なぜ惹かれるのか? 廃墟を舞台にしたオススメ漫画5選!103 Pt.

単純に築年数が古くなった建物や、文明が崩壊した世界に広がる「廃墟」。その荒廃した雰囲気や朽ち果てた建築物には独特のはかない美しさがあり、魅力を感じるファンも多い。今回はそんな、廃墟を舞台に描かれた作品をご紹介しよう。

作成日時:2023-05-07 19:00 執筆者:マンガペディア公式

なぜ惹かれるのか? 廃墟を舞台にしたオススメ漫画5選!

出典:小学館


『あげくの果てのカノン』

『あげくの果てのカノン』

出典:小学館

不倫と異星生物との戦いを描いた、異色のSFラブストーリー。舞台は異星生物、通称「ゼリー」が襲来した近未来。ゼリーの被害が世界中に及ぶ中、東京でも一部の住民は地下に避難して暮らしていた。ゼリーに対抗するための異星生物駆除部隊SLCは戦闘で負傷すると「修繕」という処置を受け傷を癒やしていたが、その副作用で性格が変わってしまう「心変わり」という現象を起こしていた。主人公の高月かのんはそんな異星生物駆除のヒーローに憧れ、道ならぬ恋の道へと踏み込んでいく。

本作の主な舞台は、異星生物「ゼリー」の襲来によって機能停止状態におちいった東京都永田町。主人公のかのんはそこで、ケーキ屋のアルバイトとして働いていた。そこは、異星生物駆除のヒーローとして有名な境宗介(さかいそうすけ)の職場の近く。かのんは高校時代に先輩の宗介に告白し、ふられている。だが彼女はすでに既婚者である宗介に、いまだストーカーじみた執着と恋心を抱いていた。そんな宗介が所属するSLCの戦闘員は、戦闘で負傷すると、人体にゼリーの細胞を移植して欠損部を再生させる「修繕」という処置を受ける。しかしゼリー細胞の影響で「修繕」後の人間には、性格や嗜好が以前と変わってしまう「心変わり」と呼ばれる現象が置きていた。宗介は心変わりの影響で、結婚している身でありながらかのんと急激に距離が接近。ふたりは異星生物との戦いの傍ら、壮絶な不倫関係へとおちいってゆく。


『廃墟のメシ』

『廃墟のメシ』

出典:amazon

千数百年後の未来を舞台に、失われた「食べ物」をめぐるSF作品。人間の食べ物は、無人工場が生み出す完全食品「コモンブレッド」のみという時代。かつての大都市は廃墟となり、人々は「コモンブレッド」の生産プラントの周りに町を作り暮らしていた。主人公である探索師のハルカは、コモンブレッド至上主義をかかげる「教会」の目を盗みながら、禁忌とされている「食べ物」の存在を探していた。

本作の舞台は、人類が覇権を失ってから千数百年の時が過ぎた時代。人々は「教会」が分配する完全食品「コモンブレッド」だけを食べ物として食し、生きていた。人は皆味という概念すらわからず、コモンブレッド以外の食べ物の存在は都市伝説として語られるのみ。人々は完全食品生産プラントの周りに町を築き、細々と生活していた。探索師の少女ハルカは廃墟化した都市の跡を探索し、遺物を回収することで生計を立てていたが、彼女には禁忌の食物「カレー」を見つけ出すという真の目的があった。ある日、コモンブレッド至上主義をかかげる「教会」の目を逃れながら危険な廃墟を渡り歩くハルカは、985年間がれきの下にいたというAIソルと出会う。ソルと共に旅に出たハルカはついにカレーを発見することに成功するが、そこに教会の手が迫っていた。


『廃墟少女』

『廃墟少女』

出典:講談社

『廃墟』『こわれゆくもの』をモチーフにした、幻想オムニバス作品。主人公の峠風子(とうげかぜこ)は、町はずれの工場に閉じ込められるという「廃墟事件」の被害者だった。彼女はその事件についてなぜかほとんど何も覚えておらず、現在も犯人は捕まっていない。ある日幼なじみの百花(ももか)から大事な話があるといわれた風子は、突然彼女に気絶させられ、目覚めた時は廃墟で鎖に繋がれてしまっていた。

本作の主人公である風子は3年前の夏、町はずれの工場廃墟に閉じ込められ、5日後に自力で脱出したという経験がある。その事件について「男に閉じ込められた」ということ以外の記憶がない風子は、入学早々クラスメイトたちから無神経な視線を向けられていた。そんな風子に、幼なじみの百花が大事な話があるからと、自分の家に泊まりに来てほしいと誘う。だが百花の家に行く途中、彼女によって気絶させられた風子は、かつて閉じ込められていた廃墟へ連れ込まれてしまった。百花によるとこの廃墟は3日後には取り壊されることが決定していて、あちこちにダイナマイトが仕掛けられているという。3日後に爆破されるまでの間に、3年前に風子が落とした忘れ物を見つけ出してほしいと告げる百花。風子は廃墟を探索する中、やがて事件の記憶を取り戻していく。


『るいるい』

『るいるい』

出典:amazon

女子高生の日常と廃墟の魅力を描く、日常系廃墟漫画。主人公の羽山ほのかが春から通う朝佳高校には、老朽化した旧部室棟がある。築数十年という人影のないその建物で人影を見たほのかだったが、友人は信じてくれない。真実を確かめるために旧部室棟を訪れたほのかは、そこで水沢柚姫(みずさわゆずき)という少女と出会うのだった。

主人公の羽山ほのかは、この春から朝佳高校という進学校に通う高校1年生。朝佳高校の中庭の横には、老朽化しボロボロになった旧部室棟があった。その中に美少女を見かけ、気になって旧部室棟を訪れた、その中で佇んでいた水沢柚姫に出会う。彼女は声をかけられると驚いて転んでしまうなどドジっ娘で、ほのかのなぜこんなところにいたのか、という質問に、「綺麗だったから見てた」と答える。彼女の語る廃墟の「綺麗」さがわからないほのかだったが、柚姫は時間帯が悪いとして、明日の放課後にもう一度来てほしいというのだった。


『少女終末旅行』

『少女終末旅行』

出典:新潮社

終末世界を旅するふたりの少女の、ほのぼのストーリー。文明が崩壊した世界をさまよう少女、チトとユーリ。広大な廃墟が広がる世界を、ふたりは食料と燃料を求めて旅する毎日を送っていた。ユーリの思いつきから廃墟のトンネルの中に入りこんで何日もさまよってみたり、最後のスープをで分けあって飲んだりと、先の見えない毎日でもふたりは楽しく、力強く暮らしていく。2017年TVアニメ化。

本作の主人公であるチトとユーリは、幼いころから姉妹のように育てられた。文明が崩壊し、ほとんどの人間がいなくなってしまった廃墟を、ふたりは愛車のケッテンクラートに乗り日々物資を求めてさまよい続けている。食べ物も燃料も自分たちで探さないといけない毎日だが、廃墟の最上階を目指してふたりは希望を失わず旅を続けていく。自分たち以外の生存者と出会い交流を持ったり、色々な食料を発見しては食べてみたりと、終末世界でもチトとユーリはほのぼのとした毎日を過ごすのだった。人々が死に絶え廃墟が広がる世界で、少女たちが生と向き合っていく姿を描く。


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