昔懐かしのロボットアニメ!! 「J9シリーズ」441 Pt.

出典：銀河旋風ブライガー

まずはJ9シリーズ第1作『銀河旋風ブライガー』から。ちなみに主人公チームを「J9（じぇいないん）」チームと呼ぶことから「J9シリーズ」となされている。また、シリーズを通して主人公チームの声優が「同じ」であることもシリーズのシリーズたるゆえんか。「ブライガー」の舞台は西暦2111年。宇宙開発も一息ついた頃。その裏では「コネクション」と呼ばれる犯罪組織がのさばり、自分たちの好き勝手を尽くしていた。丁度その頃、アステロイドベルトと呼ばれる隕石群の「ウエストJ区9番地」に4人の若者が集まり、宇宙の始末屋「コズモレンジャーJ9」を組織する。単なる正義感だけではなく、悪を「商売として」始末することから「宇宙の仕事人稼業のJ9」とも呼ばれ、悪人たちからは恐れられつつあった。そして彼らの戦いは、犯罪組織「ヌビアコネクション」との「太陽系の存在そのもの」をかけた死闘へと移り変わっていく。キャラクターデザインは小松原一男（こまつばら・かずお）、オープニングの作画は当時新進気鋭のアニメーターだった金田伊功（かなだ・よしのり）が務め、その荒々しくもキレのある動きが話題となった。

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第2作の『銀河烈風バクシンガー』の舞台は前出の「ブライガー」から600年後の世界。はるか未来の話ではあるが、作品のモチーフは「新撰組」。惑星間的な広がりではあるが、日本幕末時の江戸幕府や、薩摩・長州連合を匂わせるような組織が出てくる。主人公たちはその中で「烈」の旗のもとに集まった若者たち。新撰組を模しているので「隊士」はたくさんいるが、そのなかでも中心的となる5人が物語を引っ張っていく。前作「ブライガー」で犯罪組織「ヌビア」の首領「カーメン・カーメン」が仕掛けた「木星爆破による新惑星の大量創造」はこの時点では功を奏しており、作品中の幕府である「ドメスチック・バクーフ」は全35惑星を統治していた。しかし時代は現状をよしとせず、バクーフ打倒を目指し、辺境惑星ロングー（長州）、ゴワハンド（薩摩）などの若者たちが立ち上がる。惑星ターマで旗揚げした「銀河烈風隊」も、時代の潮流に巻き込まれていく。キャラクターデザインは前作に続き小松原一男が担当。ヒロイン「不死蝶のライラ」のパンツ丸見えコスチュームには腰を抜かした。オープニングは当時「美形キャラ」といえばこの人、荒木伸吾とその愛弟子姫野美智が務め、流れるような美しいオープニングに仕立て上げた。

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三作目「サスライガー」は「バクシンガー」の時代からさらに200年後の世界（30世紀）。「バクシンガー」では「新撰組」がモチーフだったためか主人公四人（バクシンガーでは主要キャラは5人）の役割はそれぞれ立ち位置を変えていた。今作品では1作目の「ブライガー」に似た配役で作品が始まることとなる。とはいえ、相手側コネクションの大ボスから「新太陽系の主要惑星50を1年以内に踏破できるか」という賭けを持ちかけられ、機関車型の宇宙船? で太陽系を旅して歩こう、というもので「ブライガー」とも「バクシンガー」とも違う世界を描こうとしていたのは確か。だが、その「太陽系を股にかけての旅」という壮大なイメージが、ある意味では視聴者に受け入れられにくかった、というのは確かで、結局番組そのものも打ち切り、シリーズもここで打ち止め、となったのは残念である。キャラクターデザインは前二作と同じく小松原一男。特筆しておきたいのは、シリーズ三作品のオープニング、エンディング、挿入歌、BGMの殆どを務めたのが「タイムボカンシリーズ」であまりにも有名な「山本正之」（サスライガーのみBGMや編曲担当は久石譲）。「バクシンガー」のエンディング「アステロイドブルース」は今でも十分通用する名曲中の名曲。