概要・あらすじ
さしたる夢も目標もなく、無為に自堕落な生活を送る青年・カイジこと伊藤開司。しかし、突然彼の下に現れた高利貸しの遠藤から、バイト仲間の借金の保証人となっていたため、莫大な借金を抱えるハメになったことを伝えられる。
借金精算の手段として、カジノ船エスポワールでのギャンブル勝負に送り込まれたカイジは、その場で騙され窮地に陥る。だが、負ければ死も同然という状況に追い込まれたことで、カイジは秘めた博打の才能を開花させ、生き残るための戦略を思考しはじめる。
登場人物・キャラクター
伊藤 開司 (いとう かいじ)
何の目標も夢もなく自堕落な生活を送っていたが、借金清算のために命がけのギャンブルに挑むことで、眠っていた博打の才能を開花させる。論理的な思考と相手の心理を読むことで、勝利するための策略を張り巡らせることを得意とし、そのためならば自傷も厭わない破滅的な面もある。 たとえ裏切られたとしても仲間を信じることを諦めず、それが勝利への道を開くこともあるが、破滅に繋がることもある。
兵藤 和尊 (ひょうどう かずたか)
巨大企業グループ「帝愛」を、総帥として牛耳る老人。巨額の資産を有しながらも、なお金を集めることに執着する金の亡者。「限定ジャンケン」をはじめとする数々のギャンブルを主催し、人が金で破滅していくのを楽しむサディスト。 他を圧倒する威厳と、常人を凌駕する豪運を持ち、その自信ゆえ、勝負事に対してはフェアに挑む一面もある。
佐原 (さはら)
伊藤開司がバイトをしていたコンビニの同僚で、一攫千金を夢見る怠惰な青年。遠藤がカイジにもちかけてきた新たなギャンブルの話に飛びつき、鉄骨渡りに挑む。
船井 譲次 (ふない じょうじ)
限定ジャンケンに何度も参加しているリピーターで、このギャンブルの勝利のキモなどを熟知している。それを利用してゲーム開始直後の伊藤開司を陥れ、その後も彼を苦しめ続ける。
石田 光司 (いしだ こうじ)
伊藤開司と共にエスポワールに乗り込んだ債権者の一人。気弱でお人好しな中年男で、限定ジャンケンでも他の参加者にあっさり騙されて負けてしまう。そんな状況でも窮地に陥ったカイジの身を案じる優しさを持っており、そのことがカイジにも影響を与える。
遠藤 (えんどう)
帝愛グループに属する非情な高利貸しで、伊藤開司をエスポワールに送り込み、命がけのギャンブル地獄へと落とす切っ掛けとなった男。その後も様々な局面でカイジと関わることに。
利根川 幸雄 (とねがわ ゆきお)
帝愛の最高幹部の一人で、「限定ジャンケン」をはじめとする様々なギャンブル大会を仕切る。「金は命より重い」などの強烈かつ巧みな弁舌でギャンブル参加者の心を揺さぶり、命がけのギャンブルに導くなど、強烈なカリスマ性の持ち主。 劇中ではEカードでカイジと直接対決することになる。
その他キーワード
鉄骨渡り (てっこつわたり)
『逆境無頼カイジ Ultimate Survivor』の用語。参加者が競馬の馬代わりとなり、4本の鉄骨を他の参加者を蹴落としながらいち早く渡りきる「人間競馬」で得た賞金を換金するために、地上74メートルの高層ビルに渡された鉄骨を渡らなければならない。 墜ちれば即死な上に、鉄骨には電流が流されているため、参加者は手をつかずに渡りきるしかない。
Eカード (いーかーど)
『逆境無頼カイジ Ultimate Survivor』の用語。二人用対戦カードゲームで、「皇帝」「市民」「奴隷」の3種類のカードを出し合って勝敗を決める。プレイヤーは「皇帝」か「奴隷」1枚と市民4枚が与えられる。 「皇帝」を倒せるカードは「奴隷」のみなので、どのタイミングで「皇帝」「奴隷」を出すかの読み合いが鍵となる。
限定ジャンケン (げんていじゃんけん)
『逆境無頼カイジ Ultimate Survivor』の用語。参加者には3つの星とグー・チョキ・パーのカードが各4枚ずつ与えられ、カードでジャンケンをして星を取り合う。カードを全部使い切った上で、星を3つ以上キープすれば勝利。 星が3つ以下になったり、カードを余らせて終了した場合は敗北となる。
クレジット
原作
賭博黙示録カイジ (とばくもくしろくかいじ)
福本伸行の代表作で、のちにシリーズ化される「カイジ」シリーズ1作目。カイジこと伊藤開司は、友人の保証人になったことで多額の借金を抱え、返済のために様々なギャンブルに挑んで行く。講談社「ヤングマガジン」... 関連ページ:賭博黙示録カイジ