魅力的な「マリア」特集!オススメ漫画5選32 Pt.

本作には、三千院家で働くメイドの「マリア」が登場する。ハヤテとナギの間にある、「誘拐」と「告白」という誤解に気付いている唯一の人物だ。クリスマスイブの夜に、教会のマリア像の前で拾われたことが名前の由来だ。4歳の頃から三千院家におり、ナギの家庭教師となったため、付き合いは長く信頼も絶対だ。まだ17歳という若さながら落ち着いており、包み込むような優しさで周囲を癒す魅力的なマリアに、ハヤテが赤面することも多い。しかし、実は怒らせるとかなり怖い一面も。ハヤテとナギを中心としたハイテンションギャグ漫画の中で、ツッコミ役を果たすマリアは、オアシス的役割も担っている。

本作に登場する「マリア」は、中世の百年戦争時代に、フランスの村外れの森に住んでいる魔女だ。日頃は、村人の薬の調合などをしているマリアの願いは「世の中の平和」という純粋なものだが、天界の神々は、上から見ているだけで人間を救わない。そのことに不満を持ち、方針に背いてでも、魔力を用いて自分ができることをしている。大嫌いな戦争を食い止めようと、男たちに淫らな夢魔を放つのもそのひとつだ。しかし、マリア自身は処女であることを、使い魔たちにからかわれている。マリアを慕う少年兵・ジョセフの想いにも気付けない鈍感さもまた彼女の魅力だろう。健気なマリアの願いを踏みにじるかのように、人間の欲望は広がるばかり。やがて大天使・ミカエルとも対立し傷ついていくが、周囲の助けも借りながら立ち向かっていく姿が魅力的に描かれている。

本作の舞台は、マリア様に「今日一日正しく暮らせますように」と祈りを捧げる女生徒が集う私立リリアン女学園高等部。銀杏並木の先に聖母マリア像が安置された「マリア様のお庭」があり、生徒の心の拠り所となっている。上級生と下級生の間柄が、「スール」という独特な制度で結ばれているこの学園。上級生が授けたロザリオを下級生が受け取ることでスールが成立し、特別に親しい間柄となる。メインで描かれるのは、生徒会の一員で全校生徒憧れの的である「紅薔薇のつぼみ」こと祥子と祐巳がスールになるまでと、なってからの出来事だ。時には微笑ましく、時には切なさをもたらすスールというシステム。登場人物が多いので、他にも様々なスールのエピソードを楽しむことができる。

本作の舞台となる「天の妃女学院」の「天の妃」は「マリア」を意味する。幼等部から短大まで一貫した教育を行うミッション系の女子校だ。鞠也が女装しているのは、「鞠也と（妹の）静珠がそれぞれ異性装して通学し、本当の性別が周囲に知られなかったほうを理事長にする」という祖母の遺言によるもの。本人の趣味ではないが、男であると分かっていても、美少女好きなかなこが鼻血を噴くほどの美しさだ。もともとドSの鞠也は、かなこをいじることを楽しんでいるが、彼女の暴走や妄想がひどすぎて苦労することもある。ちなみに、性別を入れ替える際に名前を交換しているため、男装している妹・静珠の名が鞠也の本名だ。個性豊かな登場人物も加わり、賑やかな学園生活が繰り広げられる。

本作に登場するマリアは、「マグダラのマリア」を名乗る女性。「マグダラのマリア」は「罪深い女」や「悪女」のイメージが強いが、実際のところは謎に包まれた存在だ。本作の「マグダラのマリア」も、初登場の際に、夫・竹澤賢治の浮気調査を依頼する夫人として明智の前に現れ、本名は明かしていない。調査後に夫を殺害し、自らも投身自殺をする。しかし、彼女は「マグダラのマリア」を名乗り生きていた。次々と人を殺めていくマリアと、その事件に彼女の影を感じながら捜査をする明智。追う者と追われる者、2人の間に”愛”ともいえる感情が生まれていく。