概要・あらすじ
ある日、あるアパートの住人達によって住人の一人であるKという男の葬儀が行われていた。その葬儀のさなか、新しくアパートに越してきた青年ミカヤが現れた。そこで住人達はミカヤの住む部屋はKが使っていた部屋だったこと、Kの死体が見つかっていないことをミカヤに告げる。
登場人物・キャラクター
ミカヤ
美しい容姿の青年。Kが生前住んでいた301号室に引っ越してきた。落ち着いているが、不思議な夢を見たりと実は情緒不安定なところもある。
K (けー)
いかにも芸術家と言うような細く影のある美しい青年。詩人として成功しており不思議と人を惹きつける魅力がある。普段は優しく物静かだったが急に落ち着かなくなったりもしていた。ミカヤの前に301号室に住んでいた。死んだことは確かだが死体が見つかっていない。
魚住 (うおずみ)
201号室の住人。気弱そうで物腰は柔らかい青年。いつも水中メガネをしており、バスタブに浸かっていることが多い。客人にもお風呂を用意してもてなすことが多い。
鰐淵 (わにぶち)
105号室の住人。技師の老人。大家の代わりにミカヤを案内したり、エレベーターの修理や葬儀での牧師もするなどアパートでは便利屋のような仕事をする。しっかりしているが、何者かに追われているという妄想癖がある。
人形を作る女 (にんぎょうをつくるおんな)
404号室の住人。関節球体人形を部屋で作っている女性。落ち着いておりどこか達観している。Kの苦悩を理解していたようで、Kを愛しておりながらもKの死をすんなり受け入れている。
少女 (しょうじょ)
304号室の住人。美しい少女。見た目とは裏腹に高飛車で嫌味で性格が悪い。Kに惹かれていた。少女の母親と二人暮らし。
少女の母親 (しょうじょのははおや)
304号室の住人。少女の母親。少女がKと関わりを持ち、影響を受けるのを良しとしていなかった。保守的で平凡こそが幸せだと思っている。
モルクワァラ回収人 (もるくわぁらかいしゅうにん)
502号室の住人。細身の青年。謎の物体モルクワァラを毎日アパートの住人全員から回収している。丁寧な物言いをするが、謎が多くKとも個人的な関わりがない。
肉屋 (にくや)
101号室の住人。自分の部屋で肉屋を営んでいる青年。頭や身体に様々な肉をのせて各部屋に御用聞きに現れる。モーツァルトのような変わった髪型や衣装を着用。
モルクワァラ
モルクワァラ回収人が回収している謎の物体。掌におさまる小石くらいの大きさの不揃いな物体。ミカヤもそれが何かはわからなかった。
大家 (おおや)
アパートの大家。Kが亡くなった直後、301号室を格安でミカヤに貸し出した。
場所
アパート
ミカヤが引っ越してきたKの亡くなったアパート。5階建てでエレベーターもある。中央に大きな螺旋階段があるのが特徴。
その他キーワード
機械仕掛けの猫 (きかいじかけのねこ)
少女の飼っていた機械仕掛けの猫。首に302号室の鍵をつけていた。機械仕掛けだが、ある日少女に死んだことにされて埋められた。