20歳の女性の充実した高校生活
実家での生活に閉塞感を覚えていた吉野椿は、中学卒業後にパン工場に就職して5年の歳月が経っていた。そんなある日、上司の「逃げてばかりの中卒の女性に未来なんてない」という酷い言葉をきっかけに現在の自分を変えるため、工場を退職し、20歳にして青葉咲高等学校に入学する。入学当初は、5歳下のクラスメートたちとのジェネレーションギャップに悩みながらも、自分の歳を知られることを恐れ、周囲と打ち解けられずにいた。だが、自分の素性を知る若宮煌の後押しを受けてクラスメートたちと積極的に交流し、やがて多くの友達に恵まれる。こうして椿は、働いている時とはまったく別世界の学園生活に戸惑いながらも、やがて充実感を覚えるようになる。
イケメン年下男子×5歳年上の純粋な女性
社会人5年目のある日、食事会の席で吉野椿は酔っぱらった上司からのうざ絡みを受けるが、若宮煌に助けられて事なきを得る。その後、青葉咲高等学校に入学した椿は、偶然にも同じクラスになった煌と再会する。しかし一度会ったきりの自分など覚えているわけがないと、初対面を装うが、煌は椿のことをしっかりと覚えていた。そしてクラスで控えめな彼女の緊張をほぐしたり、積極的に話しかけたりと、何かと気にかけるようになる。さらに、煌が自分に思いを寄せているような言動に戸惑いながらも好感を抱いた椿は、5歳の差が埋まるわけがないとの考えを改め、やがて煌の思いを受け入れて恋人同士となる。
吉野椿と母親の長きにわたる確執
吉野椿が中学卒業後すぐに就職したのは、母親の吉野薫との確執が原因だった。幼い頃の椿は母親が大好きで、母親に褒められることを何よりの喜びとしていた。しかし母親は椿の父親と離婚して以来、さまざまな男性と恋愛を繰り返していた。また、椿を娘として愛する一方で、女として扱うようになり、椿が自らの恋人に近づくことを嫌がるようになる。自分の居場所がないと感じた椿は、中学卒業と同時に母親のもとを離れ、それ以降はいっさい連絡を取っていない。母親も椿の決断に後ろめたさを感じているが、自分が近くにいると椿のためにならないと、距離を置いていた。ところが、椿が青葉咲高等学校に入学したことを知ると、彼女の様子が気になり、文化祭に足を運んで椿と再会する。さらに若宮煌との恋を後押しする一方で、煌からも薫のことを肯定されたことでわだかまりが解け、互いに歩み寄ることに成功する。
登場人物・キャラクター
吉野 椿 (よしの つばき)
青葉咲高等学校に通う1年生の女子。年齢は20歳。幼い頃は母親思いの女の子だったが、思春期になると母親・吉野薫との確執が生まれ、中学卒業と同時に実家を飛び出してパン工場に入社し、5年間勤務していた。何不自由なくそれなりに充実した生活を送っていたが、ある日上司に「逃げてばかりの中卒の女性に未来なんてない」と言われたことで一念発起し、高校への入学を決意。「先生」と呼ばれる女性から指導を受け、青葉咲高等学校に合格を果たす。入学当初は、吉野椿自身が20歳であることを隠しており、教師と若宮煌以外のクラスメートからは同い年だと思われていた。そんな中、同じクラスの美山紬や小村崎から誕生日を祝ってもらったことをきっかけに年齢を明かし、改めてクラスメートとして受け入れられる。
若宮 煌 (わかみや きら)
青葉咲高等学校に通う1年生の男子。容姿端麗、成績優秀で運動神経もいいことから、入学早々にクラスの中心的存在となる。やや強引な一面はあるものの、ノリがよく誰にでも分け隔てなく接するため、友達が多い。また、困っている人を見かけると放っておけない性分から、男女問わず人気が高い。中学3年生の時に、上司とトラブルになっていた吉野椿を助けている。さらに、彼女が同じ青葉咲高等学校に入学したことで運命を感じ、何かと気にかけるようになる。
書誌情報
Re:blue 5巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2023-09-25発行、 978-4088448343)
第2巻
(2023-09-25発行、 978-4088448350)
第3巻
(2023-12-25発行、 978-4088448480)
第4巻
(2024-04-24発行、 978-4088448794)
第5巻
(2024-08-23発行、 978-4088430331)