概要・あらすじ
2010年夏の秋葉原。厨二病から抜け出せない大学生岡部倫太郎は、未来ガジェット研究所」を設立し、用途不明の役にも立たない発明品を開発していた。だがある日、偶然にも過去へメールを送ることができる一種の「タイムマシン」を開発することに成功する。
性能を研究するための実証実験と好奇心から過去へのメール送信実験を繰り返し行うが、やがて世界を巻き込む悲劇的な結末に至ることを思い知らされる。
そんな悲劇を回避するための、岡部の孤独な戦いが始まる。
登場人物・キャラクター
岡部 倫太郎 (おかべ りんたろう)
未来ガジェット研究所ラボメンNo.001。東京電機大学1年生。狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真を自称し、悪役然とした傍若無人な態度を取る。白衣を常時着用している。日常生活の中で、唐突に携帯電話に耳をあて「機関の陰謀」などと口走るが、ほとんどが彼の設定であり、いわゆる厨二病である。 秋葉原に未来ガジェット研究所というサークルを設立し、用途不明のガジェットを発明している。 空気の読めない痛いキャラではあるが、本質は善人であり、ラボの仲間を大切に思っている。ドクトルペッパーを「知的飲料」として愛飲している。北欧神話や英語を混ぜた変な造語による二つ名をつけるのが得意。 世界線変動後も以前の世界線の記憶を保つことのできるリーディングシュタイナーという能力を持つ。
SERN (せるん)
『STEINS;GATE』に登場する架空の組織。欧州原子核研究機構の略称。世界最大の粒子加速器であるLHCを使った、マイクロブラックホール生成実験を行っているが、公式には成功はしていないとされる。 実在の欧州原子核研究機構CERNがモチーフ。
天王寺 裕吾 (てんのうじ ゆうご)
未来ガジェット研究所がある大檜山ビル1階でブラウン管テレビを専門に扱うブラウン管工房というお店を経営する。ビルのオーナーでもあるため、岡部倫太郎らにとっては大家でもあり、問題を起こすたびに「家賃を値上げするぞ」と脅される。 妻とは死別しており、一人娘の天王寺綯と二人で暮らしている。ブラウン管をこよなく愛しており、店内中央に鎮座する42インチブラウン管テレビでプロ野球観戦するのが趣味。 いかついスキンヘッドの男性。
阿万音 鈴羽 (あまね すずは)
未来ガジェット研究所ラボメンNo.008。未来ガジェット研究所の1階にあるブラウン管工房で働くアルバイト。元気でちょっとがさつな、自転車大好き少女。一見は馴れ馴れしいが、決して深いところまでは踏み込まない。 しかし、自分の興味があることとなると豹変し、積極的に行動する。流行がいま一つズレていたり、常識的なことを知らない一面も見せる。未来ガジェット研究所のラボメンとも徐々に付き合うようになる。 しかし、牧瀬紅莉栖に対してだけは硬い態度が続く。
桐生 萌郁 (きりゅう もえか)
未来ガジェット研究所ラボメンNo.005。秋葉原の編集プロダクション「アーク・リライト」のアルバイト。極度の携帯電話依存症で常に携帯電話をいじっている。話すのが苦手で口数は極端に少ないが、メールでは本当に同一人物かと疑うほど饒舌。 メールを打つ速度も異常に速いので、岡部倫太郎から閃光の指圧師と呼ばれる。IBN5100という幻のレトロOCを探しており、それが縁で岡部と出会う。
漆原 るか (うるしばら るか)
未来ガジェット研究所ラボメンNo.006。私立花浅葱大学付属学園2年生で、椎名まゆりのクラスメイト。一軒礼儀正しく清楚な美少女。柳林神社の一人息子で、父親の勧めで常に巫女服を着ている。 街中で男たちに絡まれていたところを岡部倫太郎に助けられ、以後弟子となる。岡部の厨二病設定に付き合わされ「妖刀・五月雨」の素振りを命じられているが、本人は修行と信じ真面目に取り組む。 かなりの恥ずかしがり屋で、まゆりから度々コスプレするよう頼まれているが、断っている。
フェイリス・ニャンニャン (ふぇいりすにゃんにゃん)
未来ガジェット研究所ラボメンNo.007。私立金糸雀学園2年生。秋葉原のメイド喫茶メイクイーン+ニャン2で一番人気を誇る小悪魔系メイド。椎名まゆりとはバイト仲間。 ブリッ子で、言葉遣いは語尾に「ニャン」が付く。岡部倫太郎とは気が合い、彼の厨二病設定にも互角かそれ以上に渡り合う稀有な人物。雷ネットアクセスバトラーズというカードゲームの腕前はかなりのもので、世界にも通用するレベルと目される。
橋田 至 (はしだ いたる)
未来ガジェット研究所ラボメンNo.003。東京電機大学1年生。岡部倫太郎とは高校時代からの友人。2次元から3次元まで節操なく萌えるオタク。@ちゃんねる用語を普段から多用する。 PC関係や電子機器に強く、未来ガジェット研究所の発明品の多くを製作する。プログラミング能力、ハッキング能力はかなり高い。フェイリス・ニャンニャンの大ファンで、メイクイーン+ニャン2の常連客。
椎名 まゆり (しいな まゆり)
私立花浅葱大学付属学園2年生。岡部倫太郎の幼なじみで、未来ガジェット研究所ラボメンNo.002。いつも笑顔でマイペース。「トゥットゥルー♪」が口癖の天然キャラ。お幼い頃に死別した祖母によく懐いており、一緒に夜空を見ていた体験から、今でもふと空を見上げて手を伸ばす癖があり、岡部からは勝手に「星屑との握手(スターダストシェイクハンド)」と命名される。 会話の途中など、唐突なタイミングでその癖を実行するため、周囲にはよく驚かれる。 コスプレの衣装作りが趣味。雷ネット翔のマスコットキャラクターうーぱに夢中。フェイリス・ニャンニャンと同じく秋葉原のメイド喫茶メイクイーン+ニャン2でバイトをしており、お店での名前はマユシィ・ニャンニャン。
未来ガジェット研究所 (みらいがじぇっとけんきゅうじょ)
岡部倫太郎が設立したサークルで、活動内容はガジェットの発明。だが、実際に発明されたものは用途不明のものが多い。研究所は秋葉原の大檜山ビル2階にある。設立当初のラボのメンバー、ラボメンは岡部倫太郎と椎名まゆりの二人だったが、8人まで増えることになる。
牧瀬 紅莉栖 (まきせ くりす)
未来ガジェット研究所ラボメンNo.004。アメリカのヴィクトル・コンドリア大学脳科学研究所の研究員。18歳にして飛び級で大学を卒業し、さらにアメリカの著名な学術雑誌に論文が載るほどの才女。 一見クールに見えるが、興味を持った事にはやたらと首を突っ込んでくる。あまり素直ではないタイプのため相手を誉めることはあまりないが、それでも自分が認めた相手に対しては強がりつつもちゃんと尊敬の念を抱く。 いわゆるツンデレキャラ。@ちゃんねらーであることを隠しているが、ついついボロが出てしまう。傍若無人な岡部倫太郎のに振り回されつつも、知的好奇心から日本に滞在している間だけという条件で未来ガジェット研究所の一員となる。 学者である父・ドクター中鉢とは不仲な状態が続いている。
その他キーワード
電話レンジ(仮) (でんわれんじかっこかり)
『STEINS;GATE』に登場する機械。未来ガジェット研究所で開発された未来ガジェット8号機。電子レンジに携帯電話を組み合わせ、電話レンジ(仮)に電話をかけると電子レンジを遠隔操作できるようにした発明品。 しかし運用を進めるうちに、半解凍の冷凍からあげが冷凍状態に戻る現象や、バナナが緑色のゲル状態に変化する現象が発見される。原因究明出来ないまま実験が続けられていたが、牧瀬紅莉栖が実験に参加することにより研究は大きく進むことになる。
Dメール (でぃーめーる)
『STEINS;GATE』に登場する用語。電話レンジ(仮)を用いて電子メールを過去へ送ることができる一種のタイムトラベル技術。未来ガジェット研究所で偶然開発された。ごくわずかな文字数しか送信することができず、文字数が多い場合は複数のメールに分割して送信される。 多くの場合、過去にメールを送ったところで特段変化は起こらないが、メールの文面により受信者の過去の行動が大きく変わった場合は世界線が変動し、未来が変わることもある。
雷ネット翔 (らいねっとかける)
『STEINS;GATE』に登場する劇中アニメ。ネット上の事件を解決していく子供向けアニメ。同盟のマンガが原作。このアニメを題材としたカードゲーム雷ネットアクセスバトラーズは戦略性が高く、世界大会が開催されるほどの人気を博している。
世界線 (せかいせん)
『STEINS;GATE』に登場する用語。現在の世界と少しだけ異なる平行世界が無数に存在するという概念において、1つ1つの平行世界のことで、過去から未来があらかじめ定まった世界。ある世界線においては、何を行っても未来が変わることはない、つまり世界線が変動することはないが、世界線の収束効果を超えるような大きな出来事や、過去改変が行われた際には世界線が変動する。 その際、通常は変動前の世界線での記憶は人々から消え去り、元から今の世界線で暮らしていた記憶に書き換えられる。 岡部倫太郎のみ例外的に、この記憶の書き換えから免れられる能力リーディングシュタイナーを持ち、ある世界線の未来においては、現在の世界線を変動率という数値で可視化して表示する未来ガジェットを発明する。