概要・あらすじ
中世ヨーロッパ、百年戦争中のフランスで、戦争嫌いの魔女マリアは、サキュバスのアルテミスやドラゴンを使役し、戦場を混乱させる日々を送っていた。しかし、これは天界の方針にそぐわない行動であったため、大天使ミカエルから「純潔を失うと、魔女としての能力を失う」という制約を受ける。また、魔術を人前で使用することを禁止され、この禁を破った際はミカエルの放つ槍により天へ還されるとされる。
登場人物・キャラクター
マリア
『マリアの森』に住む純潔の魔女。強大な魔力を持っており、サキュバスやドラゴンなどを使役することができる。戦争が嫌いで、矢文での依頼により、強大な魔力を使って、これを撹乱している。魔力を見せつける形で戦争を終結させようとすることもあるが、これが天界の意向にあわず、大天使ミカエルから「純潔を失ったとき、魔女としての能力を失う」という制約を受ける。 また、魔術を人前で使用することを禁止され、この禁を破った際はミカエルの放つ槍により天へ還されるとされる。処女であることをからかわれるとキレるなど、性格は子供っぽく、短気で乱暴。
アルテミス
マリアの使い魔のサキュバス。露出度の高い衣装を着た魅力的な女性の姿と、白いフクロウの姿を持つ。使い魔ながら、主人であるマリアが処女であることをからかうなど、態度は大きめ。
プリアポス
マリアの使い魔。サキュバスの魅力が通じない男性のために作り出されたインキュバスのはずだったが、雑用係として働いている。穏やかでお人よしの性格。マリアに対する忠誠心は厚い。ジョセフに似た青年の姿のほか、アルテミスと同じく、白いフクロウの姿を持つ。
エゼキエル
大天使ミカエルがマリアの監視役として遣わした天使。少女、あるいは胸に十字模様のある白い鳩の姿をとる。任務に対し真面目で、天界の意向を無視するマリアとは反目しているものの、行動を共にするうち、彼女の考えに共感を持つようになり、使命との板挟みに悩む。
ジョセフ
フランス軍通信兵の男性。誠実で紳士的な性格をしている。マリアに深い好意を寄せており、危機の際にはミカエルにさえ弓を引いた。
ビブ
イングランドの魔女。雇われ主によっては敵対関係の立場をとることもあるが、基本的には好意的。マリアに強い興味を持っている。過去、マリアに命を助けられたことがある。
大天使ミカエル
天の意向に反し、戦争に直接介入し、魔力をもって収めようとするマリアを止めるため、「純潔を失ったとき、魔女としての能力を失う」という制限を与える。
エドウィナ
フランスに住む魔女。重傷を負ったマリアを抱えたビブが家に転がり込んだことから、彼女たちに巻き込まれる。迷惑に思いながらも、気弱でお人よしな面があり、ふたりを追い出すことができない。少女に姿を変えることのできる猫を使い魔にしている。
アン
マリアが居住する森の近くにある村に住む少女。祖母であるマーサの薬をもらうために、度々マリアの家を訪れる。好奇心が強く、明るい性格をしている。
マーサ
マリアが居住する森の近くにある村に住む老人。マリアに薬を頼むことが多く、孫であるアンを使いに出すこともある。
クロード
『純潔のマリア』の登場人物の女性。異端で捕まったことから黄色い十字をつけたフードを被らされているが、現在はローマカトリックに改宗している。元は孤児で、育ての親と共に異端として密告された。買い物に来たプリアポスと知り合ったことから、マリアに危機を救われる。
ヴァルキリー
『純潔のマリア』に登場するキャラクター。戦場で死んだ戦士をヴァルハラへ連れて行く枠割を持つ。フランスとイングランドの戦いの行方を見守っていたが、ミカエルから立ち去るよう告げられ、戦場を去る。
シェフ
『純潔のマリア』の登場人物の男性。フランス軍傭兵部隊を率いる。アンが住む村の神父からは司令官と呼ばれている。いっときはイングランド軍に参加していた。アンの住む村を襲い、部下に略奪や強姦を許可した。
イベント・出来事
百年戦争 (ひゃくねんせんそう)
『純潔のマリア』での出来事。フランス王国の王位継承をめぐり、ヴァロワ朝・フランス王国と、プランタジネット朝およびランカスター朝・イングランド王国の間でおこった戦争。1337年(一説に1339年)から1453年までの対立状態が続いた。このうち、『純潔のマリア』では、フランス内で起こった戦闘を描いている。