概要・あらすじ
トラベルライターと共に、鉄道の旅をして全国を巡る漫画の依頼を受けた女性漫画家である主人公のキクチ。全国の観光名所や美味しい食事に美味しいお酒を楽しめると想像していたが、トラベルライターは筋金入りの「鉄(テツ)」であり、旅は全国の鉄道に乗るだけ乗って、駅で降りるだけ降りる、ただそれだけ。
観光もグルメも湯煙も名酒も一切関係なし、ただひたすら鉄道に乗るだけの、鉄道に興味のないキクチにとって、まさに苦行とも言える取材旅行であった。
登場人物・キャラクター
菊池 直恵 (きくち なおえ)
『鉄子の旅』の主人公で、モデルは原作者の菊池直恵本人。鉄道をただの移動手段にしか思っていない、ごく普通の女性漫画家。初めての旅の目的が久留里線全駅乗下車であるという真実を知り、一旦は執筆を拒否しようとする。 しかし、昼食を全て駅弁にすることを条件に執筆継続を了承するが、担当編集者であるイシカワには「安上がりな女」と呼ばれてしまう。当初は鉄道にまったく興味を示さず、一緒に旅をするトラベルライターで「鉄」の横見浩彦の独特な価値観と異様なハイテンションに対応できずにいたが、徐々に鉄道の旅の楽しさに感化されていき、鉄道や電車に対する知識もジワジワと自然に刷り込まれていく。
カミムラ
モデルは『鉄子の旅』の2代目担当編集者である神村正樹本人。鉄道にはほとんど興味はなかったが、編集長から直々に指名され、『鉄子の旅』が初めての担当作品ということもあり、張り切って担当を引き継ぐ。 しかし、実際のところは担当する人間が誰もいなかったため、押し付けられたようである。ボーっとしたところもあるが、仕事は熱心にこなす。ゲームと子供が好き。
編集長 (へんしゅうちょう)
モデルは『鉄子の旅』の掲載誌である「月刊IKKI」の編集長本人で、本名は明かされていない。やはり鉄道好きで、『鉄子の旅』の企画にGOサインを出した張本人。自身はずっと鉄道漫画をやりたいという願望があったらしい。 たまに鉄道の旅に参加し、旅を堪能して帰っていく。
イシカワ
モデルは『鉄子の旅』の初代担当編集者である石川昌彦本人。興味のないキクチを油断させて鉄道の旅に引きずり込んだ張本人でもある。横見浩彦ほどではないが、自身もかなりの鉄道好きで、積極的に鉄道の旅に参加している。 本来は地方の競馬、競輪、競艇など、「競」が付くものの観戦で鉄道を利用しているうちに鉄道が好きになった。ちなみに独身らしい。
横見 浩彦 (よこみ ひろひこ)
モデルはトラベルライターの横見浩彦本人。全国のJRと私鉄の全9843駅を乗下車したという偉業を達成した筋金入りの「鉄」で独身。自らを「鉄ヲタ」と呼称する。鉄道の旅を堪能できるせいか、登場時は常にハイテンション。 言動や行動も鉄道知識を交えたウンチク満載で、ほぼ一般人であるキクチには理解不能であり、毎回驚かせている。キクチの皮肉めいたツッコミにも動じないタフな精神力と旺盛な食欲を持つが、極度のケチで駅弁などの食事は考慮していない。 独身のせいか、女性には非常に興味を持っているらしい。『鉄子の旅』の旅行の全てを企画、立案、同行している。
きなこ
横見浩彦の友達の友達で「妹分」である、初代レールクイーン。かなりの知識を持つ「鉄子」であり、何度か鉄道の旅に同行する。モデルは保育士をしている一般人で、本名と素顔は非公開。
その他キーワード
レールクイーン
『鉄子の旅』に登場する用語の1種。トラベルライターで鉄道好きの横見浩彦が制定した用語。簡単に言えば、鉄道界のアイドルを指す言葉である。
鉄子 (てつこ)
『鉄子の旅』に登場する用語の1種。女性の鉄道ファンを総称した呼称。近年、鉄道の人気の高まりとともに、女性の鉄道ファンも急増している。それに合わせて自然に発生、一般化しつつある。実際に、「鉄子」は2007年の新語・流行語大賞の候補にノミネートされている。
鉄 (てつ)
『鉄子の旅』に登場する用語の1種。鉄道や鉄道に関する事柄に興味を持ち、それらを趣味として持っている人たちの総称である。なお、車両研究が中心の「車両鉄」、鉄道写真が中心の「撮り鉄」、鉄道に関わる音が中心の「録り鉄」、乗車や旅行が中心の「乗り鉄」など、一口に「鉄」といっても趣味の対象となる分野は細分化されており、それぞれ呼称も異なっている。
クレジット
原作
鉄子の旅 (てつこのたび)
鉄オタトラベルライターの横見浩彦の計画に従って、毎回毎回過酷で濃い鉄道の旅を味わうことになる女性漫画家キクチを主人公とした旅レポート漫画。鉄道にはまったく興味がないキクチと、日本でも有数の鉄オタであり... 関連ページ:鉄子の旅