2019年上半期新作ランキングをご紹介！78 Pt.

裏社会で生きるイケメンと恋に落ちたヒロインの、危険と隣り合わせの甘くラブラブな恋物語漫画。ヒロインのユリはモデルに間違えられるような美人の女子大生。しかしとても気が強い性格で、違法ドラッグを扱うガラの悪い男たちを相手に啖呵を切る度胸の持ち主だ。そんな彼女を救った桜夜組の若頭・桜夜は、ヤクザでありながらインテリ風のイケメンであり、立ち居振る舞いは非常に紳士的だった。危ないところを助けられたユリは、その日から桜夜のことばかり頭に浮かぶようになってしまう。ユリは、意を決して桜夜に会いに行く。お互いに住む世界が違うふたりの恋と、過激なラブシーンから目が離せない漫画作品だ。

小説投稿サイト「小説家になろう」で人気を博した小説のコミカライズ作品。物語の舞台は中世の中国に似た架空の国。主人公の猫猫は花街で育ち、人間の欲望や醜い側面などを見ていたため少女らしい感性に乏しく、大人びた考えをしている。人さらいにより売り飛ばされて後宮で働くことになっても、冷静に自分の立場を見極め、化粧でわざとそばかすを作ったり、目立たぬようにして無能を装っていた。しかし続発する御子たちの死が明らかに毒によるものだったため、放っておけず思わず投げ文で警告。それが切っ掛けとなり、宦官の壬氏にその能力を認められてしまう。猫猫は壬氏の元で、後宮に渦巻く陰謀に関わる事になってしまうが持前の好奇心と知識欲から自ら謎にのめり込んでいく。

汗っかきなヒロインと、彼女のにおいを嗅ぎたい男の純愛「においフェチ」ラブコメ漫画。ヒロインの八重島麻子は子供の頃は「汗子」と呼ばれ、汗っかきなことをからかわれていた。すっかり汗がコンプレックスになってしまった彼女は、「リリアドロップ」の石鹸や汗拭きシートで心癒される日々を送っている。そんな彼女の「汗」を、リリアドロップ商品開発部の名取香太郎はいい匂いだと絶賛し、商品開発のために嗅がせてほしいと懇願。自分の愛用していた商品が、彼の作った商品だと知った麻子は羞恥心に耐えながら協力することに。においというフェチ性の強い要素を主題としながらも、純愛まっしぐらなふたりのラブストーリーから目が離せない漫画作品だ。

主人公のひばりは外見や振る舞いをしとやかにし、恋愛に縁のない女に思われないよう気をつけている。しかし過去のトラウマから不感症になってしまっており、まともに男性と付き合えずにいた。一方その原因となった大学時代の元彼である柳も、初体験の失敗からEDとなっていた。偶然に再会したふたりは、お互いにやり直したいと考える。初体験の失敗から立ち直るために、もう一度ふたりは肌を重ねてみる。ひばりはかつてないほどに感じている自分に驚き、柳への諦めきれない想いを再確認する。柳もまた、ずっとひばりのことを忘れられずにいたことに気づく。しかし彼にはひばりを選ぶことができない事情があった。心だけではなく、体でもちゃんと恋愛をしたいというヒロインの心情を描く複雑な恋愛物語漫画だ。

本作の主人公・久能整は人目を引くアフロヘアが特徴の大学生。変わり者で友人も恋人もなく、マイペースに一人暮らしを楽しんでいる。そんな彼は、周囲の些細な言葉や様子を観察・記憶し、そこから普通では気がつかない事実を見抜く判断力を持っている。最初に遭遇した事件でも、彼は状況証拠から完全に犯人と目されていた。しかし徐々に取り調べにやってくる刑事たちと会話を重ねることで、いつしか一部の刑事は久能に信頼を寄せていく。そして味方となった刑事たちの協力の元、事件の真実が明らかになる。マイペースに語る久能の言葉はその場の空気を読まないものだが、ただ事実を語るそれは人の心に強く響く。久能がたびたび披露するこの「語り」もまた、謎解きと並び本漫画作品を彩る重要な魅力だ。