新時代の人気者!?動画配信者が登場する漫画作品オススメ5選!57 Pt.

近年実施されたアンケートによれば、子どもたちに人気の職業の1つが動画配信者だという。そんなことからも、近年動画配信者の活躍が良くも悪くも、世間に浸透していることがうかがえる。今回はそんな動画配信者にスポットを当てた注目の作品を紹介する。

作成日時:2020-04-03 10:00 執筆者:マンガペディア公式

新時代の人気者!?動画配信者が登場する漫画作品オススメ5選!

出典:小学館


『死.tv』

『死.tv』

出典:小学館

裏動画配信サイトを舞台に、それに挑む女子中学生の戦いを描いたデスゲーム漫画。世界のVIP会員のみが視聴できる裏動画配信サイト「死.tv(デスドットティービー)」。100人の女性が挑む命がけのゲームがその配信内容だ。ゲームをクリアすればどんな願いも叶えられるが、失敗した場合は死が待ち受けているという。そのゲームに挑む女子中学生・阿修羅野まりあの死闘が描かれる。無実の罪を着せられ、「少女A」としてターゲットとなったまりあの戦いが始まる。

磨き抜かれた金属バットを手に戦う最強の野球少女・まりあ。中学野球初の女子選手となり、天才スラッガーである彼女は、客寄せパンダ「少女A」として、主催者「デスバニー」に強制的に「死.tv」に参加させられる。一癖ある女性参加者たちが、あっさり命を落としていく中、まりあはゲーマーの彦山遊子(ひこやまゆうこ)、通称ピココと組んで死闘を制していく。作中では全身が刺し貫かれる、バラバラに切り刻まれるなどの描写があるが、テンポ良く進んでいる物語につい読み入ってしまう。良エンタメ作品だ。


『パンドラちゃんねる』

『パンドラちゃんねる』

出典:KADOKAWA

動画配信する2人の女性の日常を描いた4コマ形式のショートコメディ漫画。動画配信サイト「ドリームチューブ」、通称「ムーチューブ」で「パンドラちゃんねる」を配信するパンドラと、アシスタントの十和(トワ)の2人の女性。あやしい道具を日夜紹介する2人の、一流「ムーチューバー」を目指す珍妙な日々が描かれる。実はパンドラは秘密の組織に捕らえられたトレジャーハンターで、組織の倉庫に数多存在する道具を鑑定し、配信で紹介するよう命じられていたのだった。

賢者の石、ムラマサブレードなど、あやしいファンタジーアイテムを動画で紹介するパンドラ。組織の倉庫に数多あるそれらのアイテムを紹介しつくすことが、解放の条件だ。こうした設定は一見いかついものの、それを感じさせない作者独自の「ゆるい」内容なので安心して手に取れる作品である。また、彼女らの日常に差しはさまれる漫画、映画、ゲームなど多岐にわたる小ネタ、パロディはどれも秀逸で、作者の引き出しの多さ、奥深さがうかがえる。デビュー作『ぱにぽに』に代表される日常系コメディの名手による、動画配信ライフを題材とした佳作だ。なおVTuberの台頭に焦るパンドラの漫画が、作者のTwitterアカウントで何度か公開され、話題になった。


『てみたー!』

動画配信サイトで「踊り手」として生配信を行う少女と、その視聴者の日常を描いた動画配信ショートギャグ漫画。動画配信サイト「てみたー!」で新人の踊り手として生配信を行う少女「アンナカ・ハルナ」。歌も踊りも下手で、おまけに部屋も汚い彼女ではあるが、そこがいいという熱心なファンがついていた。そんな少し残念なハルナだが、個性的なファンと、一癖ある先輩動画配信者などに囲まれ、今日も生配信を行うのであった。

「踊ってみた」、「歌ってみた」などの「~ってみた」系のライブ配信者、いわゆる「生主」の生態を描いたギャグが痛快な本作。冒頭では生配信中、ハルナはつまずいて下着が丸出しのまま失神してしまい、ライブ配信でそれが流れたために閲覧者数が1位になるというハプニングから始まる。それに関し、閲覧者からは辛辣なコメントが多数よせられ、リアルではいわゆる「豆腐メンタル」なハルナは落ち込んでしまう。だが、1人のファンの叱咤激励のコメントを見て、惚れ性な彼女はそのファンに好意を抱いてしまうのであった。ネットとその周囲にあふれる濃い要素を煮詰めたような作品だ。ネットの負の部分までも笑い飛ばしてしまえる快作である。


『EDENS ZERO』

『EDENS ZERO』

出典:講談社

機械と暮らす少年が、ある日出会った少女らと宇宙の旅に出るSFバトル漫画。ただ1人の人間として、機械の惑星グランベルで暮らす少年「シキ・グランベル」。ある日、その星に100年ぶりの来訪者が現れる。それは、動画配信者の少女・レベッカと青猫のハッピーだった。初めて出会う自分以外の人間であるレベッカと友だちになりたいと願うシキ。ともに暮らした機械との悲しい別れを経て、シキはレベッカたちと「桜宇宙(サクラコスモス)」へ旅立つのであった。

レベッカは動画配信サイト「B・キューブ」で「AONEKOチャンネル」を運営している動画配信者。いわゆる「B・キューバー」であるレベッカは各地の面白動画をハッピーとともに配信しているが、運営するチャンネルの人気はイマイチである。レベッカらの所属する冒険者ギルド「流星の灯(ともしび)」に加わったシキは、彼女たちや旅先で出会う仲間たちとともに魔王戦艦「エデンズ ゼロ」に乗って、桜宇宙の伝説の存在「マザー」に会うために旅をするのであった。剣と魔法の世界を舞台にし、人気を博した作者の代表作『RAVE』や『FAIRY TAIL』とは打って変わって、本作は宇宙が舞台のSF大作である。作者の新たな意欲作であり注目作だ。


『モンキーサークル』

『モンキーサークル』

出典:日本文芸社

撮影のために山に入った動画配信者たちを襲う惨劇を描いたパニックホラー漫画。荷物持ちとして動画配信者らに雇われた主人公の青年・シマ。猿人を探すという名目で山中を撮影して歩きまわるモラルなき一行は、突如熊に襲われる。逃げまどう一行の前に現れたのは1匹の巨大な「猿」であった。異色の山岳パニックホラー漫画として好評を博した『モンキーピーク』の外伝的作品で、同作の謎の殺戮者「猿」が本作にも登場する。なおその続編に『モンキーピーク the Rock』がある。

人気動画「リョウちゃんねる」の配信者・リョウと、シマたちスタッフを含む一行10人が、山中での撮影中に惨事に巻き込まれる本作。ホラー映画などで真っ先に殺害されそうな、いわゆる死亡フラグを建てるキャラが多数登場する。近年後を絶たない動画配信者の迷惑行為を風刺しているようでなかなか痛烈だ。動画配信者一行が、一人また一人と無残に手にかけられていく様子は恐ろしくも、次は誰がどのようにやられるのかが気になってしまう。また、ホラー映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のように、一行のパニック状態をカメラ越しの映像で演出する工夫など、臨場感たっぷりに恐怖が描かれる。本編『モンキーピーク』と同じ作画・原画タッグが手がける安定の良質パニックホラー漫画だ。


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