Jドリーム完全燃焼編

Jドリーム完全燃焼編

塀内夏子の『Jドリーム』『Jドリーム飛翔編』の続編であり、シリーズ完結編。サッカー日本代表が悲願のW杯出場をかけて、世界に挑む熱き戦いを描く。「週刊少年マガジン」1998年第16号から1999年第44号まで掲載された作品。

正式名称
Jドリーム完全燃焼編
作者
ジャンル
サッカー
レーベル
少年マガジンコミックス(講談社)
巻数
全8巻
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概要・あらすじ

世界で結果を残した赤星鷹率いるユース代表メンバーに、パルマの北村大地、見事なサイドチェンジの技術を持つ吉川望、防衛大学生の屈強なFW伊達勲、4年前のドーハで涙を飲んだ嶋泰明富永朗など強力なメンバーが加わった。サッカー日本代表はこの最強メンバーで悲願のW杯初出場を目指すが、結成当初から既にチーム内はぎくしゃくし始めていた。

さらに、日本の入った予選Bグループは卑怯な手段を平気で用いるザハブ首長国、内戦を経ての初勝利を目指すジュベスタンなど強敵が揃う。新生日本代表のW杯への苦しい戦いが始まる。

登場人物・キャラクター

赤星 鷹 (アカボシ タカ)

サッカー日本代表の最年少キャプテン。ユース大会後にスペインのレアルマドリードに移籍したが、現在は浦和レッズに所属している。あらゆるプレイに秀でているが、小柄で体力的にやや劣る部分があり、そこをいつもトレーナーの小林宏に心配されている。北村大地とは4年前の日本代表でもチームメイトで、「兄ちゃん」と呼んで慕っている。 あくまでも教官の命令でプレイしている防衛大生の伊達勲とは対立し、厳しい要求ばかりを突きつけるが、それを難なくこなす彼の実力を認めている。

北村 大地 (キタムラ ダイチ)

イタリアのパルマ所属のFW。身長180センチで26歳。186センチの伊達勲との大型ツートップは「ツインタワー」と称される。身体が大きくパワーもテクニックもあるが、神経が繊細で試合前は常に不眠症になる。そのせいか夢見が悪く、W杯予選中はずっと前髪だけがある何かを追いかけては逃げられる夢を見続けている。「ドーハ組」と呼ばれる4年前の日本代表の1人。 赤星鷹とはその時からの付き合いで、親しみを込めて「兄ちゃん」と呼ばれている。実家は借金を抱える北村養豚場で、北村大地の稼ぎで借金を返済していた。両親と佳子、知子、次男、三郎の兄弟を持つ7人家族。

中居 真 (ナカイ マコト)

柏レイソル所属のFW。俊足だが自分のプレーに自信が持てず、闘争心も少し足りないことから活躍できずにいた。だが中居真を信じてスタメンで起用していた監督の久保田が解任されたのをきっかけに、がむしゃらにゴールを狙うようになる。赤星鷹に見出されユース代表チームで活躍するも、伊達勲の加入でスタメンから外れてしまう。

迫丸 瞬 (サクマル シュン)

ヴェルディ川崎所属のMF。ドリブルが得意なうえに優秀なパサーとして、日本代表になくてはならない中心メンバー。赤星鷹とはユース代表時代に信頼関係を築いた間柄。同じクラブの柳木一成とは特に仲がいい。柳木が赤星との連係プレイで相手を翻弄した時は喜びと驚き以上に、一緒にプレイしていた柳木がずっと先を行っていってしまったような寂しさを覚えた。

立浪 誠 (タツナミ マコト)

187センチで92キロの大型DF。冷静な読みと高度な戦術を備えた新時代の屈強なCB。ディフェンスラインの統率を任されており、監督やチームメイトからの信頼は厚い。ラフプレイを嫌い、クリーンなプレイを理想としているが、激しいプレイには強気で立ち向かう気概を持つ。良く気のつく誠実な性格で、スタメンを外れた浜本真のことも何かと気にかけ、言葉をかける。 前回のユース代表メンバー。

浜本 真 (ハマモト シン)

アルゼンチン出身のGK。前回のユース代表メンバー。同じくGKの富永朗とポジションを争うが、若さを重視する起用方針から、守護神として予選のスタメンを勝ち取る。サウジアラビア戦で手を負傷するが、富永とスタメンを争う立場からそのことを言い出せなかった。ユース代表時代からのメンバーの中居真、立浪誠とは特に仲がいい。 兄のミゲルを事故で亡くしているが、今でも彼を心の支えとし写真に話しかけたりしている。

吉川 望 (ヨシカワ ノゾム)

JFL関西電工所属の22歳で、利き足が左の左サイドバック。日本代表チームのコーチでスカウト担当の池田雅志の目に留まり、初召集された。岡崎広、原田真之と同じU23組。ソフトなボールタッチと正確なサイドチェンジが持ち味だが、スタンドの歓声が怖く常に耳栓をして試合に臨んでいる。

伊達 勲 (ダテ イサオ)

防衛大学4年生のFW。身長186センチで、ユニバシアード大会の得点王。ユニバシアード大会での活躍が認められ日本代表に初召集された。教官の命令でサッカーをしているだけで、試合に熱くなることもなく非常にクールにプレイする。そのため赤星鷹と対立することもあるが、FWとしての実力は申し分ない。180センチの北村大地との大型ツートップは「ツインタワー」と称される。

柳木 一成 (ヤナギ)

ヴェルディ川崎所属のMFで、ボランチを務める。同じヴェルディ川崎の迫丸瞬と仲が良く、迫丸には「真面目で洗濯物に全部アイロンをかけるような奴」と評されている。前回のユース代表メンバー。冷静な読みと無駄のない走りでチームを陰から支える。外国の乗り物が好きで、海外遠征ではよくバスに乗っている。プレッシャーに弱い吉川望を気にかけている。

嶋 泰明 (シマ ヤスアキ)

清水エスパルス所属の31歳で、左サイドバックを務める。妻子あり。4年前の日本代表「ドーハ組」の一人。過去にじん帯を2本切り、ボールを蹴ることができるようになるまで1年、さらにそこから試合に戻れるまで1年かかった。池田雅志が吉川望より嶋泰明の方がコンディションが悪いという印象を与えるために、松木やコーチ陣の前で小林宏にこの怪我のことを語らせた。 それにより嶋はポジションを奪われることになった。冷静沈着な性格で、4年前から日本代表で共に戦ってきた赤星鷹、北村大地、富永朗の精神的支柱でもある。窮地に追い込まれ、サポーターから多くのヤジを浴びせられても、「この声を聞けるのもピッチに立っていればこそだ」と笑えるようなタフな精神力の持ち主。

富永 朗 (トミナガ アキラ)

ジェフ市原所属のGKで31歳。4年前の日本代表「ドーハ組」の1人。ピンチになればなるほど力を発揮するタイプ。世代を代表する選手で、前に出ることを恐れない新しいタイプのGKとして地位を確立してきた。8年間日本代表の正GKを務めてきたベテランだが、ユース代表で活躍した若い浜本真と熾烈なポジション争いをすることになる。 家族は兄と義姉、甥。3年前に母を亡くしている。腰に古傷があるが、現在は問題ない。

岡崎 広、原田 真之 (オカザキ ヒロシ、ハラダ マサユキ)

吉川望と共にU23組から日本代表に初召集された。岡崎広はジュビロ磐田所属のMFで23歳。原田真之はセレッソ大阪所属のMFで22歳。どちらも地味で目立たないプレースタイルではあるが、W杯アジア一次予選はユース代表の選手を主体に戦ったこともあり、ほぼスタメンで起用された。

緒方 哲 (オガタ テツ)

アビスパ福岡所属のDFで19歳。中学時代に九州選抜チームでの活躍がスカウトの目に留まり、16歳でJリーグ入りした。屈強な身体と闘争心を持ち、「あばれ哲」と呼ばれる。立浪誠が離脱したことにより、急きょアウェイのザハブ戦からDFのバックアップメンバーとして代表に合流する。ザハブのホテルでは一晩中鳴る電話に他の選手たちは悩まれたが、緒方哲は一度寝たら朝まで起きない図太さで気がつかなかった。

岸川 悟史 (キシカワ サトシ)

ヴェルディ川崎所属のDF。前回のユース代表メンバー。軽い性格で、人の噂を流したり告げ口するのが得意。浜本真が手の怪我を隠してオーストラリア戦に出場していたこともいち早く聞きつけ、失点は怪我のせいだったのではないかと皆の前で糾弾した。途中参加の緒方哲に対しても、Jリーグ最下位のアビスパ福岡からの選出であることを理由に見下していた。

松木 (マツキ)

日本代表監督。4年前の日本代表、ユース代表チームと監督を務めてきた。やや気弱で決断力に欠ける性格。思いきって若手を起用するより、慣れたベテランを使いたがる傾向にあるが、一度若手に切り替えると、今度はベテランに戻すのを渋るなど優柔不断でもある。コーチの池田雅志の意見を良く取り入れる。

小林 宏 (コバヤシ ヒロシ)

日本代表のチームトレーナーで、4年前の日本代表でもトレーナーを担当していた。嶋泰明の治療には5年前から関わり、吉川望を推すチームコーチの池田雅史から嶋の治療歴を問われた時に、ボールを蹴ることができるようになるまで1年、さらにそこから試合に戻れるまで1年かかったと正直に答えたことで、嶋より若い吉川を起用するという流れを作る原因となった。 赤星鷹のことを日本代表をW杯に道案内する「トリ」であり、役目を終えたら消えるのではないかと心配している。

池田 雅志 (イケダ マサシ)

日本代表チームコーチで42歳のスカウト担当。代表監督である松木の命で、若い選手のプレーを見るために日本中を回り、吉川望、岡崎広、原田真之を日本代表に招集した人物。特に吉川を高く評価しており、同じポジションの嶋泰明より吉川を強く推している。そのため、小林宏が嶋を不利にする発言をするようわざと誘導したりもした。 弱気な松木の代わりに、吉川だけでなく緒方哲の起用や、嶋の思い切ったポジショニングなども進言する。

田中 (タナカ)

日本代表のチームトレーナー。対戦相手研究用のビデオを編集したり、マスコミ対応をしたり、選手やチームの雑用全般を行っている。選手とコーチ陣の間を取り持つことが多く、嶋泰明が代表から外された原因が小林宏の発言にあることなども、包み隠さず選手に伝えた。時には悪質なサポーターなどから選手を守る盾になることもある。

竹中 裕子 (タケナカ ユウコ)

山野小学校の教師で、赤星鷹の小学生時代の担任。幼い頃に母と引き離されてしまった鷹が、母のように慕う女性。現在は結婚して四国に引っ越している。鷹はサッカーが上手いからとかではなく、1人の人間として自分に優しくしてくれたのは彼女だけだったと強い感謝の念を抱いている。

酒井、角田、金子 (サカイ、カドタ、カネコ)

竹中裕子の元教え子で、現在は中学生。4年前に赤星鷹が山野小学校を訪れた際に、一緒にサッカーをした。鷹も彼らを可愛がっており、竹中と共に面会に訪れた彼らと一緒にサッカーを楽しむ。W杯出場権を獲ってほしいと鷹を応援する。

久保田 (クボタ)

番外編「戦士よ牙を研げ」に登場する、柏レイソルの監督。前作『Jドリーム飛翔編』では柏レイソルのコーチだった。ユース代表で見せた中居真の俊足ぶりに目をつけ、柏レイソルにスカウトする。足が速いばかりでクラブでまったく実績を残せなかった中居を辛抱強く使い続けた。中居に気迫やゴールに対する執念を持つようにと指導するが彼は結果を残せず、久保田は監督を解任される。

町田 (マチダ)

青森県深崎町の教師。吉川望の中学時代の恩師。吉川のサッカーセンスの良さに昔から気づいていた。吉川の頑張りもよく知っていて、代表に選ばれ活躍している吉川を誇らしく思っている。町田自身はW杯なんて夢だと考えていたが、吉川はその頃からW杯を現実のものとして捉えており、町田を驚かせた。

前川 ノブオ、松沼 ヨシオ、佐田 アキラ (マエカワ ノブオ、マツヌマ ヨシオ、サダ アキラ)

緒方哲の中学時代の親友たち。4人でいつもつるんでいたが、哲のサッカーの才能に期待を寄せていた。皆でカラオケボックスで遊んでいる時に別の客とトラブルになって暴力事件になったが、3人は哲だけを逃がし、罪をかぶる。哲のことが大好きで熱烈に応援している。イラン戦には「TETSU命」とプリントされた揃いのシャツを着て応援にかけつけた。

イリエ・ペトレスク (イリエペトレスク)

ジュベスタン代表キャプテンの30歳。MFでゲームメーカー。イングランドプレミアリーグのチェルシーに所属している。内戦を経て独立したジュベスタンの国民的ヒーロー。内戦で国内のクラブチームがなくなり、プロになるために16歳でモスクワに渡った過去がある。たまたま練習中に訪れた赤星鷹、柳木一成、吉川望に、ジュベスタンや自分たちの歴史を語って聞かせた。

ラド・ペトレスク (ラドペトレスク)

ジュベスタン代表の21歳。190センチの大型FWとの触れ込みだが、実際は187センチ。ウクライナのダイナモ・キエフ所属。イリエ・ペトレスクの9歳下の弟で、兄のイリエをとても慕っている。幼い頃、イリエが国外へ行ってしまうことを察し、イリエの靴を隠したことがある。赤星鷹、柳木一成、吉川望のことも知っており、特に吉川のサイドチェンジを素晴らしいと褒めた。

集団・組織

サウジアラビア代表 (サウジアラビアダイヒョウ)

W杯アジア最終予選で日本と同じBグループに入ったチーム。「西アジアの雄」と呼ばれ、前回W杯ベスト16というアジアでは飛び抜けた実績を誇っている。アジアナンバーワンGKと呼ばれるアル・デアイエを擁する、Bグループ最大の強豪国。鉄壁の防御を誇るデアイエに日本代表は苦戦を強いられる。

オーストラリア代表 (オーストラリアダイヒョウ)

W杯アジア最終予選で日本と同じBグループに入ったチーム。全員の身長が180センチ以上の大型チームで、182センチのマクダウェル、192センチのベッカムの大型2トップを擁する。4年前、アルゼンチンとのプレーオフに敗れて本選出場を逃した過去から、今大会にかける思いは日本と同じく強い。

イラン代表 (イランダイヒョウ)

W杯アジア最終予選で日本と同じBグループに入ったチーム。FWザリム・シン、MFアル・ファイサル、GKセレスティン・アマハッドを中心とする強豪国。アル・ファイサルは日本代表の北村大地を農民、伊達勲を軍人、赤星鷹を含めた残りの選手を子供の集まりと評した。セレスティン・アマハッドとザリム・シンはイラン国軍サッカーチーム所属の軍人。

ジュベスタン代表 (ジュベスタンダイヒョウ)

W杯アジア最終予選で日本と同じBグループに入ったチーム。ジュベスタンは旧ソ連から独立後、内戦を経て3年前にサッカー公式大会に復帰した。イリエ・ペトレスク、ラド・ペトレスクの兄弟を始め、レギュラーのほとんどどは海外のクラブに所属しており、高い個人技を持ちながらもメンバーが揃わず苦戦を強いられている。 今大会が初参加であり、目指すは初勝利。ジュベスタンはペルシャ語で川の国という意味。

ザハブ首長国代表 (ザハブシュチョウコクダイヒョウ)

W杯アジア最終予選で日本と同じBグループに入ったチーム。アラブの小国ながら石油と自由貿易で成る裕福な国。一次予選では難敵UAEを打ち破って最終予選に進んだ。退場しても戦力的に大きな影響がない選手を使い、相手チームのエース選手にわざと怪我をさせる戦法を使う。審判も抱き込んでいて、ザハブ側に有利なジャッジをさせている。

書誌情報

Jドリーム完全燃焼編 全8巻 講談社〈少年マガジンコミックス〉 完結

第1巻

(1998年6月発行、 978-4063125634)

第2巻

(1998年8月発行、 978-4063125856)

第3巻

(1998年10月発行、 978-4063126112)

第4巻

(1999年1月発行、 978-4063126471)

第5巻

(1999年3月発行、 978-4063126686)

第6巻

(1999年6月発行、 978-4063127041)

第7巻

(1999年8月発行、 978-4063127294)

第8巻

(1999年11月発行、 978-4063127812)

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