概要・あらすじ
両親を亡くし、童話作家の兄・蓼科いずみと二人暮らしの小学4年生・蓼科のり子。いずみはその作風が理解できないほどシュールなものである上、自分のオタク趣味に無計画に生活費を使ってしまう悪癖があるので、のりこは常にツッコミを入れ続けずにはいられない。いずみの他にも、常に奇怪な言動で大暴れする級友のちーちゃん、周囲の人間を眠りの渦に巻き込むという特殊能力を持つクラス担任のさなえちゃんなどといった奇妙な知り合いに囲まれて、のりこのちょっと変な日常は続いていく。
登場人物・キャラクター
蓼科 のり子 (たてしな のりこ)
丸メガネを掛けてショートカットの、小学校4年生の女の子。両親を亡くしており、祖父の経営するアパートで兄の蓼科いずみと二人暮らしをしている。家計管理を含めた蓼科家の家事を担っており、クラスでは学級委員も務めるしっかり者だが、兄やちーちゃんといった周囲のエキセントリックな人間に振り回されては常にツッコミ役を強いられている苦労性。 ブラコンの気もあり、兄が褒められると目に見えて上機嫌が続く。
蓼科 いずみ (たてしな いずみ)
蓼科のり子の兄で、職業は童話・絵本作家。主な作品に『フジツボ未亡人の逆襲』など。常人には理解し難いところがある作風のためか売れっ子とはいえない上に、美少女フィギュアなどのオタク趣味に際限なく金を使うので家計は常に苦しく、のりこを困らせている。著作が、8カ国語に翻訳されたがそのうち7カ国で発禁処分を受けたことがある。
霧島・ティルトウェイト・さくら (きりしまてぃるとうぇいとさくら)
蓼科のり子の同級生である小学校4年生の女の子。最近まで海外で暮らしていたハーフで、普段は金髪をツインテールにしている。友人たちからは主に「ちーちゃん」と呼ばれている。高すぎる身体能力と常人には理解不能な思考回路を持ち、常に奇怪な言動で大暴れするため、「野獣」と呼ばれたり、町内に要注意人物として張り紙が掲示されたりするほど。 熱が出ると一転しておしとやかな性格となる。
戸隠 みか (とがくし みか)
蓼科のり子の同級生である小学校4年生の女の子。本が好きな作家志望で、特にクトゥルフ神話などダークな話を好む。のりこ・ちーちゃんとよく行動を共にしているが、ちーちゃんが起こすトラブルについては一歩引いた立場で眺めていることが多い。
榛名 さなえ (はるな さなえ)
蓼科のり子のクラス担任を務める24歳の小学校教師。生徒たちからはさなえちゃんと呼ばれている。極度にのんびりした性格をしており、春になると自身を含めたその場の人間全てを眠らせてしまう空気を生み出す「さなえ時空」と呼ばれる現象を発生させる。後にのりこたち兄妹が暮らすアパートの一室へと引っ越してきた。 神室ようことは幼なじみ。
神室 ようこ (かみむろ ようこ)
猫文社の絵本雑誌『絵本の住人』の編集者で、蓼科いずみの担当。蓼科家にしげく通っているためのりことも仲が良く、美人で有能なお姉さんとして憧れられている。基本的に常識人であり、のりこと共にツッコミに回ることが多いが、自社の本の異常さに気づかないなど時折ズレた感覚を見せることも。 ちーちゃんには「カニ頭」のあだ名を付けられた。榛名さなえとは幼なじみ。
伊吹先生 (いぶきせんせい)
蓼科のり子たちの学校へ赴任してきた新任の体育教師。ちーちゃんからは「体育」「淫獣」などのあだ名で呼ばれる。ぬいぐるみなどかわいい物が大好き。
乗鞍 ひさこ (のりくら ひさこ)
蓼科のり子の同級生である小学校4年生の女の子。クラス一身長が高いため大人びて見られることもあるが、性格は引っ込み思案でおとなしい。親の趣味でよくコスプレをさせられる。蓼科いずみに恋心を抱いている。
鳥海 けんじ (ちょうかい けんじ)
蓼科のり子の同級生である小学校4年生の男の子。大のアニメ好きであるが、そのことを周囲に知られるのは恥ずかしいと思っている。
穂高みつる (ほたかみつる)
蓼科のり子の同級生である小学校4年生の男の子。何をやらせても優秀で、のりこと共に学級委員を務めている。自分のことが大好きで、パソコンの壁紙を自分の写真にしたり、人が写真を撮ろうとするとき執拗に映り込もうとしたりする。女装にもためらいがない。
ちー爺 (ちーじい)
ちーちゃんの祖父であり、カタコトの日本語を喋る。ちーちゃんとは異なり常識人だが、孫たちの相手をしているところを性犯罪者と誤認されて通報されることがしばしば。
吉野兄妹 (よしのきょうだい)
蓼科いずみ行きつけの模型屋「ベルトーイ美梨野市3号店」の店主である兄妹。ミサイルなど怪しい物を大量に仕入れており、店は模型屋とは思えない雰囲気になっている。兄はいずみと小学生の頃からの幼なじみ。
集団・組織
猫文社 (ねこぶんしゃ)
『○本の住人』に登場する会社。1953年創業。蓼科いずみが主に仕事をしている出版社で、神室ようこの勤務先。絵本雑誌『絵本の住人』をはじめ、4コマ漫画誌やライトノベル、テレビ情報誌といった出版から、ゲームソフト販売やシイタケ栽培まで怪しげな多角経営を行っている。