ゼロ戦とパイロットが主題！オススメ漫画５選101 Pt.

本作はゼロ戦の産みの親である設計技師・堀越二郎にスポットを当てた物語である。主人公・堀越二郎は、東京帝国大学工学部航空学科を首席で卒業し、三菱の設計技師となった秀才。彼は欧州と米国に1年半派遣され、最先端の航空技術を修得。帰国した後、彼は革新的な逆ガルウィングを備えた九試単座戦闘機、そして後のゼロ戦となる十二試艦上戦闘機を設計していく。本作では実在の人物である堀越二郎を主人公としながらも、ブタを擬人化したユーモラスなキャラクターを採用。堀越の空想シーンで、イタリアの航空機メーカー・カプロニ社の超大型機Ca90を登場させるなど、独特の演出を加えているのが大きな特徴だ。ちなみにカプロニ社はスタジオジブリの名前の由来である航空機「ジブリ」を製作したメーカーである。まさに宮崎駿の趣味性が存分に発揮された作品と言えるだろう。

本作は、エピソードごとに戦場や主人公が変化するオムニバス形式の物語である。その中でゼロ戦が登場するものとしては、『スタンレーの魔女』『ゼロ』などが挙げられる。まず『スタンレーの魔女』は、スタンレー山脈を越えて、ポートモレスビー攻略に挑んだ日本人パイロットたちの物語。中でも主役となるのは飛行機を壊してばかりの爆撃機パイロットたちで、ゼロ戦はその護衛機として登場する。一方の『ゼロ』はタイトル通りゼロ戦のパイロットたちが主役となる。中でも中心となるのは、鬼の飛行隊長・厚木中尉とその部下・坂井。そして彼らの前に立ちはだかるのは、ヨーロッパ戦線でドイツ軍機36機を撃墜した米軍のエース「ホワイト・ヘア」だ。戦闘機乗りとして高いプライドと信念を持つ厚木は、不利な条件をものともせず、「ホワイト・ヘア」に挑む。

本作は太平洋戦争を舞台としながらも、史実にはない展開を描いた架空の戦記漫画である。主人公・赤木を筆頭とするパイロットたちは、何れも元特攻隊に所属していた兵士だ。彼らは特攻で命を散らすことを潔しとせず、あくまで生きて戦い続ける道を選んで隊を離脱したのだ。「ゼロ戦レッド隊」を名乗る彼らは、機体を赤く染めたゼロ戦を駆り、米軍を相手にゲリラ戦を展開。目覚ましい戦果を挙げていく。なお、本作は架空の戦記漫画と言うこともあり、赤木たちの戦い方もひと味違った独特なもの。空中にキラキラと光る破片をバラ撒いて相手を幻惑するといった、奇想天外な戦術を用いているのが大きな特徴だ。

兵器であるゼロ戦が活躍する作品は、血なまぐさい側面を持つものが多いが、本作にそういった要素は一切ない。ゼロ戦を駆る主人公・朝子に、彼女をライバル視するケララを始め、登場する戦闘機のパイロットたちは何れも年若い女性。空戦もペイント弾を使用しているため、死者が出ることはない。朝子たちの戦いの描写はスポーツに近く、物語の雰囲気は至って明るく爽やかなものとなっている。また本作のもうひとつの特徴は、ゼロ戦自体が意志を持って朝子とコミュニケーションを取ること。そんな「ゼロ戦さん」の性格は、面倒見の良い、少々悪戯好きなちょい悪オヤジといった風情だ。彼は朝子に操縦の基礎からライバル機の特性まで、様々なアドバイスを与える。このゼロ戦と朝子の絆も、物語の大きな見所だ。

本作はゼロ戦が活躍するというよりは、そのパイロットが活躍するユニークな学園漫画だ。主人公・旭歳三は、かつて部下たちから軍神と崇められた凄腕の航空隊長である。部下たちを救うため、極寒の孤島にひとりで残った彼は氷漬けとなってしまう。しかし最先端医療を施され、奇跡的に当時の姿のまま現代社会で復活した。かつての部下・松本菊造が理事長を務める、私立松本学園中学の教師となる。そこは札付きの不良たちが集う、最低最悪のヤンキー中学。理事長肝いりの新任教師に反発する生徒たちだが、旭の登場は彼らの度肝を抜くものだった。なんと旭は愛機・二一型ゼロ戦を駆って校庭に着陸したのだ。型破りな着任で「ゼロセン」と渾名された旭は、校内でも指折りの問題児たちを集めて3年Z組を編制。自らが担任となり、真正面から生徒たちにぶつかっていく。やがて、スケベだが男気溢れる旭の姿は、生徒たちの心を変えていくことになる。