あらすじ
第1巻
フローラは遠い親戚から屋敷をゆずり受け、そこで生活を始めるが、そこにはクリーピーキャットが住み着いていた。不思議で不気味な猫のクリーピーキャットに振り回されつつも、フローラはクリーピーキャットとの日々に愛着を感じていく。しかしある日、クリーピーキャットが遊んでいる最中にフローラの描きかけの絵を汚してしまう。怒ったフローラはクリーピーキャットを追い出すが、当のクリーピーキャットはどこ吹く風で、のんきに、気ままに過ごしていた。一方、フローラは家に帰ってこないクリーピーキャットが心配になって辺りを捜索し始める。あっちこっちを捜し回り、疲れ果てて帰ってきたフローラが目にしたのは、家でふてぶてしく過ごすクリーピーキャットの姿だった。徒労を感じつつもクリーピーキャットが帰ってきたことに安心したフローラは、クリーピーキャットと仲直りし、再びいっしょに暮らし始める。
連載経緯
作者のコットンバレントはベトナム人で、pixivで活動をしつつ、フリーランスでイラストの仕事をしていた。それらの活動が日本の星海社の目に留まり、2018年に編集者と打ち合わせのうえで、本作『CreepyCat 猫と私の奇妙な生活』を「ツイ4」で連載することが決定した。コットンバレントにとって海外の人たちとの仕事は初めてで、日本のことを全然知らないということもあり、当初は不安と苦労が多かったと語っている。
登場人物・キャラクター
フローラ
黒い髪を長く伸ばした女性。遠い親戚から屋敷をもらい受け、そこで新たな生活を始めた。それに伴って屋敷に住み着いていたクリーピーキャットと出会い、彼に振り回されながら奇妙な生活を送っている。かわいいもの好きで、時々ケンカをしたりもするがクリーピーキャットとの仲は良好。絵を描くのが趣味で、その腕前はかなりのもの。クリーピーキャットと自分のツーショットの絵を描いて飾っている。
クリーピーキャット
奇妙で不気味な猫。真っ白な毛並みと真っ赤な目を持ち、太った体型をしている。フローラが遠い親戚からもらい受けた屋敷に住み着いており、彼女と奇妙な共同生活を送ることとなる。猫っぽいが実際は猫ではない謎の生き物で、体が餅のように伸びたり、巨大化したり、挙句の果てには空を飛んだりと、不思議な現象を巻き起こしている。また時々、口の中から分身を生み出して増えたりもする。おちゃめな性格で、フローラによくいたずらをしては困らせている。食いしん坊ながら、きゅうりだけは見ただけで逃げ出すほど苦手。
オスカー
フローラに一目惚れし、彼女と交流を持つようになる警察官の男性。冴えない顔つきの青年で、若くして頭が禿げているが、ふだんは黒い髪のかつらをして隠している。クリーピーキャットの騒動に巻き込まれ、フローラの気を引くためにクリーピーキャットの情報を集めているが、あまり効果は出ていない。また、彼の勤める警察署にいるこころちゃんはクリーピーキャットと同種の猫だが、ふつうの猫と思っており、気づいていない。
こころちゃん
クリーピーキャットと同種の猫。三毛猫で、オスカーの勤める警察署で暮らしている。オスカー曰く、階級は巡査らしい。ひめちゃんがひったくり犯を打ち倒す現場にたまたま出くわし、ひめちゃんを警察官にスカウトする。特徴的な猫語を話すが、オスカーはなんとなくこころちゃんが話す内容を理解し、翻訳している。
ひめちゃん
クリーピーキャットと同種の猫。灰色の毛並みを持つ子猫で、ある日、突然フローラの目の前に現れる。クリーピーキャットと同じく、空を飛んだり、分身を生み出したりすることができる。かわいらしい子猫の姿をしているため、フローラにかわいがられている。一方、クリーピーキャットとは仲が悪く、よくケンカをしている。怒った際には前足が人間の手足のように変形し、相手を殴りつける。怒り具合によって腕の形は変わり、本気で怒ると筋肉が盛り上がったたくましい腕となる。フローラに懐いており、当初は彼女の屋敷で暮らしていたが、こころちゃんにスカウトされて警察署で働くこととなる。
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