概要・あらすじ
マッドサイエンティストによる珍発明が巻き起こす騒動の数々や、火星を目指すかつての科学少年たちの悪戦苦闘ぶり、非業の運命を技術で覆さんとする科学者たち。科学が未来を描けた時代、夢とロマンを描いた連作短編集。
登場人物・キャラクター
チャイナ
イギリスのブリストルの西の外れにある中華料理店・天回の女主人。一人で店を切り盛りしているが、時々ジムに店を手伝わせている。不満は二階に住んでいるブレッケンリッジ博士が家賃を払ってくれないことと、好きなジムが自分に気づいてくれないこと。 中国拳法の達人で、腕っ節の強い酔っ払いたちを相手にも負けない。服装はいつも中国風で、店に出るときはチャイナドレスを着ている。
ジム・フロイド (じむふろいど)
昼間は別の仕事をしており、仕事のないときはブレッケンリッジの助手をしている科学者で、自称アマチュア発明家。ブレッケンリッジ研究所の財政面を一人で背負っている。時にはブレッケンリッジ以上の発明をすることもある。父親は、ヤン・フロイトという悪名高い科学者だったらしい。 チャイナの誕生日のために月を破壊して地球の周りにリングを作った。
ブレッケンリッジ
天回の二階を借りて「ブレッケンリッジ研究所」として住んでいる科学者。家賃を滞納しており、チャイナからよく催促されている。数々の発明品を作るが、その多くが失敗するか無視されている。
リリイ
市場で花屋をしている女性。実は裏で闇部品屋を営んでいる。ジムがしばしば注文しているので、チャイナからは二人が良い仲なのではないかと誤解される。
ウィンディ
結婚して引退したが、かつてはエーテル気流理論を唱えた科学者だった。結婚した夫の父親が少年科學倶楽部の一員だったため、義父の頼みでエーテル気球の設計に協力する。
舞子 (まいこ)
祖父は二度のノーベル賞を受賞した科学者であり、自身も科学者。時田からはしばしば「キングマイマイ子」と呼ばれている。結婚しているので姓は難波ではない。
舞子の祖父 (まいこのそふ)
二度のノーベル賞を受賞した科学者で悪戯好き。既に亡くなっているが、遺された写真からその風体はアインシュタインに似ている。異常気象を止める研究をしており、その論文を宝として地図に記していた。
難波博士 (なんばはかせ)
舞子の父で科学者。偶然祖父の遺産を記した地図を発見し、温暖化で水没した浜松の街を潜水艇で探し回る。
時田博士 (ときたはかせ)
研究所の所長。難波博士と同じく舞子の祖父の遺産を巡って、宝探しを繰り広げる。
植木田均 (うえきだひとし)
地中に埋まった氷塊の中から発見された。実は「冷線砲」なる冷却装置を開発しており、装置により20年間氷漬けにされていた。一度は舞子たちに発見されるが、冷線砲を起動させて再び眠りにつく。外見は、コメディアンの植木均似。
集団・組織
少年科學クラブ (しょうねんかがくくらぶ)
『Spirit of Wonder』の一編『少年科學倶楽部』に登場する団体。かつての科学少年たちが大人になっても夢を忘れられずに、集まって色々な研究をしている。結成から50年を記念して、火星旅行を実現させようとしており、ウィンディに助力を仰ぐ。