ハイスコアガール CONTINUE

ハイスコアガール CONTINUE

ゲーム好きな少年・矢口春雄とその周囲の関係を描いたラブコメディ作品。1991年を物語開始時として、春雄の成長と共にゲーム業界の変遷もリアルに紹介している。作中では実在のゲームを多く取り扱っており、中でも格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズは特に色濃く描写されている。「増刊ヤングガンガン」2010年VOL.11から連載の作品。

正式名称
ハイスコアガール CONTINUE
ふりがな
はいすこあがーる こんてぃにゅー
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

小学生編

ゲームセンターを自らの憩いの場としていた小学生・矢口春雄はある日、行きつけのゲームセンターでクラスメイトの少女・大野晶の姿を見掛ける。容姿端麗、成績優秀な晶にゲームでは負けたくないと思った春雄は、晶との対戦ゲームにおいて「禁じ手」と呼ばれる手段を使い、怒った晶に殴られてしまう。そんな最悪な出会いをした二人だったが、その後も春雄は何度となく、晶をゲームセンターで見掛けるようになる。最初こそ晶の事を煩わしく思っていたものの、彼女のゲームの腕前や情熱を目の当たりにしていくうちに、春雄は彼女と仲よくなっていく。そんなある日、春雄は突然、晶がアメリカへ転校するという事実を知る。ショックを受けた春雄は、知らず知らずの内に晶が自分の中で大きな存在になっていた事を自覚するも、再会を誓って彼女を送り出すのだった。

中学進学~晶との再会

中学生になった矢口春雄は、相変わらずゲーム三昧の日々を送っていた。そんな春雄の姿をクラスメイトの日高小春が遠くから眺めていた。無趣味な事がコンプレックスの小春にとって、好きな事に真っ直ぐ打ち込む春雄はあこがれの存在だったのである。最初は春雄の事を遠巻きに眺めていただけの小春だったが、彼と接するうちにどんどん惹かれていくようになる。

そして、春雄が中学3年生に進級した春。アメリカから帰国した大野晶が、同じ学校に転校して来る事となった。春雄はゲームセンターで晶と再会するが、彼女は春雄に対して素っ気ない態度を示す。晶の中で自分が大した存在ではなかったと考えた春雄は、悲しみに暮れるのだった。

修学旅行~高校受験

矢口春雄は、修学旅行中の自由時間内に『スーパーストリートファイターⅡX』の大阪大会に参加していた。順調にトーナメントを勝ち上がった結果、春雄は決勝戦で、大野晶と対決する事になる。春雄はこの戦いに勝利をおさめるが、あとで彼女の筐体が故障していた事を知る。真剣勝負で晶に勝ちたかった春雄は「なぜ故障を運営に報告しなかったのか」と詰め寄るが、そんな中、春雄が小学生時代に送った玩具の指輪を、晶がずっと大事に持っていた事を知る。これにより春雄は、自分が晶の中で特別な存在だった事を悟り、晶といっしょにいたいと強く願うようになる。そして、晶と同じ高校に進学するため、大好きなゲームを遠ざけてまで必死に受験勉強に臨む。だが、結果は残念ながら不合格になってしまう。

高校進学~小春による告白

第二志望の高校に進学した矢口春雄だったが、大野晶と同じ高校に行けなかった事から、ゲームセンターへは足が遠のいていた。しかし、格闘ゲームで日高小春に負けた事を機に、再びゲームセンターに通うようになる。そんな中、春雄は小春に、格闘ゲームで自分が勝ったら付き合ってほしいとその思いを告げられる。

小春との決戦

日高小春から恋心を告げられた矢口春雄は、友人の宮尾光太郎に相談しつつ、自分の心中の整理を始める。一方、小春は春雄に勝つため、ゲームセンターで特訓を開始していた。そして、自分の思いを心に決めた春雄は、ついに小春に格闘ゲームでの決戦を挑む。小春は勝利へ執念を燃やすが、一方の春雄は純粋にゲームを楽しみながらも小春を圧倒する。春雄が勝利をおさめた事により、小春は一旦身を引く事になる。

真との出会い~晶との「AOUショー」

春雄はゲームセンターで、大野晶の姉・大野真に出会う。真から晶が業田萌美の厳しい教育で意気消沈している事を聞かされた春雄は、彼女のために『RPGツクール』を使ってゲームを作り始める。完成したゲーム「おおのけクエスト」は真を通じて晶に渡され、晶はじいやの部屋で萌美に隠れて「おおのけクエスト」をプレイする。しかし、それを知った萌美は「おおのけクエスト」を処分してしまう。これにより晶と萌美の亀裂はより一層深まる事となったが、のちにそれを反省した萌美は春雄に謝罪。この出来事を通して、萌美は上から押さえつけるだけが教育ではない事を悟り、以後、晶への教育方針は少しずつ変わり始める。そればかりでなく萌美は晶に春雄と出会える機会を作ってあげるのだった。これにより晶は、春雄と共にゲームメーカーの最新ゲームを楽しめるイベント「AOUショー」で、つかの間の余暇を楽しむ。

渋谷勢VS溝の口勢による東西戦

矢口春雄は、地元のゲームセンターで顔が広い日高小春の思いを踏みにじったとして、周囲から嫌悪されるようになっていた。これをきっかけに、春雄は渋谷のゲームセンターに主な活動場所を移す。そんな中、小春のいる「溝の口勢」と春雄のいる「渋谷勢」のあいだで、対戦格闘ゲームを使った東西戦が催される事となった。その勝負で春雄に勝利をおさめた小春は、ご褒美として春雄にデートをせがむのだった。そのデートの帰り際、小春は泣きながら春雄に抱きつく。そして、その姿を大野真に目撃されてしまう。

登場人物・キャラクター

矢口 春雄 (やぐち はるお)

ゲーム好きの少年。黒髪を坊ちゃん刈りにし、三白眼で目つきが悪い。ゲームが得意で、特に格闘ゲームを好んでプレイしている。格闘ゲーム『ストリートファイターⅡ』では近所で敵なしの実力を誇り、「豪指のハルオ」を自称している。その実力はゲーム好き故の努力によって培われたものであるため、天性のゲームセンスを持つ大野昌や日高小春に対しては嫉妬心をあらわにする事も多い。 「負けたくない奴には負けたくない」を信念としており、どんな状況においても勝つためなら手段を選ばず、卑怯な戦法を使ったり、相手を挑発するような行為に走る事も少なくない。ただ、マナーの悪いプレイヤーを時には注意し、たしなめたりと、ゲームセンターでは比較的良識的な立場を取っている。 また、ゲームセンターを自らの憩いの場としており、お気に入りの店に行くためであれば、となり町に徒歩で行く労力もいとわない。雪が降っているなどの劣悪な環境下でも店外に設置されたゲーム機で熱中して遊べるほど集中力は高いが、その集中力が発揮されるのはゲームに関する事だけで、勉強やスポーツなどは苦手。また、恋愛感情の機微にも疎い。 のちに晶に思いを寄せるようになり、ゲーム以外の分野でもさまざまな努力を重ねていくようになる。高校生になってからは、主な活動場所を地元から渋谷のゲームセンターに移した。以降、服装などのセンスが渋谷系になっていったが、これは単に渋谷のゲームセンター仲間にもらった服をそのまま着ているだけに過ぎない。また、高校に入ってからは弁当作りのアルバイトを開始し、ゲーム用の資金をそこから捻出しているほか、給与の半分を母親に渡している。

大野 晶 (おおの あきら)

黒髪のロングヘアの少女で、無類のゲーム好き。矢口春雄が小学校6年生時のクラスメイトで、クラス内では成績優秀なお嬢様だと思われている。財閥の令嬢であり、家庭教師の業田萌美によって厳しい英才教育を受けている。その息抜きとしてゲームセンターに通うようになった。ゲームにおいて天才的な才能を発揮しており、特に格闘ゲームでは対人戦で104連勝を記録した事がある。 ゲームセンターで春雄と親交を深める内に、次第に彼に惹かれていく。

日高 小春 (ひだか こはる)

矢口春雄が中学生の時、クラスメイトだった少女。ロングヘアを金髪にしている。中学2年時に、やりたい事が見つけられない自分にコンプレックスを抱いている中、自分のやりたい事に真っ直ぐに向き合う春雄に、次第に惹かれていった。初めてプレイした格闘ゲームでは、上級者でも出すのが難しいとされる隠し超必殺技を出して春雄を圧倒し、類稀なるゲームの才能を発揮した。

宮尾 光太郎 (みやお こうたろう)

矢口春雄の中学、高校時のクラスメイトの少年。容姿端麗で成績も優秀。中学時に大野昌に一目惚れし、修学旅行の際に告白する事を決意する。しかし、春雄と昌との関係に気づき、そこに自分が入り込む余地はないと悟って告白せずに身を退く事を決める。日高小春の春雄への片思いにも気づいているが、春雄にとってよりよい方向に進む事を願っているため、敢えて傍観者の立場を取っている。 恋敵である小春と昌がいっしょの場に会した時は、場の雰囲気が悪くならないようにフォローするため奔走している。

土井 玄太 (どい げんた)

矢口春雄の小学、高校時のクラスメイトの短髪の少年。容姿端麗だが、キザな発言をする事が多い。小学生時に大野昌と恋仲になるべく春雄を含めたクラスメイト数人を連れ出して遊園地へ行く事を企画するも、遊園地で遊んでいるうちに、昌が途中で居なくなってしまったために失敗する。高校生になってからは春雄や宮尾光太郎と共にゲームセンターに行く機会が多くなるも、ゲームセンターの雰囲気に馴染めないでいる。

鬼塚 ちひろ (おにづか ちひろ)

矢口春雄の小学、中学時のクラスメイトの少女。金髪で眼つきが鋭く、たらこ唇が特徴。小学生時から下ネタへの好奇心が強く、春雄に対しても頻繁にセクハラ発言をしていた。中学になってからは宮尾光太郎に片想いしているが、思いが成就する様子はない。化粧映えのするタイプで、化粧する前とあとでは別人のような姿に変わる。中学卒業後、日高小春と同じ女子校に進学した。

矢口 なみえ (やぐち なみえ)

矢口春雄の母親で、ショートカットの髪形をしている。春雄との仲は良好で、やりたい事に真剣に向かい合う春雄を温かく見守っている。春雄の女性関係に対しては興味津々で、日高小春が春雄の家に遊びに来た時は、その様子を覗き見していた。

業田 萌美 (ごうだ もえみ)

大野財閥の家庭教師を務める、眼鏡をかけた女性。黒髪をポニーテールにしている。大野財閥の令嬢・大野昌に対して厳しい教育を行っている。英才教育のカリキュラムのみならず趣味や交友関係に対しても厳しく、昌がゲームセンターに通う事や、矢口春雄と交流している事を、あまり好ましく思っていない。これらの厳しさは昌の姉・大野真への教育を失敗したという教訓から来ている。 しかし、昌の心を傷つけた事を自覚して以来、少しずつではあるが昌の趣味や交友関係に対して寛容になっていく。

じいや

大野昌の送迎時の運転手を務めている老齢で禿頭の男性。業田萌美に厳しい教育を受けている昌の身を案じ、家には内緒でゲームのできる機会を与えたり、昌が矢口春雄と出会える機会を作ったりしている。それが萌美に知られた際には、運転手の役目から一時降ろされた事もあったが、のちに再度昌の運転手を務めるようになる。重度のパチンコ中毒者であり、昌がアメリカへ転校する事になった際には、パチンコを理由に日本から離れられないと発言していた。

大野 真 (おおの まこと)

大野昌の姉で、黒髪ロングヘアの少女。破天荒な性格で、業田萌美の厳しい教育に嫌気がさした結果、家の教育方針を放棄して自由奔放に生きている。しかし、結果的にそのしわ寄せが昌に向いている事に対しては心を痛めている。その償いとして、昌の矢口春雄との仲を応援したり、昌が萌美と衝突した際はそのフォローに回っている。

関連

ハイスコアガール

『ストリートファイターⅡ』の登場で、対戦格闘ゲームブームに沸く時代を舞台に、主人公矢口ハルオとライバルである大野晶がゲームを通じて交流するラブコメディ作品。90年代のゲーム作品が実名で多数登場する。 関連ページ:ハイスコアガール

ハイスコアガール DASH (はいすこあがーる だっしゅ)

押切蓮介の代表作『ハイスコアガール』の続編。2007年の神奈川県を舞台に、かつて凄腕(すごうで)のゲーマーだった国語教師、日高小春が、荒(すさ)みきった中学校でさまざまな苦難に見舞われつつも、ゲームを... 関連ページ:ハイスコアガール DASH

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