天才ファミリー・カンパニー

天才ファミリー・カンパニー

天才的な頭脳を持つ男子高校生が、周りに現れる個性的な人々に振り回され、事件に巻き込まれていく様子を、コメディタッチで描いた作品。1995年頃の東京が舞台で、当時の経済状況や社会情勢にも触れている。

正式名称
天才ファミリー・カンパニー
ふりがな
てんさいふぁみりーかんぱにー
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

IQ170を誇る天才男子高校生・夏木勝幸は、大手製菓会社で企画開発部の部長を務める母・夏木良子のブレーンとして、ともに新製品の企画やマーケティング資料の作成などを行っている。将来はビジネスの世界で自分の力を試そうと考えていた夏木勝幸だったが、母の再婚により家に転がり込んできた義父・田中荘介、義弟・田中春によって生活が一変してしまう。

登場人物・キャラクター

夏木 勝幸 (なつき かつゆき)

IQ170を誇る天才男子高校生で、製菓会社で企画職に就いている母・夏木良子のブレーンを17歳にして務めている。証券マンであった亡き父を尊敬しており、高校卒業後はハーバード大学に入学し、MBAを取得して若手ビジネスマンとして成功することを目標としている。周囲の人物のことを見下しており、冷たく利己的な性格で、母の再婚によって家族となった田中荘介・田中春のことを蛇蝎のごとく嫌っていたが、彼らによってもたらされる経験によって少しずつ変化していく。

永沢 京子 (ながさわ きょうこ)

17歳の高校2年生で、夏木勝幸のクラスメイト。成績優秀で、当初は親の希望に従って東京大学を目指していたが、幼い頃から好きな絵の道に進むことを志し、両親と対立する。中学時代までは周りになじめず孤立していた。人に嫌われることをものともしない勝幸に憧れを抱き、やがて恋をするに至るが、顔を合わせるとケンカばかりしてしまう。 意地っ張りなところがあるが、一本気で自立心の強い性格。

夏木 良子 (なつき よしこ)

夏木勝幸の母。森崎製菓の企画開発部で部長を務めていたキャリアウーマン。大学時代の同級生であった夫を事故で亡くしており、41歳で田中荘介と再婚。酒好きで、家事は不得意。パチンコが趣味で、森崎製菓退職後はパチンコで生計を立てようとした。

田中 荘介 (たなか そうすけ)

田中春の父で、夏木良子との再婚により夏木勝幸の義父となる。小説家だが普段仕事をしている様子はなく、家で主夫のようなことをしている。田中春とともに世界各国を旅してきた過去を持ち、そのため世界中に友人がいて、英語などの語学にも堪能。能天気な性格で料理上手。

田中 春 (たなか はる)

父・田中荘介と夏木良子の再婚により夏木勝幸の義弟となる。17歳の高校2年生で、勝幸と同じ学校・同じクラスに編入する。父に似て優しく能天気な性格で、そのソフトな人当りから女性にモテる。一方で野草に詳しい、腕っぷしが強いなど、過酷な旅の経験もあってサバイバル能力が高い。 父同様に外国語が話せるが、漢字の読み書きは苦手。

水野 唯香 (みずの ゆいか)

17歳にしてコンピューターの知識に非常に長けており、プログラマー、またハッカーとして天才的な才能を発揮する女性。夏木勝幸の家に近所に住んでおり、のちに勝幸と同じ高校・同じクラスに編入する。幼い頃に実の両親と死別している。文字を映像として記憶する癖があり、数字には非常に強い反面、複雑な漢字を読むのが苦手。

アメリア・ワイズマン

アメリカ人。12歳の天才少女で、飛び級により11歳でハーバード大学を卒業したのち、ワゴンでの移動店舗だったボン・バン・ドッグの経営を父親より引き継ぎ、全米ナンバーワンのファストフードチェーンに成長させた。日本語を含む5ヶ国語を流暢に話すことができる。ずる賢く、計算高い性格。 田中春のことが好き。

矢野 哲郎 (やの てつろう)

夏木良子の大学時代の同級生で、森崎製菓の海外事業部長を務める。本来は地方出身の素朴な青年であったが、大学入学後は派手好きでキザなナルシストになっていった。学生時代から良子に想いを寄せており、夫を亡くした良子の家を頻繁に訪れ、幼い夏木勝幸に経済やビジネスの基本を教えた。

永沢 秋生 (ながさわ あきお)

永沢父の弟で永沢京子の叔父。永沢京子からは「秋おじさん」と呼ばれ、慕われている。銀座で画廊・ギャラリー・ナガサワを営む。芸術家気質で、永沢父からは疎ましがられている。

永沢父 (ながさわちち)

永沢京子の父で永沢秋生の兄。成宝堂書店の社長を務めるとともに、同社が入居するビル、父親から受け継いだ画廊・ギャラリー・ナガサワのオーナーを務める。父に似ず現実主義者で、永沢秋生・永沢京子とは対立する。

林 紹文 (りん しょうぶん)

80歳の中国人。田中荘介・田中春の友人の一人。飄々とした遊び好きの老人を装っていたが、実は東南アジア最大の財閥の総帥であり、中国政府を始め各国の首脳に顔がきく大人物。水野唯香の祖父であり、彼女を探すために夏木勝幸らを利用する。

北城 明 (きたしろ あきら)

セキュリティ会社を経営していた際に、ハッキングを繰り返していた水野唯香に目をつけ、彼女が開発したセキュリティソフトを悪用しようとした。コンサルタントとして森崎製菓に関わっていたことがある。

王 乙鈴 (わん いーりん)

香港出身の女性。容姿が夏木良子に非常に似ており、矢野哲郎と結婚して来日したが、その後離婚。兄が台湾マフィアの幹部を務める。

有吉 太郎 (ありよし たろう)

夏木勝幸のクラスメイト。「夏木マニア」を自称し、どんなに冷たくされても勝幸に構われるための行動をやめない。盆栽好きで、幼い頃から演歌歌手の大ファンであるなど、趣味が年寄りくさい。性格は田中春と似ており、能天気で物事を深く考えない。ギャグ要員として活躍。

ヘンリー・ワイズマン

アミィの父親。妻と離婚し、アミィがボンバンドッグを大会社へと成長させたために暇になり、持て余した暇とお金で女友達をたくさん作り、遊び暮らしているためアミィに呆れられている。夏木勝幸の自宅が火事になった時、田中春と共にアミィを助け出した家族思いの父親。 後にボンバンドッグの移動販売を始める。

林 梅香 (りん しゃんめい)

事故死した水野唯香の母親であり、林ジイの末娘。父である林ジイに結婚を反対されたため、林家を出ている。水野唯香がいつも身に着けているラベンダー色のピアスは林ジイからのプレゼント。

集団・組織

森崎製菓 (もりさきせいか)

『天才ファミリー・カンパニー』に登場する企業。東証一部上場の大手菓子メーカー。夏木良子、矢野哲郎が勤める。製菓事業のほかに製薬事業も手掛けており、総合医薬品メーカーとしても力を持っている。

ボン・バン・ドッグ

『天才ファミリー・カンパニー』に登場する企業。アミィが経営する、本社をアメリカに置くホットドッグチェーン。ファストフードチェーンとして全米ナンバーワンの売上を誇り、ヨーロッパにも進出している。ホットドッグの味の質の高さ、メニューの豊富さが売り。

成宝堂書店 (せいほうどうしょてん)

『天才ファミリー・カンパニー』に登場する企業。永沢父が社長を務める書店で、青山にあるビルの3フロアを占有する。洋書コーナーを充実させており、高校の夏休み期間に英語が話せるアルバイトの募集に応募した夏木勝幸を20代と勘違いして採用した。

場所

ギャラリー・ナガサワ

『天才ファミリー・カンパニー』に登場する画廊。銀座の一等地にあり、永沢父・永沢秋生の父がかつて経営していた。永沢秋生が後を継ぎ、周囲になじめない永沢京子の憩いの場となる。実は成宝堂書店が入居するビルを建てる際に、永沢父により借金の担保にされていた。

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