夏だ！　祭りだ！　恋するティーンの夏祭りデート32 Pt.

入学や、クラス替え。緊張の一学期を経て、まちにまった夏休み。片思いもカップルも、二人の距離が縮まるイベントが目白押し！ でも時には、恋の転換期にもなる!?

お互い影響を受けながら、気が付けば大親友になっていた由奈と朱里。恋に内向的で片思い、一方通行の由奈と、恋に積極的で慎重だったはずなのに先走る、朱里。性格も恋の進め方も対照的な２人は、協力してそれぞれの思い人と夏祭りデートをすることに！　高校時代の「制服を脱いで私服で会う」というイベントは、ただでさえトキメキも大きくなるもの。ゆかた姿で挑む夏祭りデートで、ヒロイン２人の恋が大きく動き出す。それぞれの「思い」の矢印はどこへ向けられるのか、夏祭りでの男子達の動きにも注目したい。

思うことは簡単でも、それを伝えるとなると途端に難しくなってしまう、「恋」。しかも、思いが相手に通じるまでの道のりは容易ではない。『虹色デイズ』などで個性豊かな男子高校生達の恋模様を見事に描いた、作者・水野美波。今作では、さらに個性豊かな登場人物たちの思いが複雑に交差する。夏祭りで英二が狐のお面で顔を隠す場面は、まるで自分の感情を周りに悟られまいとしているような、印象的なシーン。恋に無邪気な太一や、親友の直彦に囲まれて、英二の恋はどのように変化していくのだろうか。

複雑な家庭環境から、自分が傷つかないように周囲を拒絶してきた主人公の銀河。寂しさと眩しさがたくさん詰まっていた毎日が、椿たちと出会い、少しづつ温かいものに変化していく。はじめは、恋の「好き」と友情としての「好き」の区別がつかなかった銀河だが、椿への「好き」を自覚しはじめ、やがてそれが恋だと自覚していく。そして、周りもそんな銀河の変化に影響されていく！　物語終盤、椿の恋を見届けた銀河は、勇気をだして椿を花火大会のデートに誘う。楽しい時間を経て、実家に戻る決意をする銀河。そこから、銀河と椿の新たなる関係が始まる。

お互いの失恋から始まった、小春×峯田の凸凹コンビは、いつの間にか、名前で呼び合う「彼氏彼女」の関係に発展。二人で色々なことをして毎日楽しく交際していたが、突然、峯田の留学が決まってしまう。離ればなれになるというのに、ちょっとしたことで関係がこじれてしまい、ふたりの恋は大ピンチ！　せっかくの夏祭りも意地を張って一緒に行くことができなかったけれど、峯田が小春に歩み寄り、花火大会でデートをやり直す。お互いの気持ちを確かめあった二人の恋の結末は、ぜひその目で確かめてみよう。

新天地での心細さを表現することができないでいた瑛茉は、マンション「メゾン・ミルフィーユ」に住む素敵な仲間たちと出会った。”ここが自分の居場所”と感じはじめ、人生で初めての恋がスタート。櫛谷の見た目と中身のギャップに惹かれた瑛茉は、やや強引につきあい始める。二人の交際によって、まるで化学反応のように少しづつ変化していく「メゾン・ミルフィーユ」の人間模様。そして、銀鼠町での初めての夏祭りは、楽しい思い出になるはずが、瑛茉にとって少し切ない出来事が起きてしまう。2学期には新たな人物も登場し、物語はますます賑やかになっていく。