M男の課長とサディストの素質を秘めた新人OLが繰り広げる恋愛模様を描いたラブコメディ。主人公の螻川内美々子(けらかわちみみこ)は、住宅総合メーカーに勤める受付嬢。上司の蛇沢順(へびさわじゅん)課長は、高学歴で社内ではトップの営業成績を収める優秀なエリート社員だが、女性に罵倒されて喜ぶドMだった。そんな蛇沢から何故かご主人様扱いされ、戸惑っていた美々子だったが、次第に眠っていたSの血を目覚めさせていくと同時に、蛇沢に特別な思いを抱くようになる。
本作に登場するヒロインは、上司でM男の蛇沢からご主人様認定されてしまったOLの美々子。彼女は童顔で背も低く、見た目的にはSのイメージは全くない。だが、実は母親からSのDNAをしっかり受け継いでおり、徐々にその才能を開花させていく。美々子がご主人様認定されたのは、彼女がまだ新入社員だった頃に男性社員に罵詈雑言を浴びせている現場を蛇沢が偶然見ていたことがきっかけ。最初は嫌々ながら蛇沢の相手をしていた美々子だったが、S女として開花してからは行動がエスカレート。二人のSMの関係は相性ピッタリで、やがて恋愛模様へと発展していく。蔑みの表情もパーフェクトで、可愛らしい見た目に反してS女であるというギャップに惹かれる読者も多いのではないだろうか。
作者の「エム。」自身を主人公とし、M男の性癖や体験談を基に身近な下ネタやAVネタを描いたエッセイ風ショート漫画。作者は小学4年生の頃から既にM男としての自覚があった筋金入りのマゾ気質。お決まりの風俗サービスより、素の会話の際に蔑みの表情を向けられることに喜びを感じてしまう。M男として目覚めた小学校時代の話、通い詰めている風俗店やお気に入りのAVの話を通じてM男の哲学が語られている。また、前書きでは作者が本作を描くまでの経緯が紹介されている。
本作はS嬢に関する話やM男独特の面倒臭さなど、下ネタを中心に描かれている。特筆すべきことは、主人公の「Mさん」と作者が同一人物であり、作者の実体験を基に描かれていることだ。作者は小学4年生の時、後ろの席のSっ気のある女子に、度々からかわれていたことからMの素質が開花。作り物ではない本物のM男だからこそ語れる哲学やリアルな体験が詰め込まれているところが見所だ。行き付けの風俗店やSMクラブでのS嬢とのやり取りの中にもM男の譲れないこだわりが炸裂しており、S嬢の蔑んだ表情は必見。Mさんの容姿が愛嬌のあるチビキャラのような姿で描写されていることもあり、リアルさとコミカルさが丁度良いバランスに配合されている。
平凡に生きてきた高校教師が謎めいた女に捕らわれ、周囲の人間たちも事件に巻き込まれていくサイコホラー漫画。岩野裕行は子供が生まれたばかりで仕事も私生活も順調だった高校教師。しかし、謎めいた見知らぬ女「カコ」に拉致されたことで日常が一変する。全裸で監禁された上に凌辱され、解放されてからも地獄は続いていく。カコとは一体誰なのか、何が目的なのか。裕行は追い詰められながらも大切な者を守るためにカコの正体を突き止めようとする。
本作に登場するS女は、謎めいた女性の「カコ」。主人公の裕行の前に突然現れた彼女は、彼を全裸で監禁して辱めるだけでなく、文化祭では彼の過去の情事の音声を流し、家庭を崩壊させた。カコはひたすら自分を思い出せと言い募り、何が目的か当てさせようとするが、裕行は彼女に見覚えがなく、さっぱり見当がつかない。カコは常軌を逸した危険人物であり、自分が邪魔だと感じた教師・柴田茜やその恋人・皮谷健(かわたにたけし)を殺害。裕行は次第に追い詰められるが、彼女の正体を掴む糸口は、自身の過去に繋がっていた。話が進むにつれて裕行の犯した罪が明らかになっていき、カコの正体にも近付いていく。スリル満点の展開にページをめくる手が止まらなくなること請け合いだ。
平凡なサラリーマンが美女の後輩と結婚したことをきっかけに、穏やかだった日常が崩れゆく様を描いたサスペンス漫画。デザイン会社に勤務する深間優大は、新入社員の西倉穂花(ほのか)に一目惚れし、プロポーズするが、彼女から奇妙な二つの結婚条件を突き付けられる。一つ目の条件の「会社を辞めること」には素直に応じたものの、二つ目については本気にしていなかった。しかし、結婚初日から本当に二つ目の条件通り「監禁されること」になり、美人妻に全てを管理される日々が始まったのだった。
本作では、主人公の優大を監禁して自身の管理下に置こうとする妻・穂花の歪んだ愛情の形が描かれている。優大をベッドに縛り付けて動けないようにし、「食事」「入浴」「排泄」「射精」など、日常生活の全てを支配する穂花は正にS女。実は父親からDVを受けて育った過去があり、彼女の愛情表現の歪みはその生い立ちが大きく影響していた。優大は穂花の過去を知って「心の監禁」を受け入れようとし、幸せな結婚生活が始まるかのように思えた。しかし、元カノの香織、令嬢のあやめなど、妻以外にもS女が次々と現れ、その度に優大は彼女らの罠にかかり、監禁されてしまう。更には穂花の抱える闇も深まっていき、読み進める内に怒濤の展開に惹き込まれることだろう。
高校生男子が謎めいた美女5人に拉致監禁され、拷問されるミステリー漫画。月宮ツカサは、女子たちから告白されることが多いイケメンの高校生男子。他の男子からは羨ましがられていたが、ツカサは密かに担任教師・桜野結衣に憧れを抱いていた。そんなある日、彼は突然何者かに襲われてしまう。ツカサを拉致したのは、心を寄せていた桜野を含む謎めいた美女5人。監禁され、理不尽な拷問を受けながらもこの地獄から抜け出す糸口を掴もうとする脱出ゲームが始まった。
本作では、正にタイトル通り主人公のツカサが「玩具」扱いされ、ドS美女集団から酷い扱いを受ける様が描かれている。「拷問」と一言で言っても、鞭打ちや爪剥がしなどの肉体的苦痛から女装姿での剃毛などの精神的苦痛まで、その種類は多岐にわたる。ツカサを恨み、拷問を強いる美女は5人いるが、その中でも注目すべきは黒幕の桜野だ。彼女は担任教師という立ち位置を巧みに利用して周囲の人間を騙し、ツカサの家族も味方につけて彼を肉体的にも精神的にも追い詰めていく。ツカサは脱出のために美女たちを籠絡しようとし、エロティックなシーンが増えていき、展開が進むにつれてより一層過激になっていく。脱出チャレンジと美女たちの迎撃との攻防が本作の大きな見所だ。