同窓会を舞台にミステリー・シリアス展開される漫画オススメ５選！1,325 Pt.

本作の物語は、世紀末を目前に控えた1997年から始まる。主人公であるケンジの周辺で、奇妙な事件が頻発。それらの事件の背後には「ともだち」と呼ばれる謎の人物が関わっていた。そして事件は、「よげんの書」をなぞるように展開していく。「よげんの書」とは、オカルトブームと共に流行した終末思想に感化され、少年時代のケンジが仲間と共に創った他愛もない夢物語。地球の滅亡を企む悪の秘密組織と、ヒーローとなった自分たちが戦うというものだ。つまり「ともだち」はケンジの幼馴染みの内の誰かということになる。そんな中、ケンジの小学校のクラス会（同窓会）が開催。ケンジは和やかに語り合う旧友たちに混じり、「ともだち」の正体を探っていく。

本作における同窓会のエピソードは、第4巻に収録されている『パラレル同窓会』だ。多元宇宙論によると、宇宙には無数の平行世界が存在し、人が選択を行った数だけ世界は分岐していく。例えば高校卒業時に自分が大学進学を選んだ世界と、就職を選んだ世界が平行して存在するのだ。パラレル同窓会とは、そんな分岐した自分たちが一生に一度、一堂に会する集いである。主人公の高値望彦は、極東物産の社長を務める53歳の男性だ。人生の転機において、常に正しい選択をしてきたと自負する望彦だが、パラレル同窓会に出席した彼は全く異なる人生を歩む数多くの自分を目にして、複雑な想いを抱いていく。まさに藤子・Fテイストに満ちた不思議な物語だ。

数々の事件を扱ってきた本作には、同窓会絡みのエピソードも存在する。それはコミックス第9巻に収録されている『小五郎の同窓会』だ。栃木県の温泉旅館「弁慶」で米花大学柔道部の同期生による同窓会が催されていた。小五郎は娘の蘭とコナンを伴って同窓会に出席。そしてその夜、事件は起こる。同期のマドンナ的な存在だった堀越由美が、何者かに殺害されたのだ。小五郎は現場の状況から同期の誰かの犯行だと推理し、必ず自分の手で犯人を暴くと決意する。普段ならコナンが麻酔銃と変声マイクを使って「眠りの小五郎」の出番となるところだが、今回はさりげないヒントで小五郎を誘導。彼の想いを汲む形で、事件を解決に導いていく。

本作における同窓会絡みのエピソードは、コミックス第5巻に収録されている『同窓会星団』だ。主人公の砂川は、40代の商社マン。高校卒業25執念を記念する同窓会に出席した彼は、高校時代につき合っていた小倉美智子と再会する。当時初体験に失敗した気まずさから疎遠になってしまった2人だが、近況を語り合ったことでいまの自分たちが似通った境遇にあることを知る。砂川は海外赴任中に事故で妻を亡くし、幼い息子と2人暮し。一方、美智子も夫の浮気が原因で離婚したばかりで、息子と2人暮しをしていた。2人は互いの傷を舐め合うように肌を重ね、かつての想いを燃え上がらせる。ところが、彼らの恋路には意外な展開が待ち受けていた。

主人公である葉山良介たちのクラスメイトだった奥村切子は、15歳という若さで自殺してしまった学校のアイドル的な存在。葉山は当時から、彼女の死に疑問を抱いていた。切子の死の真相を解明したいという理由から参加した葉山の思惑を余所に、同窓会は和やかな雰囲気で進んでいく。しかし、しばらくして中座していた元クラスメイトの１人、平野理緒の悲鳴が響いてくる。トイレに向った一同が目にしたのは、首を切断された理緒の死体。信じられない事態に動揺する良介たちだが、それは惨劇の幕開けに過ぎなかった。豪雨による土砂崩れで陸の孤島と化した廃校を舞台に展開される、ミステリータッチのホラー作品だ。