概要・あらすじ
宇宙開発が進む時代、冬眠から目覚めた一角獣種の少女アデラド・リーは、自分がクローン体であり、本体のアデラド・リーがプロキシマの第5惑星ムンゼルで死亡したことを伝えられる。本体の仕事を引き継ぐことを選び、ムンゼルに向かったアデラド・リーは、本体の恋人であったレグ・ボーンと出会う。
登場人物・キャラクター
アデラド・リー
アデラド・リーの16歳時のクローン体。カナダ・オタワにあるクローン研究所に冷凍保存されていたが、3年後本体の死によって覚醒させられた。3年の間に本体のアデラド・リーはプロキシマ第5惑星ムンゼルの宇宙開発計画にスタッフとして参加しており、アデラド・リーもまたその仕事を引き継ぐことを選ぶ。 16歳までの記憶しかないため、ムンゼルのスタッフたちとは初対面。また再生体であるため、本体であるアデラド・リーが11歳の時に負った傷跡等がない。
アデラド・リー【本体】
アデラド・リーの本体。一角獣種の血を継ぐ女性。隔世遺伝で一角獣種の特徴が現れている。幼い頃に両親を亡くし、ロッキー山中の村の村長に引き取られて暮らしていた。草原の黒馬だけを友とする孤独な生活を送っていたが、その黒馬も11歳の時にクレバスに落ちて死んでしまう。一緒に落下した彼女は九死に一生を得るが、背中に傷跡が残ってしまった。 16歳でコンピューター技師としてプロキシマ第5惑星ムンゼルの宇宙開発計画にスタッフとして参加。非常用のクローンをカナダ・オタワにあるクローン研究所に残して旅立つ。ムンゼルで同じくスタッフであるレグ・ボーンと出会い、恋人として付き合うようになるが、3年目のある日、事故で惑星地下の流動氷に飲み込まれ死亡。 享年19歳。
レグ・ボーン
プロキシマ第5惑星ムンゼルの宇宙開発計画スタッフの青年。植物相や生物相のデータ収集を担当している。アデラド・リーの恋人で、よく彼女にデータ収集の仕事を手助けしてもらっていた。事故により、目の前でアデラドが流動氷に飲み込まれていくところを見てしまう。彼女の死後、クローン再生してやってきたアデラド・リーを受け入れがたく思う。
集団・組織
一角獣種 (いっかくじゅうしゅ)
『A-A'』に登場する種族。21世紀初頭、宇宙航行のため人工開発された遺伝変異人種。盛り上がった頭部とそこの赤いたてがみ状の髪が特徴。視聴覚範囲が人間と異なり、赤外線の波長までもが見えている。そのため、注意力がやや散漫になっており、よく物にぶつかったり、つまづいたりしてしまう「とろい」一面がある。基本的に無愛想で感情表現に乏しい。
場所
ムンゼル
プロキシマ第5惑星。凍った大地が広がる氷の星。太陽にあたるプロキシマが赤外線量の多い赤色矮星で、変光もするため、ムンゼルは全体的に暗く、淡く青くぼやけた風景に見える。重力は0.77。
関連
一角獣種シリーズ (いっかくじゅうしゅしりーず)
宇宙開発の進んだ近未来、特殊な遺伝子改造を受けた人種とそれを取り巻く人々の恋愛や人間関係を描いたSF作品。 関連ページ:一角獣種シリーズ