直也の隣家に住む幼馴染の女子。小学生のころから月に1度のペースで告白し続けた直也の強引さと重さが受け入れられず、高校に進学するまでは交際を断り続けていた。高校入学を機に直也からの告白を受け入れて彼女になったものの、水瀬渚の登場により「二股交際」をスタートさせることになる。活発な性格で、友人からは「サキサキ」の愛称で親しまれている彼女だが、時に持ち前の男らしい性格を発揮して、直也に殴る蹴るなど厳しいツッコミを入れることがある。また、「二股交際」を提案された際に渚のかわいらしさにほだされてつい承諾しまったように、かわいい女の子に弱い一面を持っている。
彼女のそんな一面は、作中に登場する仰天アプローチからも垣間見ることができる。直也、咲、渚で同居生活をスタートさせたものの、渚と直也の親密さに嫉妬してしまい家出をした咲。その後、直也に説得され家に戻ってきた12話では、咲が戻ってきた記念にと渚が手料理を振る舞う。渚が恋のライバルだと頭では理解しつつも、彼女の優しさにまたもやほだされた咲は、直也をよそに渚と親友のような楽しいひと時を過ごすことに。もともと友達が少ない渚は、屈託のない笑顔で自分と接する咲を前に、彼女自身もまた幸せそうな笑みを浮かべる。計算ではなく自然にライバルであるヒロインをも魅了してしまう咲の印象的なシーンだ。
本作の第2のヒロインであり「二股交際」のきっかけを作った張本人。小柄で要領が悪く、何をやっても失敗ばかりの人生だったが、高校受験の会場で咲に何度断られても諦めず告白し続ける直也の姿に胸を打たれて彼を好きになり、以降彼のために頑張ることに情熱を注ぐ。高校入学後は、直也への告白に備えて、外見を磨くためのトレーニングや、彼女らしく手料理を振る舞うべく料理の特訓に励む。ただし、学業そっちのけで高校を欠席してまで特訓していたため、同級生たちとの交友が一切なく、直也に告白するまでは同じクラスにも関わらず直也はもちろん咲にも存在を認識されていなかった。
そんな渚の仰天アプローチは、物語の始まりである1話から異彩を放っている。1話でいきなり直也を屋上に呼び出して告白する渚。戸惑う直也をよそに自己紹介を始め「男は胃袋で掴むもの」という持論から突然弁当を振る舞い出す。テンポ良くバラエティに富んだアプローチをかける渚だが、すでに彼女がいると言い、告白を断る直也に対して、涙を浮かべながら「また告白しに来ますね!」と前向きな姿勢を見せるのだ。この予測不可能なアプローチこそが渚の武器であり魅力。そして、このアプローチにノックアウトされた直也は、正々堂々とした態度で「二股交際」を提案してしまう。
直也たちのクラスメイトの美少女。親や学校に内緒で5万人ものチャンネル登録者を抱える人気の動画配信者「ミリカ」として活動している。自身が配信した動画に学校の制服が映り込むという失態を犯したことをきっかけに、直也たちに「ミリカ」=星崎理香だと知られてしまう。直也たちと深く関わっていくうちに「二股交際」の事情を知ってしまい、最初は直也を軽蔑していたミリカだったが、視聴者によるストーカー対策として直也の三人目の彼女になろうとする。「今は何より二人の彼女を幸せにしたい」とミリカの告白を断る直也に対して、プライドを傷つけられたミリカはなんとかして自分に振り向かせようと、半ば強引に「二股交際」のドタバタに身を投じていく。
金髪ツインテールの美少女で、校内でも男子生徒から一目置かれるほどの美貌を持つミリカだが、彼女のアプローチは見た目に反してとにかく愚直だ。15話では、直也に交際を断られたミリカが、なんと直也の家の庭にテントを張り「自分に惚れるまで居座る」と宣言する。外の寒さにも雨にも負けず、テント生活を続けるミリカ。その後、ミリカの親が介入するまで庭でテント生活を続けるというガッツを見せるのだが、この彼女の愚直なアプローチはその後の「二股交際」を大きく動かしていく。
直也たちのクラスメイトの美少女。咲とは中学時代からの親友。学校成績は常にトップ、スポーツや家事も万能という完璧さで、とても真面目な性格であるがゆえに法律の知識に詳しい。友人である咲が直也と「二股交際」していることを知った時には、民法732条「重婚禁止」の規定を持ち出し「二股交際」をやめさせようとする。けれど、実は咲と知り合った時から直也に対して密かな好意を抱いており、この好意に諦めをつけるために「二股交際」否定の姿勢を強調している。
とにかく真面目な紫乃だが、43話では実に彼女らしい仰天のアプローチをかける。直也、咲、渚が「二股交際」はおろか、一緒に住んでいることを知った紫乃は、大切な友人である咲の目を覚まさせるため、そして「二股交際」は無理だという証拠をたたきつけるために、夏休みの間自分も一緒に直也の家に住むと言い出す。実際のところは自分の気持ちを隠した紫乃の詭弁(きべん)なのだが、理路整然かつ淡々とした彼女の口調に一同もつい納得し、三人は提案を飲むことに。咲との友情、そして直也への好意の狭間(はざま)で揺れ動く紫乃の切なさにぜひ注目してほしい。