「3月のライオン」、モデルとなった名棋士たち1,054 Pt.

幼くして親と死別した15歳の天才棋士、桐山零の心の成長と、将棋のプロという狭く厳しい世界で生きる男たちのドラマを描いた人気作品です。
作者の羽海野チカは、大ヒット少女漫画「ハチミツとクローバー」で知られる人気作家で、独特の淡い画は男女問わず多くのファンを魅了しています。

2009年「マンガ大賞」第二位、2011年「全国書店員が選んだおすすめコミック」第二位、そして今秋からアニメ放送が決定し来年には実写映画化も決定、今や漫画界最注目の作品と言えるでしょう。

作中にする登場する棋界最強の男であり、物語当初から名人に在位している人物です。
棋風は変幻自在、あらゆる戦型を指しこなすオールランドプレーヤーで、強豪ひしめく将棋界でも抜きんでた存在として描かれています。
モデルとなった棋士は谷川浩司九段（現日本将棋連盟会長）と、羽生善治名人の二人で、どちらも永世名人の称号を得ている大棋士です。
谷川浩司九段はその芸術的な寄せ（相手の玉を詰ますこと）から「光速流」の異名を持つ棋士で、その実績と品行方正な性格からファンが非常に多い棋士です。現在では日本将棋連盟の会長も務めています。
一方、羽生善治名人も言わずと知れた大棋士で、20代半ばで棋界タイトル七冠を独占したニュースは、将棋ファン以外でも記憶している人は多いのではないでしょうか。その後も数々の記録を塗り替え続けるまさに将棋界の顔で、宗谷名人のオールランドプレーヤーという点はこの羽生名人をモデルにしたと言えるでしょう。

主人公の桐山くんの友人であり、ライバルとして登場する人物。夭折した天才棋士、村山聖九段をモデルとしたと言われており、作中の中でも人気のあるキャラクターです。
村山九段は幼い頃から腎臓を患っており、棋士になってからも病とたたかいながら将棋を指し続けた人物です。「東の羽生、西の村山」と称されるほどの才能を持ちながら、1998年、29歳の若さで亡くなりました。
作中の二階堂くん同様、大きな体躯と人懐っこい笑顔で、棋士仲間からも愛された棋士だと言われています。

以上、「3月のライオン」モデルとなった棋士紹介でした。モデルとなった人物を知ることで、作品にもより深くハマれるのではないでしょうか。