社内処刑人~彼女は敵を消していく~

社内処刑人~彼女は敵を消していく~

つかさき有の代表作の一つ。現代日本の企業「ネットワークカンパニーBUNKA」が舞台。地味な見た目の派遣社員・浅見ほのかは職場になじめず、つらい毎日を過ごしていた。そんなある日、美人の派遣社員・深瀬のぞみが入社したことを機に、ほのかにハラスメントを行っていた社員が次々と不祥事を起こし、退職に追い込まれていく。会社内で次々と起こる不可解な事件の全貌が見えないまま、底知れぬ恐怖に包み込まれていく社内の様子や、不安に翻弄されるほのかの姿を描いた壮絶リベンジサスペンス。ぶんか社「ストーリーな女たち ブラック」Vol.55(2021年11月11日)からVol.79(2023年11月9日)にかけて連載の作品。2024年4月18日より、テレビドラマ版『社内処刑人~彼女は敵を消していく~』が関西テレビで放送された。浅見ほのかを生駒里奈、深瀬のぞみを中村ゆりかが演じている。

正式名称
社内処刑人~彼女は敵を消していく~
ふりがな
しゃないしょけいにん かのじょはてきをけしていく
原作者
タナカ トモ
漫画
ジャンル
推理・ミステリー
 
ヒューマンドラマ
レーベル
ぶんか社コミックス(ぶんか社)
巻数
既刊4巻
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会社の知られざる実情

「ネットワークカンパニーBUNKA」では、社員による派遣社員のいじめやハラスメント行為が日常茶飯事となっていた。派遣社員の浅見ほのかは、地味でお人よしな性格から不当に仕事を押し付けられたり、社員に見下されて不当な扱いを受けたりしていたが、上司や同僚は見て見ぬ振りをして彼女を助けようとする者は誰一人いなかった。しかし、会社にハラスメントが横行しているのは、実は今に始まったことではなかった。会社の創業者争いのトラブルによって創業者の一人が死に追いやられ、さらに今から5年前、社員の白石沙希が自死したにもかかわらず、その事実は巧みに隠蔽されていたのである。

事の発端は気弱な派遣社員

本作は、派遣社員のほのかが同僚の的井から不当に仕事を押し付けられることから物語が始まる。そんないじめに近い状況を知る同僚たちは見て見ぬ振りをする。しかしある日、新たに派遣社員の深瀬のぞみが入社したことで、その状況は一変する。的井はSNSに会社の悪口を書き込んだ犯人とされて退職に追い込まれ、いつもほのかにパワハラを行っていた黒崎は、女性社員の下着を盗んだことが発覚して解雇される。その後、のぞみへのやっかみからほのかを陥れようと画策した早川うららは、合コンで大恥をかかされることになり、その協力者だった矢野は追い詰められて自殺を図る。のぞみの入社を機に続出するようになったこれらの不可解な事件により、ほのかは自分を不当に扱っていた社員がいなくなっていくことを実感する。そんな中、ほのかはのぞみが秘密裏に探ろうとしている5年前の事件の存在を知る。しかし、その事件を調べようとした途端、なんらかの情報を知る経理の北尾が殺害され、ほのかの自宅も放火される。これによりほのかは、会社に都合の悪い事実を隠蔽するための陰謀が動き出そうとしていること、そしてのぞみがその渦中にいることを認識する。

5年前の事件の真相を暴き出す

ほのかは社内の異変を感じ取り、うららを味方につけて動き始める。信頼を寄せているのぞみを疑いたくないとの思いから、うららに真実を話してほしいと詰め寄ると、5年前に「ネットワークカンパニーBUNKA」で起きた事件の概要を知ることになる。それは、のぞみの双子の妹・白石沙希が自死したというものだった。5年前、BUNKAに勤務していた沙希は、とあるプロジェクトを任されていたが信頼を失い、自死にまで追い詰められていた。この事件が巧妙に隠蔽されていることから、のぞみは社内で実権を握る人物がかかわっていると確信。そしてのぞみは亡き妹のため、その人物に復讐することを誓ったのである。

登場人物・キャラクター

浅見 ほのか (あさみ ほのか)

「ネットワークカンパニーBUNKA」に勤務する派遣社員の女性。年齢は28歳。物静かでお人よしな性格が仇となり、同僚から仕事を押し付けられたり、見下されたりすることが日常となっている。会社に居心地の悪さを感じており、仕事を辞めたいと考えているが、なんの資格もなく派遣社員という立場であることから転職への一歩を踏み出すこともできず、会社にしがみついている。ある日、新たに入社してきた派遣社員の深瀬のぞみと仕事でペアを組むことになり、彼女が積極的に話しかけてくれたことですぐに意気投合してなかよくなる。のぞみのおかげで浅見ほのか自身も少しずつ前向きになり、毎日が楽しく感じられるようになる。しかし、のぞみが入社してから、これまで自分をターゲットにしていたパワハラ上司や意地悪な同僚が不祥事を起こし、次々と退職に追い込まれる。その後も不可解な事件が発生し、ほのかはのぞみの行動に疑問を感じ始めると同時に、巨大な陰謀の渦に巻き込まれていく。

深瀬 のぞみ (ふかせ のぞみ)

「ネットワークカンパニーBUNKA」に勤務する新人派遣社員の女性。先輩の浅見ほのかとペアを組んだことで親しくなる。容姿端麗でコミュニケーション能力も高く、優しい性格の持ち主。英語が堪能で翻訳もできるため、国際戦略部からも期待されている。その美貌によって男性社員から絶大な人気を誇り、何かにつけて声をかけられているが、やんわりと断っている。一方で女性社員からは疎まれることがあり、ほのかが思わぬとばっちりを受けることもある。当初は会社の創業者の末裔である副島陽太と手を組み、問題社員の弱みを握って退職に追い込み、社内にはびこるハラスメントや陰湿ないじめを行うクズ社員を一掃するために行動していた。実は、5年前に社内で起きた事件の被害者・白石沙希の双子の姉で、会社に対して相当な恨みを持っている。妹の事件の真相を解明しようと、派遣社員として水面下で会社への復讐を画策している。本名は「白石のぞみ」で、沙希の姉であることを隠すために顔は整形し、「深瀬のぞみ」を名乗っている。

クレジット

原作

タナカ トモ

書誌情報

社内処刑人~彼女は敵を消していく~ 4巻 ぶんか社〈ぶんか社コミックス〉

第1巻

(2024-03-15発行、 978-4821158003)

第2巻

(2024-03-15発行、 978-4821158010)

第3巻

(2024-05-16発行、 978-4821158164)

第4巻

(2024-06-17発行、 978-4821158201)

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