概要・あらすじ
退引町に建つ古いアパート、ホームランハイツには一癖も二癖もあるような人物ばかりが集まる。そんなホームランハイツでは、住人の部屋に泥棒が立てこもる、近所で放火事件が発生するなど大小とりまぜて騒動が絶えない。日常のドタバタを通じ、個性豊かなホームランハイツの住人や住人の周囲の人物を描く。
登場人物・キャラクター
中西 一太 (なかにし いちた)
『退引町お騒がせ界隈』第6・9・10・13・18回以降など、最も多くの話で主人公を務めるほか、狂言回し役を務めることも多い。中西克也と中西薫の第一子で長男。中西南奈の兄。男子小学生。ホームランハイツの2階、5号室に家族とともに住む。お金にシビアで世慣れた発言が目立つものの、メンタル面では年相応の弱さや不安を見せることも。 サッカークラブに入っているがあまり上手くはない。
中西 薫 (なかにし かおる)
中西一太および中西南奈の母。中西克也の妻。旧姓は野村。ホームランハイツの2階、5号室に家族とともに住み、専業主婦を務める。夫の克也同様見た目が若く、一太のサッカーのコーチから姉と間違われたことも。腕っ節が強く、夫婦喧嘩の際には薫が勝つことが多い。
星 あかり (ほし あかり)
白泉女学園に通う女子高生。ケニアからの帰国子女で、ペットであるシマウマのチャッピーと共にホームランハイツに入居(ホームランハイツはペット不可のためチャッピーは蔵原宅の馬小屋へ預けられる)。ホームランハイツの2階の角部屋に住む。父はカメラマン、母はデザイナーをしており、それぞれ海外に住んでいるため、日本では一人暮らし。 学校ではテニス部に所属する。派手で目立つ存在であり、本人もそれをアイデンティティにしていたのだが、一癖も二癖もあるホームランハイツの住人たちの前では影が薄い。第2回では河野文子のライバルを務める。なぜか名前をよく間違えられる。
河野 文子 (こうの ともこ)
勇翔高校に通う女子高生。女子バレー部のキャプテンを務める。温和でほとんど怒らないが、バレーに対しては熱心で、熱くなると自分を制御できない。全国大会で優勝したチームにいたことがある。警察官の看板をコーチと呼んでいるが、これを星あかりのペット、チャッピーに壊されたことから勝負をすることになる。
松浦 宏恵 (まつうら ひろえ)
勇翔高校に通う女子高生。貫蔵という名の犬を飼っている。女子バレー部員だが、バレーはあまり上手くない。父と兄は双子、母は三つ子と家族がみな双子以上で、自分だけひとりで生まれてきたことを家族から責められるため、気鬱な日々を過ごしている。宏恵にそっくりな人を見つけたという噂が流れたことから、自分のそっくりさんを探す。
貫蔵 (かんぞう)
松浦宏恵に飼われている犬。繋がった眉毛のような模様がある。女性と子供には好意を持っているが、男性には敵意を抱いている。注射が嫌いで、ふてくされると小屋に籠るが、これを笑われたことから家出をする。産まれた時は8つ子だった。
間柴 (ましば)
刑事を務める男性。室内でもサングラスをかけている。ホームランハイツの1階に住んでいるが、家賃を滞納しているためいつも大家の老婆から督促を受けている。金欠のため払うあてがなく、大家の秘密を暴いて帳消しにしようとした。仕事はあまりできないが、行動力はある。
小島 渚 (こじま なぎさ)
ホームランハイツの1階に住む。九州出身。トランスジェンダーのため、男性だが常に女性の格好をしている。自身のジェンダーを両親にカミングアウトできずにいたところ、父の訪問が決定し、騒動となる。幼い頃は男らしくなるよう父に厳しく教育され、柔道や剣道を習わされていたため、腕っ節は強い。
森 (もり)
小説家の老人。口ひげを生やしている。芥川賞の候補者に選出されたが次回作に苦戦しており、スランプ状態。アイデアを求めて奇行に走ることがしばしばある。
明子 (あきこ)
大杉みなみの友達の女子小学生で、髪型をポニーテールにしている。ロクという犬を飼っていたが、みなみの家に泊まりに行っている間に死亡。激しく後悔する。
中西 克也 (なかにし かつや)
中西一太および中西南奈の父。中西薫の夫。建設会社に勤める男性。ホームランハイツの2階、5号室に家族とともに住む。見た目が若く、学生にしか見えない。ほとんど怒ることはなく、貫禄のない見た目もあいまって父としての威厳があまりないが、一太が悩みを抱えた際には助言を与える。妻の薫とは高校生の頃からの付き合い。
小原 康 (おはら しずか)
住んでいた家が火事にあい、焼き出されたため、小島渚の紹介でホームランハイツに引っ越してきたのんびりした性格の男性。渚が勤める店の側でよく出会ったため知り合ったが、会うたびに違う職業の格好をしていたという謎の人物。放火現場に居合わせたため、犯人ではないかと中西一太に疑われる。
大杉 みなみ (おおすぎ みなみ)
中西一太のクラスメイト。女子小学生。一太とは仲が良く、時折頼みごとをされるほか、一緒に花火や怪談話をすることも。また、明子とも仲が良く、家に泊まりに来ることがある。
江藤 (えとう)
退引町交番に勤務する警官。静岡県出身。退引町にできたサッカークラブでコーチを務める熱血漢。小・中・高校とサッカー部で、サッカーとお茶とうなぎパイが好き。サッカークラブに所属する中西一太の母・中西薫を一太の姉と勘違いして恋をする。
エミリー
中西一太と父・中西克也がイギリスに旅行に行った際、トラブルに遭い宿泊させてもらった家の娘。一太と同じぐらいの年齢の少女。父が日本人の運転する車と事故にあったため、日本人のことが嫌いで一太や克也にもきつくあたる。
大家の老婆 (おおやのろうば)
ホームランハイツの大家の老女。常に和服を着ており、髪を結いあげている。ホームランハイツのことをマンションと言い張っており、アパートだという住人には家賃を上げると脅すなど言葉や態度が大きいが、面倒見は悪くなく、住人から嫌われてはいない。
場所
ホームランハイツ
退引町3丁目17番地に建つ古いアパート。大家の老婆はマンションだと言う。一癖も二癖もある住人が集まっており、騒動が絶えないが、住人同士の仲は良い。中西一太、中西克也、中西薫の中西家や星あかり、間柴、小島渚らが住む。