディアからは敵対心を抱かれている。名家の生まれながら性格は非常に親しみやすく、口調も砕けた言葉を使うことが多い。しかし、神聖職訓練校では凜とした容姿や洗練された所作も相まって「聖騎士の中の聖騎士」の呼び声も高く、そうしたイメージを守るために淑女としての猫を被っている。

クロエ・ブラッディア

カイ・ブラッディアの妹。暗黒職専門校に通う死霊術士(ネクロマンサー)で、年齢は12歳。素直になれない性格ながらも、兄であるカイを慕っている。2年前に弱冠10歳にして上級死霊(レイス)を使役したことで周囲の話題をさらい、天才の名を欲しいままにしている。持ち前の気の強い性格も相まって自信家な一面もあるが、年齢相応に幼く弱い部分もある。神聖職訓練校と暗黒職専門校の合同演習中に起こった事件では、予期せずして送り込まれた命のやりとりをする修羅場の空気に飲まれそうになるなど、精神的な弱さがある。しかし、死霊術士としての実力は本物であり、恐怖をものともせず窮地に陥ったカイや、ミリア・ソレルたちを救う活躍を見せた。幼い頃からカイにちょっかいをかけるミリアとはクロエ・ブラッディア自身も幼なじみの関係にあるものの、兄に近づく美人ということで喧嘩腰に接することが多い。新しく兄の知人となったシェルファー・クラン=アステリオに対しても同じ理由から、兄と必要以上に近づかないように牽制することが多い。

ヴィレッタ・パウリ

王立魔法院所属調査員を務める少女。超希少ジョブである賢者のジョブに就き、年齢は17歳と若年ながらもあらゆる属性の魔法を使いこなし、王立魔法院きっての鬼才と名高い。才能ある少女である一方、幼い頃に魔法院に拾われた過去があり、家族の存在や行方は不明となっている。魔法に携わる者ならば必ず耳にするといわれるほどの勇名を誇るが、幼く見える容姿とはすっぱな口調が相まって、歳より若く見られることが多い。しかしながら、広まっている評判に違わぬ魔法の腕前と知識を持っており、ズタボロになった服や部屋を、難しいとされる復元の魔法によって一瞬で直してみせるほどの実力を有する。また、神聖魔法を使えずに悩むカイ・ブラッディアに対して、その原因と解決策を示すなど、若年ながら神聖職訓練校の教師陣顔負けの能力を持っている。ほかに、賢者のジョブが持つレアスキルである鑑定というスキルを有しており、その能力を買われて神聖職訓練校と暗黒職専門校の合同演習で、尋常ならざる力を発揮したカイの調査へ派遣されることとなった。

アッシュ・ブラッディア

カイ・ブラッディアの父親。神聖アステリア王国の現在を語るうえで無視することのできない数々の武勲を上げてきた暗黒騎士で、「戦場の黒い死神」の異名を持つ。必要以上に多くを語らず表情も変えない寡黙で謹厳な人物ながら、妻であるノーチェ・ブラッディアをはじめとする家族をこよなく愛している。カイが暗黒職専門校ではなく、神聖職訓練校に入学して王宮聖騎士を目指すと口にした時も反対することなく、むしろその決断を一人の大人が決断したこととして尊重し、応援している。

ノーチェ・ブラッディア

カイ・ブラッディアの母親。毒と呪いのエキスパートとして知られ、特に呪術では大陸随一の腕前ともいわれる上級黒魔導士(エルダーウィッチ)である。つねに笑顔を絶やさず、子供たちにも優しい女性ながら、子供たちを鍛えるために幼い頃から食事にあらゆる毒を混入するなど、常軌を逸する一面がある。現在もその油断のならない食習慣は続けられており、夕食のスープから昼食の弁当に至るまで毒がそこかしこに仕込まれている。学生時代は現在の神聖職訓練校で学長を務めるターニャ・ラスタルの後輩として彼女を慕っていた過去を持つ。しかし、当時から毒物や呪いを愛好しており、ターニャに対して事あるごとに呪いを掛けたり、毒物を飲ませたりと洒落にならない悪戯を繰り返していた。そのため、ターニャとは親しいながらも彼女が後輩不信となった原因となっている。

ターニャ・ラスタル

神聖職訓練校の学長を務める女性で、ふくよかな体型をしている。シェルファー・クラン=アステリオが学園に通っているあいだの保護者のような役割を担っている。ふだんは学長として王女であるシエルに対して一線を引いた態度を取るが、二人きりのときにはよく相談に乗るなど親しげな様子を見せている。また、暗黒職専門校との合同演習で起こった腐屍竜(ドラゴンゾンビ)による騒動のあとではシエルの安否を気遣うあまり立場を忘れ、愛称で呼ぶ姿も見られた。学生時代はカイ・ブラッディアの母親であるノーチェ・ブラッディアとは先輩後輩の間柄にあり、古い知己である。後輩であるノーチェが事あるごとにターニャに対して悪戯を仕掛けてきたため、後輩不信に陥っている。

フリント・ジェッタ

神聖職訓練校で教師を務める男性。ジョブは聖騎士(パラディン)であり、今年の最上級実技担当を任されている。温厚な性格で人当たりのよい紳士的な人物で、生徒に対しても懇切丁寧に接している。神聖職訓練校の教師陣の中でも優秀だと噂されているが、数年前より以前の経歴が不明という怪しいところがある。しかし、貴族からの推薦によって現在の職に就いたという背景があり、もっぱら問題はないとされている。戦闘職としての腕前は熟練の域に達しており、訓練においては実戦経験が豊富なカイ・ブラッディアに対して、彼の弱点を指摘しながら技量を持って圧倒したほどの腕前を持つ。

キース・クルーゼ

神聖職訓練校の生徒会で、生徒会長を務める男性。礼儀正しい口調と立ち居振る舞いをした貴公子然とした青年ながら、神聖職訓練校に通う生徒であるならば必要以上に身分を気にするべきではないという考えのもと、生徒たちに対して平等かつ柔軟に接する実直な性格をしている。学園の自治には多角的な視点があった方がよいという理由から、シェルファー・クラン=アステリオを生徒会に勧誘した。

リッツ・ローエン

神聖職訓練校の生徒会で、副会長を務める青年。誰に対してもフランクに接する社交的な性格で、初対面のシェルファー・クラン=アステリオやミリア・ソレルに対して「可愛いコ大好き」と言ってのけるなどなれなれしいところがある。そのため、同じ生徒会メンバーで書記を務めるモニカ・アベルから失礼にあたると後頭部を叩かれ、窘められていた。

モニカ・アベル

神聖職訓練校の生徒会で、書記を務める少女。誰に対してもフランクに接する副会長のリッツ・ローエンと比べ、つねにあいさつを欠かさない礼儀正しい性格をしている。しかし、決して堅苦しいというわけではなく、とかく礼儀を欠きがちなリッツに対しては後頭部を叩いて窘めるなど、友人らしい緩さを見せることもある。

集団・組織

王宮聖騎士 (ろいやるぱらでぃん)

神聖アステリア王国に仕える神聖近衛騎士団の中でも、頂点を極めた12名に与えられる称号のこと。神聖アステリア王国に伝わる宝具を扱って、数々の戦場で一騎当千とも呼べる武勲を上げてきた精強な騎士たちで、国内外において最強の存在として広く知れ渡っている。一般には聖騎士の頂点として語られるが、全員が神聖魔法の使い手というわけではなく、光魔法をはじめとしたなんらかの得手を極めている。しかし、今まで暗黒職に就いていた人間が「王宮聖騎士」の称号を与えられた前例はなく、暗黒騎士でありながら頂点を目指すと豪語しているカイ・ブラッディアは、周囲から絵空事を語っているように見られている。

場所

神聖アステリア王国

カイ・ブラッディアたちの暮らす国。現在はどことも戦争を行っておらず平和な国だが、王室では政変が起きつつあり、第四王女であるシェルファー・クラン=アステリオの命が度々危険にさらされている。神聖アステリア王国に仕える神聖近衛騎士団には「王宮聖騎士」という最強の騎士が12人存在しており、それぞれが一騎当千の強さを持つことで国内外に広く知られている。

神聖職訓練校 (ほーりーえきすぱーと)

神聖アステリア王国に存在する神聖職の育成校。主に上位の神聖職を育成するための学校で、卒業生には高名な聖騎士(パラディン)や大司教(アークビショップ)、枢機卿(カーディナル)たちが名を連ねている。そのため、エリート養成の名門校としても名高く、神聖近衛騎士団へ入団するための登竜門としても知られており、その頂点である王宮聖騎士を目指すカイ・ブラッディアも暗黒職ながらこの神聖職訓練校へ入学する道を選んだ。

暗黒職専門校 (だーくえくすとら)

神聖アステリア王国に存在する暗黒職の育成校。暗黒騎士や死霊術士(ネクロマンサー)といった暗黒職を養成するための学校で、カイ・ブラッディアの妹であるクロエ・ブラッディアが通っている。神聖職を育成する神聖職訓練校とは対照的な職を育成する学校だが、合同演習を行うなどの交流があり、両校の関係は決して悪くない。

その他キーワード

祝福 (ぶれす)

神聖魔法にカテゴライズされる魔法。難易度としては初級に分類される魔法であるため、神聖職訓練校のカリキュラムでは学生たちが神聖魔法を練習するための題材として使用されている。一般的には魔法の素養さえあれば簡単に使用できる魔法だが、極度の暗黒体質であるカイ・ブラッディアにはどうしても使用することができず、発動しようとすれば暗黒魔法である毒沼が暴発したり、自身にダメージを与えたりと散々な目に遭っていた。

毒沼 (ぽいずん)

暗黒魔法にカテゴリされる魔法。周囲に毒の沼を形成する魔法で、沼からは非常に強烈な悪臭が漂う。神聖魔法に不慣れなカイ・ブラッディアが祝福の魔法を使うと、なぜかこの毒沼が発動してしまう。

武装錬成 (あーむずあるたー)

武器の性質を変化させる、スキル「錬成」の一種。使用した武器を任意の別の武器へ変化させるという強力なもので、素体が木刀や矢であったとしても金属製の両手剣などに変化させることができる。代償として生命力、または魔力を供物として捧げるため、使用後は非常におなかが減ってしまう。また、スキルの熟練度によっては錬成するまでの速度や、変化後の武器の完成度にばらつきが生じるため、誰が使ったとしても同じ武器が出来上がるというわけではない。

影走 (しゃどうらっしゅ)

高速移動を行う暗黒騎士のレアスキルで、分類としては高速歩法スキルにあたる。サムライの高速歩法スキルである縮地に似た効果を持ち、フリント・ジェッタの戦い方に学びを得たカイ・ブラッディアが代用している。

縮地

サムライの持つ高速歩法スキル。特殊な歩法によって一瞬で移動するスキルで、傍目から見ると突然相手が消えたように見える。フリント・ジェッタが縮地を使用した際には、熟練の剣士であるカイ・ブラッディアも反応ができなかった。

居合 (そーどどろう)

サムライの持つ攻撃スキルで、武器を納刀した状態から高速の居合い抜きを放つ。熟練の剣士であっても視認が難しいほどの速度で放たれる斬撃は非常に対処が難しい。フリント・ジェッタがこの居合を使用した際には、カイ・ブラッディアをもってしても反応できなかった。

共鳴 (えこー)

遠隔地に声を届ける魔法。通信魔法の一種で、自分だけではなく他人の声も届けることができる。広域にわたって声を響かせることができるため、会場全体に声を届かせたいときなどに使用される。

敵感知 (えねみーでぃてくしょん)

周囲の敵の位置と数を感知する、司教が有する受動スキル。森林の中を移動する際など敵の位置がつかみづらい環境や、不意打ちが懸念される場合に使用される。しかしながら、例外的に効果をすり抜ける能力を持った職業やスキルも存在しており、完璧な探知を保証するスキルというわけではない。そのため、スキルの効果に頼り切ってしまうと、逆手に取った敵に手痛い不意打ちや反撃を食らうこともある。

癒やしの抱擁 (きゅあえんぶれいす)

広範囲の対象を同時に治癒することができる神聖魔法。シェルファー・クラン=アステリオがフリント・ジェッタとの戦いにおいて使用した。通常の回復系の魔法とは異なり、自身から離れた位置にいる対象をも同時に回復することができるため、複数の戦闘が同時に繰り広げられる戦場において局面を打開する輝きを見せた。また、死霊術士の呼び出した死霊に対しては攻撃魔法としても有効で、広範囲の死霊をまとめて浄化することができる。

暗黒剣 (ぶらっでぃそーど)

暗黒騎士スキルで、自分の生命力と血を媒介にして複数の暗黒の剣を展開、射出することができる。対象に対してさまざまな方向から攻撃ができる汎用性の高いスキルだが、カイ・ブラッディアがヴィレッタ・パウリとの戦いで暗黒剣を使用した際には、複数展開した対物障壁によってすべて防がれてしまった。

吸収 (あぶそーぶ)

暗黒騎士スキルで、対象の魔力や生命力を自身へ吸収する能力を持つ。腐屍竜(ドラゴンゾンビ)との戦闘において、窮地に陥ったカイ・ブラッディアたちが逆転の一手として、カイに力を集めるために吸収を使用した。結果として予想外に強大な力を持った剣を手に入れたカイは、本来であれば国の軍が対応するような強敵である腐屍竜をいとも簡単に倒して見せた。

生命剥奪・己 (らいふすてぃーるぜぷすと)

暗黒騎士のスキルで、生命力を剥奪して別の力へと変換する能力を持つ。ヴィレッタ・パウリとの戦闘の際、強固な対物障壁を破るためにカイ・ブラッディアが使用した。その際にはカイ自身を剥奪の対象としていた。

鑑定 (じゃっじめんと)

賢者の持つ高位スキルで、瞳に展開して対象の情報を詳らかに鑑定することができる。「千里眼」とも呼ばれ、使用できるだけで実力者であるという物差しになる。カイ・ブラッディアの魔術経路を観察するため、ヴィレッタ・パウリが使用した。便利なスキルだが、一方で対象に同調しすぎると予期せぬ危険を招く可能性があり、カイの魔術回路に同調しすぎたヴィレッタは大量の魔力を奪われる事態に陥った。

復元 (れすとあ)

壊れてしまったものを復元する魔法。その効果範囲は広く、破れてしまった自分の服から壊れてしまった部屋まで復元することができる。便利なスキルだが、一方で使い手は少ない。魔法院の鬼才と名高いヴィレッタ・パウリが使用していた。

受難 (まーたー)

他人に魔力供給を行う魔法。自分の持つ魔力を分け与えるためのスキルで、ヴィレッタ・パウリが使用した。与える魔力の属性を選ぶことができるため、ヴィレッタはわざと光属性の魔力をカイ・ブラッディアに与えることでお仕置きの代わりとしていた。

対物障壁 (あんちまてりあるしぇる)

初級防御魔法の一つ。プロテクト系の魔法だが、初級というだけあってそれほど強力なものではない。しかし、プロテクト系のスキルは範囲と強度が反比例するという性質があり、一点に集中して展開した場合は熟練の剣士の剣戟(けんげき)すら防ぐ障壁となる。ヴィレッタ・パウリはこの術の使い手で、一点集中した対物障壁を複数展開してカイ・ブラッディアの剣戟を防ぎきるという離れ業を見せた。

沈黙 (さいれす)

対象者をしゃべれなくする魔法。話を遮られることを嫌ったヴィレッタ・パウリがカイ・ブラッディアに使用した。効果時間はそれなりに長く、一度掛けられてしまうとしばらくのあいだは一言も発声することができない。

制御リング

受けたダメージをポイントに変換するアイテム。大ぶりな腕輪の形をしており、片腕に装着して使用する。神聖職訓練校と暗黒職専門校の合同演習の際に使用された。装備した際の効果は大きく二つに分けられる。一つは受けたダメージからダメージポイントを判定し、リングの色を変える効果。この場合、真っ赤になると死亡判定ということになる。そして、もう一つは制御リングを装備した者がほかの制御リング装備者に攻撃した際、その攻撃力を制限する効果で、これによって装備者を重大なケガから守っている。また、抑制された分の攻撃力はダメージを受けた側の制御リングが感知して、その分の生命ポイントを減らす仕組みとなっている。そのため、双方が制御リングを装備していなければ身の安全を守る効果は発揮されず、万能の防具というわけではない。制御リングのこの二つの効果によって、合同演習の安全を確保しているが、装備者以外からの攻撃もダメージとしてポイント換算するため、演習参加者以外から加えられた攻撃もリングの色を変えていくこととなる。また、攻撃力を制限するのは制御リングによる死亡判定分までであって超過分の攻撃はそのまま相手に通るため、攻撃をもろに受けるなどの超過攻撃を受けると、非常に痛い思いをすることになる。

クレジット

原作

西島 ふみかる

キャラクター原案

ももしき

書誌情報

暗黒騎士の俺ですが最強の聖騎士をめざします スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスUP!〉

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