孤独からの脱却、仲間との復讐劇
真田蒼司は、嶽城組の組長・真田源治の息子という立場ゆえに友人をつくることができず、孤独な青春を送っていた。しかし、嶽城組が壊滅したあと、源治が謎の組織「リーガル・ラフ」から救出し、娘として育てていた蒲生あくりとの出会いが、蒼司の運命を変える。また、校内で蒼司の立場が悪化しないように気を配っていた竹林小春との関係を再確認し、さらに、殺された嶽城組の構成員である三好龍棲との出会いを経て、仲間を増やしながらリーガル・ラフに復讐する準備を整える。
「リーガル・ラフ」と敵対する「ブレイブベル」
リーガル・ラフはここ数年で急速にその名を知られるようになったが、その正体は依然として謎に包まれている。リーガル・ラフに関連する事件には多くの不明点があり、たとえば風俗マンション一棟で全員が殺害された事件では、目撃者が存在せず、銃痕すら発見されていない。源治は、リーガル・ラフが起こした事件の被害者たちを集め、「ブレイブベル」という組織を結成していた。そして蒼司は、ブレイブベルの力を借りてリーガル・ラフへの復讐を進めていく。
神力(イニシェーノ)とその特異性
「神力」とは超能力の一種であり、「火炎放射(ボーア)」や「予知夢視(グーグ)」など、さまざまな種類が確認されている。その中でも、あくりが持つ「強制執行(ソーサー)」は、他者に命令を強制する特別な力であり、リーガル・ラフやブレイブベルの組織において、強制執行能力を持つ人間は非常に重宝されている。特にあくりは、強制執行能力を持つ者の中でも最高位の力を誇り、「死ね」や「自己治癒力ですぐに体を治せ」といった、通常では不可能な命令を実行させることができる特異な存在である。
登場人物・キャラクター
真田 蒼司 (さなだ そうし)
道明高校に通う3年生の男子。黒縁眼鏡をかけている。嶽城組の6代目組長・真田源治の息子。「ほしねこのブレイブベル」という幼児向けアニメの主人公にあこがれ、弱者に寄り添う任侠の精神を何よりも大切にしている。ヤクザの息子ということもあり、高校のクラスメートたちからは腫れ物扱いされているが、源治の教えに従い、真っ当な人間として生きることを志している。しかし、父親を含む嶽城組の全構成員が謎の組織「リーガル・ラフ」に惨殺されたことをきっかけに、復讐を誓う。源治が「白銀セイフティ」に預けていた蒲生あくりを見つけたあと、彼女の能力を復讐に利用するか、ふつうの人間として成長させるかで悩む。しかし、あくりの意思を尊重し、共にリーガル・ラフへの復讐を果たす中で、あくりを妹として大切に扱うようになる。友人という存在にあこがれを抱いており、竹林小春や三好龍棲が真田蒼司自身の心の支えとなっていく。かつて構成員たちからは「若」と呼ばれていた。
蒲生 あくり (がもう あくり)
真田源治によって裏社会の貸金庫屋「白銀セイフティ」に、絶対保全の契約のもとで預けられていた少女。年齢は9歳。「神力(イニシェーノ)」と呼ばれる特異な力を持ち、視線と声が届く相手に命令を強制する「強制執行(ソーサー)」を行使することができる。謎の組織「リーガル・ラフ」に拉致され、同組織の施設で神力に関する人体実験を繰り返されていたが、源治によって救出され、その後は娘として育てられたと語る。そのため、真田蒼司の妹として振る舞い、リーガル・ラフへの復讐にも積極的に協力している。しかし、実験によるトラウマからか、喜怒哀楽を表現することに対して強い恐怖心を抱いている様子が見受けられる。かつてリーガル・ラフの施設内では「ナンバー93」と呼ばれていた。
クレジット
- 原作
-
メーブ
書誌情報
BRAVE BELL 6巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2023-09-14発行、978-4065328798)
第2巻
(2023-12-15発行、978-4065338933)
第3巻
(2024-03-15発行、978-4065348772)
第4巻
(2024-06-17発行、978-4065357811)
第5巻
(2024-08-16発行、978-4065365144)
第6巻
(2024-09-17発行、978-4065367667)







