概要・あらすじ
実力はありそうなのに、食い意地の張りすぎでいつも減量に失敗し、華々しくプロデビューを飾った後は4連敗と、負け越し続きの若きプロボクサー・畑中耕作。ボクシングジムの会長や先輩後輩、シスターアンジェラに支えられ、ときに見捨てられかけたり振られたりしながらも、徐々に戦歴を重ねていく。
最後はタイトル戦を勝ち取り、主人公への恋心を自覚して修道女をやめたシスターとも両思いになる。
登場人物・キャラクター
畑中 耕作 (はたなか こうさく)
高校を中退してボクシングの世界に入ったフェザー級ボクサー。17歳でプロテストに一発合格していきなり6回戦デビューしたものの、その後はツキとハードパンチャーとしての実力はありながら、持ち前の食い意地が災いして減量に失敗することが多く、万年6回戦のまま戦歴はパッとしない根性なし。 本人は育ち盛りを試合前のコンディション調整ができない言い訳にしている。買い食いの懺悔をするために教会に行くようになり知り合ったシスターアンジェラに好きだと告白するが、最初は振られる。シスターに振られた直後は減量がうまくいくという特徴がある。 桜学との対戦の頃に、血迷ってシスターに修道院をやめて一緒に弁当屋をやろうと持ちかけ、ボクシング引退の話が持ち上がる。めげない性格で、最終的にはボクシングのタイトルとシスターの心の両方を射止める。
シスターアンジェラ
近所の教会の裏にある修道院に住むシスター見習いで、普段は教会か聖マリア幼稚園を手伝っている。はじめは迷える子羊を正しく導くつもりで耕作の告解につき合い、おせっかいを焼くが、来栖との試合に勝ったらつきあってくれ、一緒に暮らそうと言われて意識し始める。 可菜登場時には、耕作に恋人ができたと思って動揺する。耕作がなんの見返りもなしに借金を肩代わりしてくれた紅流星とのタイトル戦で、修院長の外出禁止命令を振り切って応援に行ったのをきっかけに、修道女をやめる。
向田ジムの会長 (むこうだかいちょう)
耕作の所属する向田ボクシングジムの会長。高校生の頃の耕作の度胸とパンチを見込んでスカウトする。向田ジム初のプロデビューを飾ったまではよかったが、いつまでも買い食いばかりして懲りないスチャラカ野郎の主人公の減量に苦労させられている。面倒見のいい人情肌のおやじ。
修院長さま (しゅういんちょうさま)
シスターアンジェラのいる修道院の院長。修道女は生涯独身である必要があるため、シスターから耕作を遠ざけようとする。シスターはお嬢さま育ちに違いないと思った耕作に、最初ばあや呼ばまわりされる。
石田さん (いしださん)
向田ジム所属で耕作の先輩格。会長と一緒によく主人公の面倒をみており、会長不在時には耕作の減量管理につき合い、松阪太郎との対戦時にはセコンドを務める。
赤城 圭二 (あかぎ けいじ)
学生チャンピオンからのプロデビュー戦で、ワンラウンドKO勝ちを飾るためのかませ犬として耕作との対戦が組まれる。主人公は減量にはぎりぎり成功したものの、試合中にうがい水を飲み干したところへ赤城のボディーが入ってダウンする。だがシスターに根性なしと励まされて立ち上がった耕作の苦しまぎれの一発がきれいに入って、負ける。
天草 二郎 (あまくさ じろう)
試合中にリング上で反吐を吐くというプロ失格の失態を犯してますますカードを組んでもらえない耕作に、対戦を申し込んできた蟹谷ジムフェザー級のホープ。ランニング中に道端でうっかり耕作のパンチが当たって目にクマができた恨みから主人公を指名してくる。 当日カツ丼を食べて試合に挑んだ耕作はリング上で吐きそうになるが、強力なパンチが入って天草を打ち負かす。
鬼丸 勝兵
鬼丸工務店に勤める佃ジム(つくだジム)所属の4回戦ウェイター級。これまで連戦連敗で、次で負けたらボクシング引退という5戦目で、耕作とカードを組む。6回戦からレベルを落としても気にせず、ウェイター級に合わせて好きなだけ食べられると喜んでいる節制を知らない主人公に腹を立て、息子の生まれる日に負けるわけにはいかないと気張るが、パンチの実力差で負ける。
松阪 太郎
フライ級のホープだったが、当時B級テスト生だった耕作のプロテストでぶっとばされ、入れ歯になったことから執念を燃やす。主人公と再び対戦するため、太れない体質にもかかわらず増量してジュニアフェザー級に切り替え、あえて6回戦レベルに留まり、4年後に耕作と対戦するが負ける。 普段はガラが悪いが、ファミリーレストランマツザカの店長でもあり、営業スマイルだと別人のような顔つきになる。
来栖 正良 (くるす まさよし)
高校インターハイで準優勝まで行って超高校級と騒がれ、耕作と同じく一発でB級ライセンスを取り6回戦デビューするが、極端に気が弱いのが難点。ディフェンスが異様に上手く、顔面を打たせないので有名。シスターアンジェラの教会に祈りに通っている。デビュー戦に耕作を指名し、結果的には主人公に勝ってボクシングを続けることになる。 普段は電気屋明光商会の店員。小心者なのに強面なせいでケンカを売られることが多かったため、商会のお嬢さんに勧められて高校からボクシングを始めた。
タコス八郎 (たこすはちろう)
壺井ジムがメキシコから招聘した耕作の初の8回戦の相手。故郷では村祭りのボクシングチャンピオンだった。クリスチャンで腹にマリア様のイレズミがある。ボクシングの次にタコス作りが得意というので壺井ジムの会長に店を任されたが、小学生が肝だめしにくるぐらいまずい。 手首の回転を生かして、耕作に負けた後はたこ焼き屋に転向して日本に残る。
夜叉丸 ヒロシ (やしゃまる ひろし)
神経性胃炎で耕作との試合が延びた対戦相手。同棲していた恋人の可菜が耕作のアパートに転がりごんたことから、間男と早とちりして胃炎が悪化する。ヤンキー趣味のトラック運転手で、トラックには可菜命と塗装している。可菜と耕作を殺して自分も死ぬなどと息巻く。 ヒロシは胃痛、耕作は可菜が持ち込んだゴタゴタがきっかけの捻挫を抱えての対戦となり、主人公に負ける。
可菜 (かな)
夜叉丸ヒロシの彼女。食べ過ぎで太ったのを夜叉丸に咎められて家出した際に、耕作と知り合う。家出前より太って夜叉丸が結婚パーティー用に贈った悪趣味なドレスのサイズが合わなくなったのが原因で夜叉丸とけんかになり、目のまわりに青タンをつくったのをきっかけに、耕作のアパートに転が込む。 そのために向田ジムの面々は耕作を殺すと息巻く夜叉丸をなだめたり、耕作の減量がいつも以上に難航するなど振り回される。年中食べているのでヒロシにブタ女呼ばまわりされるが、実は妊娠していたのが原因だった。
若王子シェフ (わかおうじしぇふ)
女性客に人気の看板のない住宅街の隠れ家レストランの若きオーナーシェフで、実家は大金持ちのお坊ちゃま。去年までイタリア留学していたが観光に明け暮れ、店で出す料理は実はすべて留学についていった部下の守下が作っている。シスターアンジェラの叔母が麻利絵のお見合い相手として引き合わせる。
桜学 (さくらまなぶ)
12戦8勝だがすべて判定勝ちでKO勝ちがなく、華がないことを気にしているボクサー。クリンチに持ち込んで打ち合いを避けながらポイントを稼ぐスタイル。普段は学習塾の講師をしている。耕作がカロリー亭でバイトをしながら調理師免許の勉強をしているときに知り合い、漢字の読み方などを教えてもらう。 耕作に負けたらボクシングをやめるつもりだったが、試合後にやはりKO勝ちするまではやめないと思い直す。
紅流星 (くれないりゅうせい)
東洋太平洋のフェザー級チャンピオンで、耕作の初タイトル戦の相手。典型的なアウトボクサー。10勝6敗という微妙な戦績で減量下手な主人公は、かませ犬としてタイトルマッチの挑戦者に指名される。副業はホストで、ホストクラブリングのナンバーワン。 シスターアンジェラが叔母の水絵に連れていかれたホストクラブで騙されてつくってしまった借金40万円を耕作が肩代わりして、勝ったらチャラにするが負けたら倍の80万を耕作が支払うという条件で、後楽園でタイトル防衛戦を行い、耕作に負ける。