閉ざされたネルガル

閉ざされたネルガル

無実の罪で死刑囚となった魔法使いの青年、マクシミリアン・ネルガルが、快活な新人看守サニー・クライズラーや謎の仮面囚人ゼロといった仲間たちに囲まれながら送るドタバタな獄中生活を描いたファンタジー漫画。物語は基本的に1話完結のコメディで描かれるが、ネルガルが冤罪を被った事件の真相をめぐるシリアスな展開も並行して展開されている。

正式名称
閉ざされたネルガル
ふりがな
とざされたねるがる
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

22歳という若輩ながら、国王の側近を務めるほどの腕をもつエリート魔導士、マクシミリアン・ネルガルは、ある日魔法による都市壊滅の汚名を着せられ、無実ながら死刑を宣告されてしまう。そして、地下監獄、絶望の丘に死刑囚として幽閉されたネルガルは、無実を証明するために脱獄の準備を秘密裏に進めていた。呪文封じのため口を拘束され、筆談とボディランゲージでしかコミュニケーションがとれないものの、ネルガルは底抜けに明るい間抜けな新人看守、サニー・クライズラーや、マスクをつけた謎の囚人、ゼロといったさまざまな監獄内の人物たちと出会い、トラブルに巻きこまれながらも親交を深めていく。

そして、刻一刻と迫る処刑の期日に焦りながらも、徐々にほのぼのとした獄中生活を送るようになる。

同時に、都市壊滅の真実も少しずつ明らかとなっていき、ネルガルを取り巻く環境は大きく変化していくのだった。

登場人物・キャラクター

マクシミリアン・ネルガル (まくしみりあんねるがる)

黒髪のロングヘアが特徴の中性的な青年。かつては国王の側近を務めていた凄腕の魔導士だったが、サシュ公国の都市、ハイデムデリアを禁呪を使って壊滅させた罪を何者かに着せられ、無実でありながら絶望の丘へ収監されてしまった。監獄内では呪文を唱えられないように顔の大部分が呪符で拘束されており、常に筆談で会話をしている。 温厚かつ気弱で、花や可愛いものを愛する平和な性格だが、ドジっ子気質でトラブルを引き起こすことが多い。そのため、罪状の重さから畏怖していた囚人の注目をさらに集めてしまい、囚人たちのボスとして祭り上げられている。一方、身体能力は見た目に反して高く、スタンバーグと対決したときは、地面に咲いていた花をかばおうとしてあっさり組み伏せてしまったこともある。

サニー・クライズラー (さにーくらいずらー)

絶望の丘の新人看守を務める金髪の青年で、年齢は17歳。底抜けに明るい性格で行動力に溢れているが、天然ボケが災いしてトラブルメーカーとなっている。担当となったマクシミリアン・ネルガルに対しても友人のように接しているが、字が読めないため、彼の陳情を理解できなかったり、意思に反する行動に走ったりすることも多い。 また、異常な怪力の持ち主で、ネルガルのピンチを救うことが多い。一方、顔立ちはかなりの童顔で、女装をすると姉のルーシー・クライズラーと見分けがつかなくなるほど可愛くなる。なお、看守でありながら、ゼロが発足させた自称悪の秘密結社“ネルガル団”のナンバー3になりゆきで就任している。

キイス・アールズ (きいすあーるず)

絶望の丘の新人看守で、赤毛のショートヘアが特徴の女性。無愛想で生真面目な性格で、サニー・クライズラーといる時はツッコミ役に回ることが多い。実はディルラントの命令によりマクシミリアン・ネルガルを監視しているスパイであり、正体を隠すために男性として振舞っている。また、ネルガルに個人的な恨みがあり、隙さえあれば体中に隠し持った暗器を駆使して暗殺しようと奮闘するが、いつも自分のドジによって失敗に終わってしまう。

ゼロ

絶望の丘に収監されている囚人の1人で、緑髪のセミロングと顔全体を覆うマスクが特徴の男性。看守たちからは“囚人27号”と呼ばれている。瞬間移動や爆破といった多彩な魔法に精通しており、終身刑の身ながらなぜか豪勢な環境の独房で生活している謎の多い人物。無邪気でいたずら好きな性格で、マクシミリアン・ネルガルを事あるごとにからかって楽しんでいる。 また、監獄内で広まったネルガルの悪い噂を逆手に取り、“ネルガル団”という世界征服をめざす悪の秘密結社を勝手に立ち上げ、自らナンバー2に就任した。

ジェイミー・カフマン (じぇいみーかふまん)

絶望の丘に収監されている囚人の1人で、緑色の髪と猫目が特徴的な16歳の青年。小柄な体格で看守たちからは子供のように可愛がられているが、本人は快く思っていない。監獄内では非合法な品々を密輸して囚人に売る調達屋を営んでおり、マクシミリアン・ネルガルとは彼が脱走用のナイフ調達を願い出たときに知り合っている。 また、監獄内で誇大化したネルガルの噂を鵜呑みにしており、彼のことを悪党として尊敬している。のちにゼロが立ち上げた自称悪の秘密結社“ネルガル団”への入団を果たすが、団員ナンバーを巡ってサニーと衝突している。

ディルラント

黒いマントを羽織って顔を隠している謎の男で、キイス・アールズの上司にあたる人物。ある目的からマクシミリアン・ネルガルを監視させるためにキイスを看守に仕立てあげ、絶望の丘に潜入させている。部下たちからは「一番弱いボス」と称されるほどあまり信頼されておらず、マントのセンスが悪いこともあって女性の縁がない。

ケイティ・アトウッド (けいてぃあとうっど)

スミス新聞社に勤める記者で、黒髪のセミロングに眼鏡をかけた女性。マクシミリアン・ネルガルが獄中で出した無罪主張の手紙を受け取った人物の1人で、彼を独占取材するために友人を偽って絶望の丘に潜入した。取材の末に完成した記事はゴシップ満載のものだったが、その後は彼が無実である証拠を掴むために奔走している。 なお、スクープを取材することで人気を集め、トップアイドルになるという密かな目標がある。

イアン・グレアムズ (いあんぐれあむず)

絶望の丘に収監されている囚人の1人で、茶髪に泣きぼくろが特徴のクールな青年。マクシミリアン・ネルガルの脱獄計画を聞きつけ、密告を盾に“ネルガル団”へ入団した。なお、このときイアンは、ゼロが発足させた自称悪の秘密結社であるネルガル団を脱獄のために結成された部隊と勘違いしている。 毒物の扱いに長けており、連続殺人の罪で収監されていたが、警戒を避けるために“グレアム・ルーティン”という本名を隠して接していた。

トマス

絶望の丘に収監されている囚人の1人で、頬に傷のある紫髪の少年。マクシミリアン・ネルガルが壊滅させたとされているサシュ公国の都市、ハイデムデリアで暮らしていたストリートチルドレン。スリをして生き延びていたが、ネルガルを狙ったスリが失敗し、彼に発見されたことをきっかけに意気投合する。 しかし、との道中で都市の壊滅に遭遇し、現場である事実を目撃してしまう。その後は証拠隠滅のためにディルトラントから命を狙われていたが、ネルガルに真実を伝えるために、絶望の丘へ自ら出頭した。

ウォルター

絶望の丘の新人看守で、黒髪の大柄な男性。サニー・クライズラーとは幼馴染だが、真面目な性格からいつも彼の行動に振り回されている。魔法学校を卒業していることから魔法の心得があり、マクシミリアン・ネルガルが収監されている特別結界房も解除することができる。なお、サニーの姉であるルーシー・クライズラーからは、サニーに嫌がらせをするストーカーだと勘違いされており、目の敵にされている。 そのため、サニーが女装して監獄へ潜入した際には、ルーシーと見間違えて畏怖していた。

巨人 (きょじん)

絶望の丘に収監されている囚人の1人で、緑色の肌と厳つい顔が特徴の巨人。大人の男性が手のひらに収まってしまうほどの巨体だが性格は温厚で、注射を怖がる子供っぽい一面もある。専用の巨大な懲罰房に1人で収監されていたが、マクシミリアン・ネルガルが移送され、相部屋となる。また、その折にネルガルが自身の風邪を治してくれたことをきっかけに、信頼関係を築いている。

スタンバーグ

絶望の丘に収監されている囚人の1人で、青髪のオールバックと傷を隠した眼帯が特徴の男性。元は従騎士だったが凶暴な性格で、逆らった者は必ず病院送りにされると噂されており、囚人たちのリーダーとして君臨していた。監獄内で注目を集めていたマクシミリアン・ネルガルに因縁をつけ、勝負を申し込むが、運動場に咲いていた花を守ろうとしたネルガルにあっさり組み伏せられ、リーダーの座を明け渡してしまう。 なお、ネルガルにはよく「ハンバーグ」と名前を間違えられている。

ミゲル・フェルナンド (みげるふぇるなんど)

絶望の丘の看守で、後ろで束ねた長い金髪とあごひげが特徴の男性。気に入らない囚人に難癖をつけ、懲罰房で袋叩きにすることから「囚人虐めのミゲル」という異名をもっている。監獄内で結託して金儲けをしていたスタンバーグに依頼され、マクシミリアン・ネルガルを陥れようと画策したが、ネルガルのドジがきっかけで計画が露呈し、罪を問われて囚人となってしまった。

場所

絶望の丘 (でぃすぺあひるず)

ガゼル王国の城内にある別館に設けられた監獄で、死刑囚を含む囚人が大量に収監されている。房には通常の鉄柵が使われているが、魔導士には特殊な術式を使わないと破れない特別結界房が用意され、マクシミリアン・ネルガルもここに閉じ込められている。なお、房以外にも広大な運動場や医療室など幅広い施設があり、懲罰房のなかには巨人用の巨大な部屋も存在する。

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