概要・あらすじ
人類が巨人に捕食されるという、衝撃的な世界で、人類が勝つため、平和な城郭都市から第49回壁外調査へと出発した調査兵団一行。団長のエルヴィンと意見が割れたハンジは、巨人捕獲のため単独で飛び出し、危ういところを追ってきたリヴァイ班に救われる。
そこで一冊の手帳を発見。それは第34回壁外調査で命を落とした1人の兵士イルゼ・ラングナーによる、貴重な巨人との遭遇記録だった。
巨人捕獲の重要性を解くハンジの報告と、手帳の写しを読んだエルヴィンは、それまで消極的だった巨人捕獲作戦に許可を出すのだった。
登場人物・キャラクター
イルゼ・ラングナー (いるぜらんぐなー)
第34回壁外調査に参加し行方不明となった調査兵団の1人。巨人と遭遇し捕食される直前まで、詳細な記録を書き続けた手帳が、第49回壁外調査の際に発見される。ジャケットと手帳だけが遺族のもとへと返され、手帳に記された貴重な情報は、それを読んだハンジと、その報告を読んだエルヴィンにより、調査兵団の本来の目的である巨人の調査に大きく貢献する。
ハンジ・ゾエ (はんじぞえ)
調査兵団の1人。第49回壁外調査に参加し、第2分隊長を務める。巨人を生きたまま捕獲し研究しようと画策。犠牲が出ることを理由に、団長のエルヴィンから捕獲作戦を却下され、単独で巨人捕獲に向かうが失敗。 危ういところをリヴァイ班に救われる。その際に発見された「イルゼの手帳」を読み、改めて巨人捕獲の重要性を説き、ようやく承認された捕獲作戦では、リヴァイ班の協力を得て、1人の犠牲も出さず捕獲に成功する。
リヴァイ
調査兵団の1人で、兵士長。特別作戦班(通称「リヴァイ班」)の班長。第49回壁外調査に参加。立体起動装置を駆使し、身の軽さから動きは俊敏で、小柄な体で次々と巨人を倒していく。汚いモノが大嫌いで、巨人の血を浴びると嫌そうな顔をするが、血まみれの仲間には迷わず手を差し伸べる。 単独で巨人を追いかけたハンジが、巨人の反撃に遭い危ういところを救う。「イルゼの手帳」を拾い、イルゼ・ラングナーの戦果と讃える。
エルヴィン・スミス (えるゔぃんすみす)
調査兵団の1人。第49回壁外調査において団長を務める。真面目で理知的で、巨人捕獲を提言するハンジとは意見が対立。兵士長リヴァイには全幅の信頼をおき、単独で巨人を捕獲を狙い飛び出したハンジを追うよう指示する。 多大な犠牲を払う可能性の高い、巨人捕獲作戦には消極的だったが、「イルゼの手帳」の内容と報告を読み、ハンジが出した捕獲計画に許可を出す。
ミケ・ザカリアス (みけざかりあす)
調査兵団の1人。第49回壁外調査に参加。大柄で長身、髭を蓄えた精悍な男。リヴァイに次ぐ実力を持ち、分隊長を務める。ハンジからの巨人の捕獲の誘いを鼻で笑う。鼻が利き、臭いで巨人の存在を確認する。 巨木の森に巨人が潜んでいることを発見し、その知らせにハンジは単独で飛び出した。
ペトラ・ラル (ぺとららる)
調査兵団の1人。第49回壁外調査に参加。精鋭を集めたリヴァイ班の紅一点。女にしては怪力。オルオとは調査兵団への入団前からの知り合いで、たびたび彼の口調を貶す。単独で巨人捕獲に飛び出したハンジを、リヴァイとともに追いかける。 謎の巨人を倒した後、巨木の洞に収められた遺体を発見する。
オルオ・ボザド (おるおぼざど)
調査兵団の1人。第49回壁外調査に参加。精鋭を集めたリヴァイ班の1人だが、頼りない発言が多く、しょっちゅうハンジに首を絞められ泡を吹いている。単独で巨人捕獲に飛び出したハンジを、リヴァイとともに追いかけるが、謎の巨人を仕留める寸前、「待って! 」というハンジの声に思わず従い、巨人に捕獲される。危ういところをリヴァイに救われ、「一生付いていきます」と宣言。
モブリット・バーナー (もぶりっとばーなー)
調査兵団の1人。第49回壁外調査に参加。第2分隊副長をつとめ、団長エルヴィンへのハンジの言葉遣いをたしなめたり、勝手な行動を取るハンジに振り回される。
エルド・ジン (えるどじん)
調査兵団の1人。第49回壁外調査に参加。精鋭を集めたリヴァイ班の1人。単独で巨人捕獲に飛び出したハンジを、リヴァイとともに追いかける。ペトラからは「エルドさん」と「さん」付けで呼ばれており、先輩であることが伺える。
グンタ・シュルツ (ぐんたしゅるつ)
調査兵団の1人。第49回壁外調査に参加。精鋭を集めたリヴァイ班の1人。寡黙で目立たないが、無駄口に対しては厳しく窘める。単独で巨人捕獲に飛び出したハンジを、リヴァイとともに追いかける。
謎の巨人 (なぞのきょじん)
巨木の森に住んでいると見られる、6m級の巨人。頭でっかちで目はぱっちりしていて可愛らしい顔をしている。第49回壁外調査で、ミケの鼻により存在が確認される。単独で捕獲に飛び出したハンジに誘い出されるが、森へと引き返し、巨木の洞に収めた遺体と「イルゼの手帳」発見のきっかけを作る。
調査兵団 (ちょうさいへだん)
『進撃の巨人 特別編 イルゼの手帳』に登場する、組織の名称。領土奪還作戦のための補給拠点確保と行軍ルート開拓が主な任務。多大な犠牲を払う壁外調査は重要な任務の1つ。巨人との戦闘経験も多く、生き抜いて来た者はいずれも精鋭揃いである。 特に兵士長リヴァイは「人類最強」と呼ばれる。団長はエルヴィン・スミス。巨人の謎の解明に燃えるハンジ・ゾエも所属。自由の翼を意味する、盾に重ね翼の紋章を付けている。
リヴァイ班 (りう゛ぁいはん)
『進撃の巨人 特別編 イルゼの手帳』に登場する一団の名称、及び通称。調査兵団きっての精鋭を集めた、兵士長リヴァイを班長とする一団。本作ではエルド・ジン、グンタ・シュルツ、ペトラ・ラル、オルオ・ボザドの4人が登場する。 エルヴィンが許可を出した、ハンジの提案による巨人捕獲作戦に際してはその能力を発揮し、1人の犠牲も出すことなく巨人の捕獲に成功する。
その他キーワード
壁外調査 (へきがいちょうさ)
『進撃の巨人 特別編 イルゼの手帳』における、調査兵団の任務の1つ。人類を守る城壁の外において、人類のための調査を行う。本作では「第49回壁外調査」の様子が描かれ、その際に「第34回壁外調査」で行方不明となった兵士の遺体と手帳を発見し、巨人に関する貴重な情報を得たことにより、その後の調査兵団の活動と巨人研究への大きな変化をもたらしたことが語られる。
立体起動装置 (りったいきどうそうち)
『進撃の巨人 特別編 イルゼの手帳』に登場する、特殊装備。対巨人戦用の装置一式で、前線に立つ全兵士に支給される。アンカー及びワイヤー射出装置、刀身ボックス、武器と操作装置を兼ねる剣の柄、耐Gベルトやガスボンベなどからなる。 複数のブレードを装備しており、アンカー及びワイヤーによって空中を高速で移動し、巨人の動きを止め、急所を狙う戦法が取られる。