概要・あらすじ
青年・伊吹慶太は、ある日、街で一人の少女・クロと出会い、クロと追っ手との戦いに巻き込まれ、瀕死の重傷を負ってしまう。慶太の命を助けるために、クロは慶太と契約を結び、慶太は一命を取りとめることとなる。実はクロは元御霊という存在で、一族を裏切った兄を倒すために放浪の旅を続けていたのであった。
こうして慶太は契約者として、クロとともに闘うこととなるが、彼らを待ち受けていたのは、想像を超える激しい闘いの連続であった。
登場人物・キャラクター
クロ
上位元御霊。獅子神一族の巫女の娘。一族を裏切り、母を含め数多くの同胞を殺した兄・獅子神黎真を追って人間界にやってきた。人間界のことをほとんど知らなかったので、その日の食べるものにも困る有様となり、半ばホームレス同然の生活をしていた。偶然出会った伊吹慶太が闘いに巻き込まれて瀕死の重傷を負ったため、左腕を交換して契約を果たす。 その後は、慶太の家に押しかけ、居候として生活する傍ら、兄の探索を続けている。ファイトスタイルは、ホームレス時代に元ボクサーに習ったボクシングで、軽いフットワークと見かけ以上に重いパンチ。元御霊としての必殺技・イクシードは、拳に最大限の力を込めて放つ「滅牙得救世(メガエグゼ)」、さらにパワーアップした「犠我得救世(ギガエグゼ)」、「天雷得救世(テラエグゼ)」。 元御霊としての年齢は不明だが、本人いわく、人間の年齢に換算すると慶太より年下らしい。
伊吹 慶太 (いぶき けいた)
ゲームクリエイター。母親を事故で亡くしている。高校卒業後、幼馴染みの佐野茜を頼って上京。以後、金銭面、食事面など茜の世話になっており、ヒモ同然の状態で生活していた。街の屋台でクロと偶然出会い、その直後の戦闘に巻き込まれ、左腕を失う。緊急措置としてクロと契約し、以後はクロの契約者としてともに闘う。 巨乳派で、Cカップ以下は女として認めないというポリシーを持つ。闘いを通じてクロとの絆を深めていく。サウザンド(装身具)は、光の玉を放つ指輪「超新星儀(ノヴァスフィア)」。
佐野 茜 (さの あかね)
慶太の年上の幼馴染み。銀行勤めのOL。母親を事故で失った慶太の面倒を見てきた。慶太の姉のような存在だが、実は慶太のことが大好きで、妄想にふけることもしばしば。巨乳。面倒見のいい性格で、身よりのないクロに対しても優しく接するが、クロと慶太の関係にはやきもきしている。 魁音寺雪のドッペルライナーであるため、命を狙われている。
獅子神 黎真 (ししがみ れいしん)
上位元御霊。クロの兄。誰からも頼られる人物だったが、ある日突然、母をはじめとした獅子神一族を皆殺しにして人間界へと出奔する。人間界を浄化する「新聖地開闢計画(ギ・ティス・エバンゲリアス)」を計画しており、そのために魁音寺グループの力を借りて暗躍している。元御霊最強と呼ばれる存在で、契約者とシンクロしていない状態でも、エクセルやシュタイナーを圧倒している。
魁音寺 雪 (かいおんじ ゆき)
日本有数の複合企業・魁音寺グループの総帥。茜のドッペルライナー。黎真の計画を資金面でバックアップしており、見返りとして自分が生き残る方法を見つけさせようとしている。その一方で、黎真の裏切りに備え、元御霊に対抗する策を隠し持っている。
北条 水華魅 (ほうじょう みかみ)
上位元御霊。トラブル解決を請け負う裏稼業をしており、魁音寺雪の依頼で茜を拉致しようとして、クロたちと闘うこととなる。ファイトスタイルは近接格闘で、関節技を得意とする。必殺技・イクシードは身体を爆発的に強化させる「煉攻武神」。クロとの闘いで契約者の北条慎吾を失い敗北。 その後はしばらく身を隠していたが、黎真との闘いに敗れ傷ついたエクセルを助け、面倒を見ている。
エクセル
上位元御霊であるシュタイナーの契約者。外見は少女のようだが、シュタイナーとの契約により成長と老化が極端に遅くなったためで、実年齢は100歳を超えている。複数のサウザンド(装身具)を所持しており、その中の一つで周囲にバリアを張る「方陣障壁(ヘキサ・ウォール)」で戦闘を支援する。 魁音寺グループに乗り込むも、黎真に敗れ片足を失う。瀕死の重傷だったが、北条水華魅が独断で契約を行ったため一命を取りとめる。
カクマ
上位元御霊。緋馬一族の出身で沖縄に住む。10年前に獅子神一族の比瑢に他の一族を殺されており、双子の妹マカナとともに島の霊石を守っている。比瑢の部下・利士郎に掠われたマカナを助けるため、慶太の祖父・永嶺隆人と契約した。必殺技・イクシードは超高速で相手に突進する「麟光瞬麒」。
比瑢 (ひよう)
上位元御霊。獅子神一族の出身。かつて実験と称して同族や人間を何人も殺してきた。処刑されたと思われていたが、ひそかに黎真の下で働く。沖縄にある霊石を破壊し、沖縄を負の力で覆い尽くそうとしたが、クロやカクマたちによって阻止された。必殺技・イクシードは液体を固定して操作する「魔流闘雫」。
阿邏宜 (あらぎ)
上位元御霊。黎真の実働部隊隊長の一人。根っからの戦闘狂で、任務遂行よりも強い相手と闘えることに喜びを感じる。魔獣の血が入った一族の中でも珍しい特異体質の持ち主で、左手が獣のように変形するイクシード「獣魔装」を使う。クロと闘い、しばらくクロが戦闘恐怖症に陥るほどの手痛い敗北を与えた。
ナム
韓国の霊山・智異山を守護する山神霊。テレビ出演のために日本に来たが、荷物を盗まれ途方に暮れていた時に、クロたちと出会い、慶太の家の居候になる。上位元御霊さえも問題にしない強さの持ち主。必殺技・イクシードは多人数に分身して相手を翻弄する「百人分身」。阿邏宜に敗北し戦闘恐怖症となったクロを立ち直らせ、さらに強くするための試練を与えた。
舞凪 (まな)
上位元御霊。紫龍一族の出身。紫龍一族に伝わるあらゆる武術を融合させた帝龍流の後継者で、契約者なしでもクロや下位元御霊を圧倒するほどの実力を持つ。本来の後継者であった姉の優凪が、掟を破って人間の男と結婚して一族を離れたことから、人間に対して嫌悪感を持っている。そのため、契約者もいなかったが、黎真の手下・海焔との闘いの中で、姉の忘れ形見である勇司と契約する。 イクシードは7つの打撃技を連続して叩き込む「七閃龍舞」。
元御霊 (もとつみたま)
『黒神』に登場する存在。世界の均衡を保つことを使命とする存在で、人間をはるかに超えた身体能力と、長い寿命を持つ。様々な一族があり、それぞれに教義のようなものがある。結界を張った地で隠れ住んでいるが、外見は人間とまったく変わらないため、人間社会に溶け込んでいる者も多い。オリジナルの種である上位元御霊と、人間に元御霊の能力を分け与えることで生まれる下位元御霊(トライバルエンド)に分かれる。 上位元御霊は、人間と契約し、その契約者と同期(シンクロ)することで、さらなる力を引き出すことができる。また、「イクシード(超越技)」と呼ばれる固有の必殺技を持つ。
その他キーワード
ドッペルライナー
『黒神』に登場する用語。「三位一体」と書く。世界には自分と同じ容姿をした三人の人間がおり、それをドッペルライナーと呼ぶ。ドッペルライナー同士が出会うと、その2人は何らかの形でこの世からいなくなり、残る1人にあらゆる幸運がもたらされるとされる。また、消滅するはずだったドッペルライナーが、なんらかの原因で生き残った場合、「逸れし者(アルターエゴ)」と呼ばれる存在になる。
サウザンド
『黒神』に登場する装身具。戦闘用の装身具で、指輪やネックレスの形状をしている。契約者の力を引き出して攻撃や防御を行う。主に元御霊の戦闘をサポートする時に使う。古代に作られたものだが、現存数が極めて少ない。なお、「アーティファクト・サウザンド 」と呼ばれる、 黎真の部下・ 神無那によって人工的に作られたサウザンドも存在する。
クレジット
- 原作
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林 達永