表題のアニメ『花咲くいろは』は、アニメ制作会社「P.A.WORKS」設立10周年記念作品として企画・制作されたオリジナルアニメーション。2011年4月から同年9月まで、全26話が放映された。なお、「P.A.WORKS」が単独制作したアニメとしては、この『花咲くいろは』が初の完全オリジナルアニメーション。
TVアニメ内で描かれた架空の祭りが、地元観光協会に主催の元再現され、恒例行事となるほどの影響力を持ったアニメ。現実(リアル)を巻き込むほどの人気アニメ『花咲くいろは』を紹介する。
出典:Amazon.co.jp
表題のアニメ『花咲くいろは』は、アニメ制作会社「P.A.WORKS」設立10周年記念作品として企画・制作されたオリジナルアニメーション。2011年4月から同年9月まで、全26話が放映された。なお、「P.A.WORKS」が単独制作したアニメとしては、この『花咲くいろは』が初の完全オリジナルアニメーション。
主人公「松前緒花(まつまえ・おはな)」は東京育ちの高校二年生。母・皐月とのふたり暮らしだったが、ある日「借金を作って逃げざるを得なかった男」との逃避行に走った母親からの置手紙により、祖母である「四万十スイ(しじま・すい)」のもとに身を寄せることとなる。古色蒼然とした古い旅館、きびしい女将、気難しい同僚など、全ての環境を天地返しされてしまった緒花。しかも祖母からは「高校へは通わせるが、働かざる者食うべからず、卒業までは旅館の仕事を手伝ってもらう」とのお達しがあり、仲居見習いとして働くこととなる。性格はいたって明るいがときどきおセンチにもなる。基本的には暴走しやすい性格で、同僚たちに度々迷惑をかけてしまっている。それでも決定的に憎まれることがないのは、やはり持って生まれた素直な性格ゆえであろう。
「みんち」こと「鶴来民子」。旅館の板場で、板前見習いとして働きつつ、高校に通っている。緒花とは同学年。緒花のことを「【ほ】んとうに【び】っくりするほど【論】外」をもじり「ほびろん」と呼ぶことも。見た目は清楚で完全無欠な女の子に見えるため、その真実を知らない、特に男子たちからは「民子姫」と呼ばれていたりもするが、実際は、迷惑をかけられたとはいえ、緒花対して、ことあるごとに辛らつな言葉を投げかけてしまうような娘である。
同じく喜翆荘で働く「押水菜子(おしみず・なこ)」は自宅通勤組の同じく高校二年生。極端なまでの引っ込み思案である自分の性格を少しでも変えようと、接客業のアルバイトを始めた。悪意はないが、容赦のない毒舌を放つ。特に仲の良い緒花に対しての言葉は他の追随を許さない(民子ですら引くことがある)。
「和倉結名(わくら・ゆいな)」は喜翆荘のライバルである老舗旅館・福屋の一人娘だが、お嬢様キャラによくある「タカビーで毒舌」なキャラではなく、多少天然ではあるものの気さくな性格であり、転校生の緒花とはその初日に仲良くなっている。ちなみに男子生徒から「結名姫」と呼ばれている。
母方の祖母である「四万十スイ」。実の母が「勘当の身」であったため、高校生になるまでまったくと言っていいほど音信不通の身で、今回の事件を通して初めて出逢っている。仲居頭の「輪島巴(わじま・ともえ)」、喜翆荘の二番板で民子の教育係である「宮岸徹(みやぎし・とおる)」などが緒花の「若き同僚」である。
この作品の中で「架空のお祭り」として「ぼんぼり祭り」というものが開催される。ぼんぼり祭りとは「短冊に記した願い事がかなう」という伝統行事であり、主人公も喜翆荘に移り住んだ初年に参加している。またこの祭りにちなんで「願いことをかなえるため自分で頑張ること」を「ぼんぼる」と動詞化し、以降頻繁に使うことになる。
この作品の舞台は石川県の「湯湧温泉」がモデルとされており、放映開始以降、数々のアニメファンが訪れる「聖地巡礼の地」となっていくが、大々的なタイアップ事業を展開する湯湧温泉側は、その劇中での架空神事「ぼんぼり祭り」を「湯湧ぼんぼり祭り」として現実に再現させ、ファンたちを喜ばせた。
それはまた「架空の絵空事」であるアニメが、現実世界を巻き込み、凌駕していくひとつのモデルとなった。昨今、数多くのアニメが「架空の世界」ではありながら、その舞台を現実にある県名や町名を使用することで、その地を「原作の聖地」としてアニメファンが押し寄せ、町興しに一役買っている現象がみられる。地元にとって、それが良いことなのかそうではないのかは賛否両論あるとは思うが、少なくとも昭和の時代には(ほとんど)見られなかった現象(※)であり、そのことからもいよいよアニメも現実の世界を凌駕するほど爛熟してきた。
(※)……1992年放送開始の『美少女戦士セーラームーン』で、戦士の一人「セーラーマーズ」の変身前の姿、火野レイの実家が「氷川神社」であり、東京都麻布十番の同名神社にアニメファンの参拝客が増えた、という事例が確認されているが、このあたりがアニメファンの「聖地巡礼」の走りかと推測される。
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