異世界に転生した幼女が、さまざまな困難に負けず成長してゆくほのぼの奮闘記。主人公は、前世で愛する家族に見守られ天国に旅立ったのち、キングダムの有力侯爵・オールバンス家の娘「リーリア」に転生した。しかし、父・ディーンは彼女の顔を見るなり「お前さえ生まれなかったら…」と冷酷な言葉を浴びせる。家族愛に恵まれた前世を送っていたリーリアは戸惑うが、執事のセバスから出生の秘密を打ち明けられる。
セバス曰く、ディーンの妻・クレアはリーリアを産み落とした後に息を引き取ったとのこと。クレアを深く愛していたディーンと、腹違いの兄・ルークは悲しみに暮れる余り、幼いリーリアに近づこうとしなかったのだ。それを知ったリーリアは、幸せになることを諦めず愛嬌を振りまき、ルークの心を掴むことに成功する。ディーンもまた、ひょんなきっかけから彼女と接するようになり、自らが得られなかった家族の愛情に癒やされてゆく。しかし、束の間の幸せを満喫していたリーリアに、更なる試練が待ち構えていた。本作は、リーリアが持ち前のポジティブさによって困難を乗り越えるさまが逞しく描かれている。幼女ならではの可愛い仕草と笑顔に癒やされること間違いなしだ。
乙女ゲームの世界に転生したOLが、幼女として生活をエンジョイする異世界ライフストーリー。主人公・アリスことアリス・リヴェカ・オーキュラスは、侯爵家の一人娘だ。とある事件がきっかけで、アリスは前世の記憶に突如目覚めた。記憶によれば、アリスの前世は日本に住む社畜OLだったのだ。OL時の記憶とアリスとしての記憶を併せ持った彼女は、家族を守るべく立ち上がる。
3歳の頃のアリスは、メイドであるルージ・スミスから自分が侯爵家に買われた身代わりであることを告げられる。ショックの余りアリスは気鬱の病に冒され、眠りについていたのだ。しかし、転生がきっかけで目覚めた彼女は真実を父に告げ、ルージは呪いをかけていたことが発覚し死罪となる。家族の絆を取り戻したアリスは、ローヴァイン離宮魔術学園で修業に励むことに。しかし、学園の雰囲気がとある「乙女ゲー」の世界に酷似していることに気づき、エンジョイしようと決意するのであった。
大学生だった主人公が幼女の姿で転生し、地球に戻るためエリート書記官として奮闘する異世界お仕事ファンタジー。主人公・水瀬玲奈(みなせれいな)はごく普通な生活を送る大学生だ。ある日学校に行く途中、足を踏み外し道端の穴に落ちてしまう。気がつくと玲奈は見知らぬ森の中で、10歳程度の幼女の姿になっていた。おまけに突然現れた猫と鳥の精霊に懐かれ、困惑のあまり気を失った彼女を介抱したのはベルフォード王国の子爵・アルベルト・フェスティーユであった。
目が覚めた玲奈にアルベルトは、かつて国難を救った「異世界の乙女」の話をする。「精霊持ち」である彼女の身を案じたアルベルトは、自分の養女になることを提案し、「レーナ」としてフェスティーユ家で暮らすことに。この世界にある「書記官」という職業が異世界の乙女の情報をまとめていることを知った玲奈は、その謎を解けば地球に戻れるかもしれないと思い、試験を受けることを決意。晴れて合格し、今度は少年「レン・フロード」として職務に励むのであった。一介の大学生だった玲奈が、世界を救う使命を背負い、幼女や少年、大人の女性と目まぐるしく立場や姿を変え奮闘する姿が面白い。彼女の助けとなる精霊たちも可愛らしく、ファンタジーとして読みごたえたっぷりだ。
ヤクザの親分がなぜか幼女に転生し、取り巻きたちと共に騒動を繰り広げるフルコメディ。主人公・神代紫(かしろゆかり)は、どこにでもいる小学2年生だ。紫は帰り際、同級生からツインテールの左右の位置が違うと指摘を受ける。笑顔で迎えの車に乗り込む紫だったが、乗車した途端、愛らしい態度が豹変する。ツインテールを結んだ舎弟・国光(くにみつ)に鬼の形相で詰め寄る紫の正体は、かつて関東一帯を牛耳ったヤクザの「皇王会」会長・皇(すめらぎ)義彦の転生した姿であった。
紫は可愛らしい幼女の姿をしているが、中身は武闘派のヤクザの大親分だ。ゆえに同級生との会話にもこと困る毎日を過ごしている。何とか話を合わせようと、少女アニメ「にるヴぁ〜にゃんず」のステッキを所望したり、パンケーキを食べに数時間も並んだりと苦労が絶えない。しかし、手に入れたステッキが転売品だと知り激怒したり、限定パンケーキを食べられなかった他の親子に順番を譲ったりと、義理人情にあつい一面がある。国光をはじめとした取り巻きたちもまた、幼い頃や若い頃に困窮しているところを会長に拾われた恩義を感じているため、紫のわがままを許してしまうのも微笑ましい。薬(ヤク)や筋の通らない話は許さないハードボイルドさと、幼女とのギャップにクスリと笑わせられる。
とあるサラリーマンが幼女に転生し、謀略渦巻く戦争に巻き込まれ奮闘する異世界バトルファンタジー。統一暦一九二三年六月、北方軍管区ノルデン戦区。帝国の航空魔導少尉である幼女・ターニャ・デグレチャフは、敵国の越境侵犯によりたった一人で観測手の任務に就いていた。ターニャは「なぜ私は戦争に参加しているのか」と逡巡する。実は、彼女の正体は、日本人のエリートサラリーマンが転生した姿であった。2017年にテレビアニメ化。
ターニャは前世、冷酷無比なリストラを行ったツケで何者かの恨みを買い、線路に突き落とされ死んでいた。信仰心のなさから死後の世界で創造主の怒りを買い「非科学的な世界で、女に生まれ、戦争を知り追い詰められるがよい」と言われ幼女として魔導の世界に転生を遂げる。生まれながらにして魔導適性を持ち合わせていたターニャは、前世さながらの出世を目論み、帝国航空魔導士の道を歩む。創造主への復讐心と、軍の後方でエリートコースを歩めるとの野心から奮闘するが、思いもよらぬ運命が彼女を待ち構えていた。ひょんなことから幼女となったターニャが、本人の意思とは裏腹に戦火にまみれる魔導士生活を送るのが痛快だ。彼女に安住の時は訪れるのか、展開から目が離せない。