名作アニメで感動したい人におすすめ『あらいぐまラスカル』73 Pt.

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このアニメーション作品の原作となったのは、アメリカの作家「スターリング・ノース」が、自身の少年時代を回想して執筆した小説『はるかなるわがラスカル』である。少年「スターリング・ノース」とあらいぐま「ラスカル」の友情をテーマとしたストーリーが展開されるなか、自然と人間の共存がいかに難しいものであるかということも考えさせられる作品。1977年の1月から12月にかけて、フジテレビ系列の「世界名作劇場」で放送された。

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動物が大好きな少年とあらいぐまの「ラスカル」が出会い、別れるまでの1年間が、アメリカの農村地域・ウィスコンシン州を舞台に描き出される。同時代の少年の日常生活を牧歌的に、もしくは淡々と描写しながらも、一方で動物と人間が共存することの難しさにも触れている。

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主人公の少年「スターリング」と「ラスカル」の日常をほのぼのと綴った作品で、手汗握るような緊迫のシーンというのはほぼ存在しない本作に癒されたという人も多いのではないだろうか。実際のあらいぐまとは描写が異なり、非常に可愛らしく描かれている「ラスカル」は現在でもグッズやLINEスタンプが販売されるなど、未だ人気が衰えないキャラクターだ。自転車の籠に乗って一緒にお出かけしたり、ぎゅーっと愛情いっぱいに主人公と触れあう様子は見ていて微笑ましい。前述でも述べたように、作者が少年時代を振り返って書いた小説を原作としたこの作品の内容は、ほとんどが実話という点にも興味惹かれる。時に自然の摂理について考えさせられるシーンもあるが、心温まるひと時を過ごしたいという人には、是非ともチェックしてもらいたい作品である。

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本作の影響を受け、日本の在来種ではない北米を原産とするあらいぐまがペットとして日本に持ち込まれるようになった。後に飼えなくなった人々が無責任に山へ放ち、それにより野生と化したあらいぐまが農作物を荒らすという従来の生態系が乱れる被害が発生した。作品中でも触れられているように、自然と人間の共存の難しさをわきまえつつ、こういった軽率な行動は慎まなければいけない。本作を視聴し、「ラスカル」が可愛いかったという感想で終わってしまった人は、人間や動物、自然に視点を置いて、もう一度本作をチェックしてみてはいかがだろうか。違う学びが得られるかもしれない。その他、作中では、北米の山林地帯原産のあらいぐまという動物の生態についてのエピソードが随所に織り込まれており、大変勉強になる。