女性の身体などのパーツに対して強いこだわりを持っている主人公が、ひょんなことから女子寮に住み、理想のパーツを持つ女性たちと共同生活を送ることになる、ラブコメディ。前田ハチベエは幼い頃に見たアニメのキャラクターに影響を受け、理想とするパーツを持つ女性を至高としていた。進学のために東京にやってきたハチベエだったが、男子寮は火事で焼けてしまっていた。住むところを無くしたハチベエは、女子寮の責任者で教員の雨柳(あめやぎ)つばめに連れられた先で運命的な出会いを果たすのだった。
ハチベエが通う坂下門学園には、男子寮と女子寮が存在している。男子寮は焼けてしまったが、女子寮は健在だ。木造2階建てで、昭和初期の学校のようなレトロな佇まいだ。内装も年月を経た味わいがあり、多くの生徒が過ごしてきたと容易に想像できる草臥れ具合だ。居室は個室ではあるものの、フローリングではなく畳だ。女子寮に住んでいるのは、中等部と高等部に通っている女生徒たちと、監督責任者である教師のつばめだけ。ハチベエが初めて女子寮にきた時、館内はきれいに片付けられていた。日々の暮らしに対する入寮者たちの意識の高さがうかがえる反面、女子寮なのにセキュリティ面が薄く、トラブルも多い。それだけに、実は勇ましい一面もあるハチベエの存在は心強いだろう。とはいえ、ハチベエの住まいは本館から独立している離れなのだが。遠いような近いような、そんな距離で女の園を見つめられる環境は、少々羨ましいとも思える。
両親の転勤により、急遽変人揃いの女子寮で生活することになった主人公が、ひょんなことから知り合った男子寮生と交流を深めていく青春ラブコメディ。高校2年生の山下詠美(えいみ)は、両親の転勤により、突然寮生活を送ることになった。女体好きの黒川操、ホスト体質の桂木涼(すず)と知り合った詠美は、彼女たちから新入寮生歓迎のために催される、裏儀式の存在を知らされる。その内容は、男子寮に潜入し201号室の表札を取ってくるというもので、見つかれば即退寮になる可能性さえあるリスキーな試練を詠美は課せられたのだった。
詠美たちが通う学校には、女子寮と男子寮の間に格差がある。男子寮はきれいな真新しいマンションで全部屋個室、冷暖房バストイレ完備で、ついでに寮の玄関にはセキュリティが完備されている。対する女子寮は、レトロと言えば聞こえはいいが、古い木造2階建ての建物だ。風呂は共同で、大体の寮生が2人部屋、冷暖房はない。男子寮は、進学率アップのために県外から越境入学させた成績優秀な特待生が暮らしているという背景があるからこその落差であるため、男子寮は勉強がしやすい環境を整えているのだろう。女子寮はどちらかと言えば、治外法権のようなところがある。集会室でトランプに興じている姿は賭場を彷彿とさせるし、詠美に課せられた新入寮生歓迎の儀式の無茶ぶりからもその片鱗がうかがえる。とはいえ、寮生のくつろいだ姿を見れば、女子寮もそれなりに過ごしやすい場所であることは確かなのだろう。女子だけという環境の安心感や解放感は、何物にも代えがたい。
人見知りな性格の主人公が、高校入学を機に寮生活を送ることになったが、手違いで別の寮に入寮することになり、個性的な寮生たちに振り回されながらも、自分を変えようと奮闘していく青春女子寮ライフ漫画。音瀬川弓月(おとせがわ ゆづき)は、高校入学を機に念願の一人暮らしをするべく、入寮を決めていた。完全個室、オートロックで管理人付きの「エトワール」寮に入寮するはずだったが、ついた場所は「永遠(ネバーランド)」寮。寮の歓迎ムードを前に、間違いで入寮したとは言えず、弓月は秘密を抱えながらも寮生活を開始するのだった。
本作の舞台、七つ星学園には女子寮が2つある。「エトワール」寮は完全個室、デザイナーズルームで、オートロックに管理人付きとセキュリティは万全。食堂、図書室、プール完備とセレブ仕様である。対する「永遠」寮は、少々洋風な佇まいの古い建物である。庭は広く、物干し台の他にテーブルやイスを出して簡易パーティをひらけるくらいの広さがある。建物の中は和風と洋風が混在しているが、ベッド等はレトロなデザインで、ときめく女性も多いのではないだろうか。キッチンは現代風で、寮生自らが調理をしており、高校生ということを考えると、自立した生活を送っていると言えるだろう。弓月は手違いで「永遠」寮に入寮することになったが、環境的には悪くないように思える。先輩の寮生は面倒見がよく優しいし、同部屋の赤星十日(あかほし とおか)は明るく無邪気な性格で、付き合うのに気を遣うタイプではない。何より朝食のパンケーキが美味しそうでたまらない。これなら朝しっかり起きられそうだ。
とある会社の女子寮で飼われているネコの視点から、寮生たちの日常を描くエロコメディ。ネコはとある会社の女子寮で生活している雄の猫だ。寮の管理を任されているオバチャンに拾われて以来、寮の中で生活をしている。ある日、各部屋のユニットバスの交換をすることになり、共同浴室を使わざるを得なくなった寮生たちを前に、ネコは子猫時代にそこで裸の女性たちに囲まれた肌色の輝かしい経験を思い出す。あの時を再びと、共同浴室に潜入したネコだったが、浴室は手抜き掃除により汚れにまみれていたのだった。
学生寮ではなく、社員寮が舞台の作品だ。全室個室で、トイレ風呂完備。マンションというよりも合宿所と同じような作りと言ったほうがしっくりくるだろう。部屋がきれいに片付いていたり、給料日後の日曜日は人気が無くなるあたりが、社員寮らしいところだろうか。ラフな格好をしている寮生が多いのも、女子寮らしいところと言える。ネコは寮で飼われている猫だ。名前は出てこないが、寮生たちからはネコと呼ばれている。雄のシャム猫だが、とにかくスケベな猫だ。お風呂を覗く、寮生たちに甘えて柔らかな肢体を堪能する、じゃれるフリをして触るなんてものは序の口で、あれこれやりたい放題。猫だからこそ許される所業だろう。いや、猫でも許されないかもしれないが。とにかくどんなにスケベでもネコは猫なので、何をしても最終的にはバカな猫として許されてしまう。ちょっと覗いてみたい女の園を、ネコの視点で楽しもう。
重度のブラコンである主人公が、兄の結婚を機に寮のある高校に進学し、同室の少女をはじめ寮生たちと友情をはぐくんでいく学園青春コメディ。高岡りらは年の離れた兄に甘やかされて育ったが、15歳になった時、突然兄から結婚することを告げられる。兄への幻想が打ち砕かれたりらは、義務教育終了と共に兄からも卒業すると言って、長い髪をバッサリと切り進学先も変更。寮のあるライラック女子学園に入学することになった。学園寮の花園寮へ向かっている最中、道に迷ったりらは、角を曲がった拍子に兄と声がそっくりな青年とぶつかってしまう。
寮は共同生活の場だ。食事は同じ場所でとるし、共有スペースも多い。常にだれかが一緒にいる。そんな環境に疲れてしまう人もいれば、順応し寮生活を謳歌してしまう人もいる。兄の結婚をきっかけに、りらは花園寮へと入寮した。寮では高身長でハンサムな印象の小野楓と同室で、隣室の2人とも仲よくなった。帰省した時には寮を懐かしく思うほど寮生活が気に入った様子を見せている。しかし、りらの猪突猛進で深く考えない性格に、周囲は振り回され気味だ。残っていたおかずを先輩のものだとは知らずに食べたり、洗濯物の持ち主探しで下着の柄を大声で言ったり。少々配慮が足らない面もあり怒られることも多いが受け入れられている。それは、りらの憎めない性格に加え寮という場所だからだろう。日常生活を共有しているからこそ、互いの個性を認め許容することを覚える。りらの日常には共同生活ならではの学びと窮屈さ、そして気安さが詰まっている。